戦
早朝…いや、黒い空だから朝も夜も関係ないか。時間の問題だ。
俺はビルの上に立ち、
足の力に能力を付与する。
[×32]
おそらくここからかなり遠いだろう。
俺はそう考えて、これだけ足に力を乗せた。
足を縮め、ビルを蹴る。
バキバキバキ
ビルからそんな音がなる。
そして、俺は北の方向に飛んだ。
ちょっと強く蹴り過ぎたのか、ビルのところを見るとヒビが凄まじい事になってた。
まぁ、廃墟だし、どうにかなるか。
浮力に[×5]してなるべく滞空時間を長くした。
俺は北に進んだ。
ずっと進んだが、荒廃した街が続いた。
野原もあったりしたが、拠点らしきものはあまり見当たらなかった。
地下に隠れてるって可能性もあるか。
ん?
明らかに拠点らしき建物が見えた。
俺は地に足をつける。
「はぁ…」
なんかデッケェ城みたいなのあるんだが。
そこには魔王城みたいな建物があった。
なんつーもん創造してんだ。
とりあえずあそこからかなり進んだ先にあるから、無線で伝えないとな。
無線をつける。
「あーあー、聞こえるか。えっと、ジョン?」
「聞こえるぞ」
「北に進んだ先に、城みたいなものがある。大体俺達が出会った場所から20km程度だ。」
「なっが…」
「ぁあ、頑張ってきてくれ。俺はそれまで近くの場所待機しておく。近くに着いたら教えてくれ」
無線を切る。
俺は再びあの城を見る。
あの城からは1kmは離れてるだろう。
だが、その距離で目視してもでかいと思える程でかかった。
とりあえず。これ以上進んだら敵がうじゃうじゃいる気がしたから少し離れることにした。
今は戦闘を避けたい。
俺は近くのビルに入った。
おそらく城からは2kmは離れただろう。
ちょうどいいビルを見つけるの時間を少しかけてしまった。
待機する。とは言ったもののやることが無くて暇になってしまう。
いっその事俺一人で城に突入するのがいいのではないか。
そもそも出会って間も無い奴らのことを信じて本当によかったのか。
俺は無線をつけた。
「ジョン。」
………
「なんだ?今向かっているんだが」
「俺一人で城に乗り込む」
「はぁ?!」
「それだけだ。」
俺はそう言って無線を切った。
そもそも、俺の目的は邪神を撲滅することだ。
他人に頼るという手もあるが時間がかかるなら面倒なだけだ。
さて、城に突入するにあたって少し作戦を組むか。
相手はSecret。
大人数だ。
学園の3倍の人数は超えている。
元々一般市民だった者が寝返ってSecretに入ったってのが多いからだろう。
だが、大抵の能力者は学園の奴らに比べればさほど強くない。
俺にとってはの話だが。
俺は城に向かった。
先程の[×32]を足に使う。
そして俺はその凄まじいスピードで城に向かった。
道中敵のようなものも見えたがどれも反応できずに見届けることしかできていなかった。
俺は城の近くに立つ。
デカイな。そう思った。
後ろから来てるその敵を回し蹴りで蹴飛ばす。
そして俺はその門の方を見る。
誰かが立っている。
「よぉ。さすがは狂人だ。」
「ぁあ、そうだな。」
「俺はこの城の門番だ。そして、ここでお前を倒すやつだ。」
そいつはそれを顕現した。
剣。よく漫画で見る勇者が持っているような剣だ。そしてそいつはそれを構えた。
「こい。狂人。お前がこの俺を突破することができない限りこの城に入ることは出来ない。」
「そうか。俺は速く邪神を撲滅するんだよ。」
俺はその足の力を使って地面を蹴る。
そしてそいつとの距離を縮めて、
右手の拳を固める。
「ッ!!」
そいつは焦ってその剣を振り下ろしてきた。
今の俺は強い。
そう断言出来る。
頭を柔軟にして能力を使うことができるからだ。
俺は自分の体の硬度を鉄のようにする。
[×32]
俺は左腕でその剣を受け止めた。
パキーン
そんな金属同士が当たるような音がした。
「んなッ!!」
「残念だったな。お前は俺よりはるかに弱かったみたいだ。」
俺は右拳をそいつの腹に突き刺してぶち飛ばした。
そいつは城の門に飛ばされて門にぶち当たった。
そのお陰で門は開いた。
ラッキー。
そう思い俺はその城の中に入っていった。
「敵だ!!!!殺せ!!!!」
そんな声が聞こえる。
俺は構わず能力を発動してエネルギー弾を四方八方に飛ばした。
爆発音が響く。
煙の中。俺はその攻撃を察知して腕で防ぐ。
「狂人…」
俺はそいつを蹴り飛ばす。
そいつは受身を取って構えた。
「さて、狂人。君は強いらしいな。少しだけ足止めをさせてもらうよ」
そいつは動いて俺の真上にいた。
「この速さを目で追えるって。すごいね君。」
そうだな。俺は今までの経験で能力を使わずにある程度の速さは目で追えるようになった。
その踵落としを俺は片腕で止める。
「足止めにすらならないみたいだな。」
俺はそういいエネルギー弾を作り出す。
「ったく。どんな能力なんだか。」
俺はそいつにそれを放つ。
さて、次へ行こう。
俺はその階段を登った。
度々現れる敵を倒しつつ。
その階段を登った。
そしてそのドアを開く。
そして俺は目を見開いた。
「久しぶり。狂人クン。って言っても、数週間し語ってないか。」
そこに立っていたのは、
俺のドッペルゲンガーに消された。
そうだ、消されたはずのソンだったからだ。
「残念だけど、邪神は居ないよ。僕がここにいるのは、あの消された。そう思った後、何故か邪神が目の前にいたんだ。そして、こっち側に来れば平和に過ごすことを約束しようと言われた。そうだ。僕が求めていたのは平穏、ただそれだけだ。僕は平穏に過ごすために生きている。その平穏を壊すのは君だ。だから、僕は君の敵として立ちはだかる。」
は?なんでだ?
こいつは…何を言ってるんだ?
俺は意味がわからなかった。
「お前。邪神を殺したかったんじゃないのかよ!!」
「そうだね。だけどやっぱり。考えが変わっちゃったんだ。自分が生きていられればいいや。そう思うようになった。そして、邪神を殺したあとのことを考えたら面倒だなと感じた。君もよく考えたらわかることだよ。今、この本島にいる人達は大体が邪神に寝返った。その中に僕も入っている。」
「…」
「邪神を撲滅したってなんの意味もないんだよ」
「そんなわけねぇだろ!!!俺は!!!親の仇討ちで!!!!」
「それは感情論だ。君はただ親の気持ちを捏造して敵討ちをしようとしてるだけど。だから、意味もないこともしないで、君もこっち側においで。こっちの方が、平穏に過ごせるよ」
俺はソンが差し出してきたその手を振り払った。
「なんで!!!お前は!!そうなっちまったんだよ…!!!」
怒りが込み上げる。
「もういい…俺は、敵を全員殲滅する。」
「そうかい。狂人クン…君ならこっちに来てくれると思ったのだけどね。」
拳を握りしめる。
「僕も狂人クンとは1度本気でぶつかってみたかったんだ。この殺意をキミに向けるのは初めてだ。」
「気安く呼ばないでくれ。気障りだ。敵として立ちはだかるなら俺はお前を殲滅するだけだ。」
「そうかい。」
ソンはそう言って構える。
「時間稼ぎ、そう邪神には言われた。だけど、今の僕はキミに勝テル。邪神ニ、能力を貰ッたンダ。」
その瞬間、ソンの体を黒い何かが覆う。
巨大化。
そしてそのソンだった者は俺の数十倍の大きさになり。
「僕ハ、キミヲ、殺ス。コレカラ、任務ヲ遂行スル。」
「変わっちまったな…ソン。」
そして俺は構えた。
「お前も敵なら。俺は、お前を殺す以外の選択肢は取れない。だから、ここでお前には果ててもらう。俺の目的の為に。」
そしてその戦いの火蓋は切られるのであった。




