決着
邪神が何かを創り上げている。
「破壊」
そのお父さんの言葉と共にその何かは消え去った。
「ッ……!相変わらず厄介な使い方をするもんだ。」
轟音が鳴り響く。
拳と拳がぶつかりあった音だろう。
「お前が創造主なら、俺は破壊主になってやる。」
「お前のその理をねじ曲げる力があの餓鬼にも受け継がれてるせいで面倒になってるんだ。そもそも餓鬼を良く隠して育てられたもんだな。」
お父さんは邪神に回し蹴りを喰らわせる。
「お前を完全に殺すことは今の俺には不可能だ。俺は死んだ身だ。あの封印した時のように[^1024]をすることは不可能だ」
「俺を弱らせてそのところを息子にやらせるって魂胆か。だが、俺も強くなっているんだ。何も出来ずにいたお前とは違う。」
「ハッ、俺に隙をつかれて封印された割に余裕があるみたいだな。」
バキバキ。
邪神が拳を突き刺そうとしたが、それは防がれる。
凄まじい戦いだ。
「考えろ!!名無し!!!決定打は必ずお前が持ってるはずだ!!」
お父さんは戦いながら俺に言ってきた。
邪神が俺の目の前に迫ってきていた。
お父さんは邪神を掴み投げ飛ばす。
「……ッ!」
「させねぇよ。頼むぞ、お前がこの戦いの鍵だ。」
俺が邪神を撲滅させる決定打……
今の俺に[÷0]を起こすことはできない。
……待てよ。
俺のお父さんは自分自身の寿命を全て賭けて[0^1024]をして邪神を封印した。
ならば、俺も寿命の全てを賭けて撲滅するしかないんじゃないんか。
……怖い。
すべてを賭けて死んでしまったらどうなるんだ。
目的の為なら何でもする。
そうだろう。俺。
全てを賭けて戦うんだろう。
バキ
バコ
バキバキ。
轟音が鳴り響いている。
お父さんと邪神が戦っているのが聞こえる。
長い時間戦っていた。
気がつけばお父さんの体が光り出していた。
「ッチ……時間がねぇな。だけど、かなり稼いだ。お前も少しは疲弊しているだろう。」
「お前が消えてなくなってからあいつもお前の元に贈ってやるよ。」
「お前は俺と一緒に地獄に落ちんだよ。」
決定打……
それは命を懸けて[÷0]という概念を邪神に与え続ける事だ。
バグによって消え去る事を祈る。
「……ふっ。」
お父さんは俺の方を一瞬見てそう言った。
すると、お父さんは邪神の後ろに一瞬で回り込み、邪神を後ろから抱き留める。
「ッ!!!!」
「今だ!!!!!」
邪神は抗おうとするがお父さんに留められている。
俺は邪神の元に一瞬で行き、邪神に触れる。
寿命を賭ける。
力がみなぎると同時に生命力が下がっていくのを感じる。
初めての感覚だ。
[÷0]
Error
その瞬間、邪神の体が光、その光が四散した。
……
邪神は消え去った。
「……やった……のか?」
俺はお父さんと対面する。
その城で。
「やったんだぞ。喜びな。」
「………」
「どうした?」
「お父さん……俺もそっちに一緒に行くみたいだ」
「いや……そんなことはさせないさ。」
お父さんはそう言い、俺の肩に触れた。
「お前はこの世界で俺の分まで生きろ。これは俺の願いだ。それと、もし、また何かが現れた時。お前がどうにかするんだ。」
「……」
何をやろうとしているのかわかってしまった。
「そもそも。俺がこの世界に居られるのもお前が起こしてくれたバグのお陰なんだ。お前には感謝している。」
「……邪神を撲滅できたのは、お父さんのお陰だ。僕の、目的は叶った。」
「そうか。それはよかった。」
「できるならば、お母さんにも会いたかった。俺を英雄の息子というプレッシャーをかけずに生きさせてくれたのはお母さんだったからだ。お礼をまだ言えていない。」
「お礼は俺が言っておくよ。安心しな。」
「……ありがとう。」
「お前、名前をまだ付けれていなかったな。俺が英雄と称えられていたせいで、何も出来ていなかった。俺が人助けをしてしまったせいでな。」
「いい事だよ。お父さん。」
「ラウハ。これはお前の名だ。この名に相応しく平和に生きてくれ。」
「ラウハ。いい名前だ。ありがとう。お父さん」
「またな。ラウハ」
「また……ね」
お父さんはその瞬間、能力を発動する。
そして、お父さんは光り輝き、消え去った。
俺の生命力が強くなっていくのを感じる。
「お父さん……」
ここから、どうしようか。
邪神を撲滅した。
目的は完遂された。
とりあえずアイトとキナに会いに行こう。
話はそれからだ。




