上の者
キナと階段を駆け上がる。
ジョン達の所へ行かなくては。
俺はまだ謝りもしてない。
無礼な俺を助けてくれたんだ。
お礼をしなくてはならない。
「ジョンの能力とかはわかってるのか!」
「わかってますよ!」
「教えてくれ!」
「ジョンさんは【気合】と言う能力です!気合いがあればあるほど強くなる能力です!アイトさんは【静止】です!触れたものを少しの間止めることができます!」
「わかった!!ありがとう!」
俺達は階段を駆け上がった先に扉があるのを見た。
この先に、ジョン達が!
そう思い、その扉を蹴破った。
「ッ?!」
その先にあった景色は、
〈絶望〉そのものだった。
ジョンの腹をその人の形のやつが生み出しているであろう何かが貫いていた。
アイトは壁にぶつけられ、気絶していた。
「お、お前たち……逃げ…」
バシュッ
ジョンの首が飛んだ。
その首は、俺の所に転がってきていた。
その目に、光はなかった。
「こいつらハ、弱いナと思った。あノソンをタおすに値しナいとオもっていた。つまリ、お前ガタおしタんだナ。」
「お前……!!!」
「狂人さん…」
「…キナ…戻っててくれ。お前はここに居たらダメだ。気配を消して隠れてろ…」
「わかりました。」
キナは去っていった。
「お前…」
「ワタしはここの門番だ。表ニいた奴は元々、期待ナどサれていナかッタヤツだ。」
どこか話し方に違和感がある。
その飛来してきた触手らしきものを俺は腕で弾き飛ばす。
「お前は……悪人だな」
「ワタシは、邪神さマによっテ創ラレたモノだ。《狂人の討伐》を感知シマシた。抹しョゥをハじメル。」
その瞬間。
その触手が俺を掴んだ。
[÷58]
能力を使ってその触手をみじん切りのようにした。
「キサマ、なかなヵャルな?」
「俺は、お前を殺して先に進む」
バキバキ
そいつの腹を殴りぶち飛ばす。
その拳は触手に防がれたがそいつはぶっ飛んだ。
エネルギー弾をそいつに放つ。
妙な音と共にそいつはそのエネルギー弾を触手で包んだ。
ナイフを創造し、その迫ってくる触手を切り分ける。
その瞬間。
エネルギー弾が横の触手から放たれた。
バリア+1
ひとつの攻撃を阻止することが出来るバリアだ。
よくできたもんだ。
触手を切り裂いて。
エネルギー弾を放つ。
埒が明かない。
もっと近くに行かなくては、致命傷が与えられない。
身体能力[×51]
スピードをあげる。
「そろ、ソろ攻撃に転じル、ヵ。」
「ッ?!」
そいつは俺の目の前にやって来ていた。
「シね」
その重たい触手は俺の腹を突き刺すように放たれる。
ナイフで防御した。
「ッ!!!」
気を抜いたら。ナイフが壊される…!!
ナイフの硬度[×10]
俺は左手でナイフを創造し、
左腕をのばしそのナイフをそいつの首を切り裂くように攻撃する!
そのナイフがそいつの首に当たって
これで……!!
そう思っていた。
バシュッ
「コ、の左……腕は惜シいナ」
俺の左腕は触手によって一刀両断されていた。
右手にもっていたそのナイフでその触手を一刀両断して距離をとる。
「ッッテェ!!」
腕に走る激痛。
感じたことの無い痛みだ。
能力で!!
再生能力[×50]
使えない……?
いや、発動できない…?
「フッは…教えてヤロウ。ワタクシによッて切断されたモノはワタシを殺さないカギリ再生はフかのうダ。」
……まずい。
つまり俺はこの左腕を再生できない。
片腕と両足で、どうやってこいつと……
こいつは想像以上に強い。
ソンの何倍も。
今の俺だと…負けてしまう可能性が。
「諦めようとすんなよ……狂人。」
その声がした方向を見る。
その触手の奴の後ろからだった。
アイトだ。
アイトはその触手の奴に触れて
「今だ!!!!やれ!!!!!」
そう言った
アイトの能力は静止。もし、その静止がどんな奴でも静止出来るのであれば、これは絶好のチャンスだ。
「ゥごケない?」
そいつは動けていなかった。
「時間はねぇ!!早くしろ!!!」
俺は能力を使って距離を縮める。
手にエネルギー弾を創り出す。
そのエネルギー弾の威力を[5¹²]する。
俺が今出せる最大火力だ。
「離れろ!!!」
「わかった!!」
そう言って、アイトは離れた。
「……ココ、まデヵ。」
俺はそのエネルギー弾を放った
とてつもない轟音と共にそいつは消え去った。
「やった……か。」
俺は倒れた。
「おい、狂人。休んでる暇は無い。」
「キナを呼んで来ないとな。」
「早く呼んで回復してもらって上に行くぞ。」
「ぁあ、わかった。」
俺達はキナを探した。
「居た。」
「……?!狂人さん。左腕。」
「あぁ、忘れていた。とりあえず回復してくれ。」
「ぁぁ……はい!あ!アイトさん!ジョンさんは。」
「……死んだ。」
「………わかりました。回復します。」
回復してもらい、俺は
能力を使う。
左腕の再生[×10]
俺は左腕を再生した。
「凄い能力ですね……私必要だったんですか?」
「無駄に能力を使っても戦いに支障が出るだろう。」
「たしかに。そうですね。役に立てて良かったです。」
「アイト、と言ったな。上に行くぞ。邪神が居るかもしれない。」
「あぁ、わかった。キナも一応来てくれ」
「わかりました!」
俺たちは階段を登った。
ゆっくりと。
そして、大きな扉があった。
俺達はその扉を開く。
そこには、玉座があった。
「玉座……?」
「……邪神が座るのか…?」
そんなことを考えていた。
「まさか、来るとはな……まぁ、ここまで大きい城だ。いずれ見つかると思っていた。」
「……邪神…!!!!」
声は聞こえるが姿が見えない。
殺意が溢れる。
「殺意をそんなに見せなくていい。英雄の息子よ。」
「………」
「英雄の息子……?」
「狂人さんが英雄の息子ってこと…?」
パチッという音と共に邪神は姿を表した。
その姿は相変わらず全身が黒かった。
無毛、筋肉もない。平均的な体型。
されど、不気味だった。
「そこにいる2人は邪魔だな。立ち去れ。」
「んなッ!」
「俺はその気になればお前らを消せるぞ?」
「……」
アイトとキナはその場を去った。
「邪魔者は居なくなった。さて、少し話をしようか。英雄の息子よ。」
「煩わしい奴だ。」
「その顔は英雄によく似ていた。そしてその力もおそらく英雄の上位互換のようなものだろう。」
図星だ。
俺は英雄の息子だ。
そしてこの【四則】という力が親の上位互換の能力であるのもあっている。
「英雄の能力は確か、【指数】だったな。全く厄介な力だった。いや、使用者が厄介だったんだな。」
「お前が、俺の親を殺したんだろう。」
「いや……?違うな。俺は英雄に封印されたんだ。あいつは、俺を殺せないと判断した。だからこそ封印にしたのだ。そして俺はその技にまんまとハマった訳だ。[0^1024]にな。」
[0^1024]
とてつもない数だ。
俺には到底できない技だ。
俺はてっきり、残りの力で殺したのと思っていた。
だが、それでも邪神が理由でお父さんが死んだ事は変わりない。
俺は怒る。
「俺は、お前を絶対に許さない。」
「そうか。今寝返ったらまだ生かす価値はあったんだがな。」
「お前に寝返るなんて事は天地がひっくり返ってもないな。」
「そうか。」
その瞬間、戦いの火蓋は切られた。
そして、世界は暗転した。
辺りを見渡す。
白い世界に俺はいた。
前を見ると、見たことない誰かが立っていた。




