Aクラス…?
この学園には実力、能力別にクラスが分けられていた。
S-1 A-1 A-2 A-3 B-1 B-2 C-1 D-1 E-1
左から順に強い順だ。
俺はその数あるクラスの中のE-1という一番低いところに居た。
能力を長らく使ってはいなくて体が適応しきっていないからなのか、多分この理由でE-1になった。
落ちこぼれ、能力不明者が集うクラスだ。
もしかしたら無能力者も居るかもな。
そんな俺らと比べ、S-1には最強がたった10人だけ集まっている。
噂で聞いたのだが時空に関係する能力者が居たり、その感情を引き出すことで強くなれる能力者がいるらしい。
少し面白く感じていた。
このクラスの説明はクラスの担任者に
一番最初にされた。
他の奴らの話を盗み聞きしたのだが
S-1以外のクラスの担当者はそれぞれS-1と互角、もしくはそれ以上の実力があると噂されているらしい。
そりゃ怖い話だなと思っていた。
夜、0時を過ぎていた。
俺は寝れずにいたため散歩に出かけていた。
この学園は寮制だ。
E-1の生徒の部屋は本当に必要最低限の設備、いや、もはやそれ以外の部屋が渡されていた。
まるでカプセルホテルのようなところだ。
居心地が悪すぎたがために俺は散歩に出かけていた。
この学園は遠く離れた島に設立されている。
俺たちは目隠しされて連れてこられたため、
この島のおおよその大きさなどがわかっていない。それをある程度把握するための散歩でもある。
歩いてみた感想だが、とてつもなく広いと感じた。
海までは歩いていこうとしたら日が昇ってしまうと感じたからとりあえず少し散策して寮に戻ることにした。
ゴオオオオオン
俺はその轟音を聞き警戒した。
近い?
俺はその轟音がした場所に警戒を強めながら進んだ。
そこに着くと軽くクレーターのようなものができていた。
「これは…………?」
俺は少し考えた。
Bクラスの奴らにこんな事ができるやつがコロコロ居るとは思えない。
恐らくAクラスくらいだろう。
そしてそこには誰もいなかった。
はずだった。
俺はその気配に気づき戦闘態勢に入った。
「君、見ない顔だね。もしかしてCクラス以下の子かな」
「言わないさ。」
「言わないってことは合ってるってことなのか!」
「さぁな?」
そいつは煽るように
「そんな奴がこんな時間に出歩いていたら痛い目に遭っちゃうよ」
と言ってきた
「そうだな。だが、生憎と俺は痛い目には遭いたくないもんなんだ。見逃してくれるか?」
「そうなんだねー。わかった。」
そいつはあっさり承諾してくれた。
そう聞いて俺は寮の帰ろうとそいつに背を向けて数歩進んだ瞬間、
気配を感じ俺は回避行動を起こして
その蹴りを避けて距離を取った。
「これ避けるんだ。」
そいつは少し驚いたような声で言った
「君、面白いね。僕と遊ぼうよ」
「俺は早く寮に戻りたいんだよ。」
「さっきの奴は弱すぎて僕の能力喰らって消し炭になっちゃったんだ。だけど君なら耐えれる気がするんだ!だから僕と遊ぼう」
「イカれてる奴だな」
まぁいいだろう。
先のことを考えておくと少し肩慣らししておくべきだと思った。
他にも他クラスの奴らの実力も知っておくべきだなと思った。
だから俺は
「かかってこいよ」
そう言い
戦いの火蓋は切られた。