学園の終わり
「親父、俺は邪神が嫌いだ。」
「仁、俺は組織に従うだけだ。お前に無理矢理協力させようとなんて思っていないぞ。」
「アンタのその目的が、俺の目的の妨げになるんだよ。」
「お前の目的よりも大事な事なんだよ。」
「埒があかないな。」
「お前が折れてくれればいいことだ。」
「本当になんで俺はあんたの子供になってしまったんだろうな。」
先生が二階堂との距離を縮めそのナイフを刺突させる。
「見えてんだよ、その動きも、アンタがこれから何するかも!!!」
二階堂はその刺突を防いで先生に蹴りを喰らわせた。
「おい、狂人?と言ったな!ここは俺に任せてお前はあのソンと言うやつのところにいけ!」
「でも、1人で先生を」
「大丈夫だ。俺は親父とは戦い慣れている。安心しろ。だから、あいつのとこに行って助けてきてやれ。俺は、あいつに
『狂人クンを助けに行って!!何かまずい気がするんだ!!僕の事はいいから!!はやく!!』
って強い声で言われたんだ。初めて聞いたよあいつのあんな荒らげた声は。」
俺はその瞬間気づく、
俺はソンに頼み事をしていた。俺が苦戦いたせいでソンが。
行かないと!!
「本当にすまない。本当にありがとう。」
「礼には及ばないさ。」
俺はその場を立ち去ってソンがいるであろう場所に向かった。
「息子1人とは、楽にしてくれてありがとうな。いや、あいつが居ても変わらないか。」
「あんたが見てないところで俺は経験を積んできてんだよ。舐めんなクソ親父」
鈍い音が鳴り響いている。
その元につき俺は
「ソン!!!」
と言いその学園長のソンに対しての攻撃を防ぐ。
そして回し蹴りをして学園長を少し飛ばした。
「狂人クン、大丈夫かい?」
「お前、その傷。」
ソンは横腹に深い傷を負っていた。
「出血多量で少し目眩してしまっている。だけど僕の能力で血は止めている。」
「大丈夫だ。」
能力が使えることを確認し、俺はその傷口に手を添えて能力を使った。
「ん?なんだ、傷が癒えていくような。」
「俺の能力の新しい拡張だ。」
「そうかい。ありがとう。」
「さて、ソン。あいつの能力は何かわかったか?」
「君が見ればわかるよ。少し戦ってわかったことといえば。
"見た事がある能力を使っている"
って感じかな。」
「なるほどな。」
おそらく、学園長は末裔の中でもあの先生と同じくトップ層の能力者だ。
「学園長、あんたもそっち側だったんだな。」
「ハハ。君が来るとは厄介だね。」
その飛来してきたハリを避ける。
やっぱり。こいつは
「疑似…?模倣…」
「…ッ!!」
その同様の声を見逃さない。
俺は炎の矢を学園長に飛ばす。
学園長はエネルギーの球を放ち、それを相殺した。
「なるほどな。」
これで確信はついた。
「学園長は知っている能力を模倣して使いこなすっていうわけだ」
少々厄介。
「僕は自分の能力をコピーされちゃって押されてたんだよ。」
「なるほどな」
何でもかんでもコピーできるわけではなさそうだ。
なにか条件、簡単に行くならその何かに触れるとか。
だが、ただの模倣ならば、能力以外にもできるってわけだな。
「学園長、おそらくA-1にも何人かSecretに属している末裔がいるだろう?」
「ノーコメントだ。」
「呼んだ方が楽じゃないのか?」
「…」
「図星か?」
その瞬間、学園長は俺の目の前に現れ、
その手を俺に伸ばしてきた。
俺はその手を触れずに避けて学園長に蹴りを入れる。
その蹴りは防がれ、足首を掴まれていた。
「やっぱりお前は厄介だ。あいつに頼んだ俺が馬鹿だったのか。」
やはりアイツとコイツはなんかしらの縁があるんだな。
俺は学園長に触れようとした
が、学園長は何かに勘づき、距離を取った。
「消し去られるなんて言う終わり方は嫌なんでね。少し慎重に戦わせてもらうよ。」
「ソン。」
「わかってる。」
「合わせるから、先行け。」
消し去るのではなく、情報を吐かせることにした。
それから俺はソンと共に学園長と戦っていた。
「模倣した能力にも慣れてきた。そろそろ本気を出せる。」
「2人相手してそんなに余裕があるだなんて。流石学園長ですね。」
「狂人クン」
ソンは俺を呼んで近づいてきた。
ソンは俺の方に手を置き、
「僕の力のエネルギーを少し分けるよ。さっきのお礼だ」
「あぁ、ありがとう。お陰でとても楽になった。」
███
俺は能力を使う。
俺の手には銃があった。
「んなッ?!」
学園長の驚いたような声が響く。
そうだ、俺はそこには無かったものを出したからだ。
俺の能力はやろうと思えばそういうことも出来てしまう類だ。
俺は銃口を学園長に向けた。
「手を挙げて跪け。言うことを聞かないならば撃つ。」
「ハッ。」
学園長は手を挙げて膝をその地につけた。
俺が近づいて言葉を発しようとした瞬間。
「馬鹿が!!引っかかったな!」
俺は顔面に膝蹴りを入れられ一瞬視界が奪われた。
「狂人クン!!」
後ろからソンの声が聞こえる。
「形勢逆転だ。抵抗をしたらこの銃を撃つ。」
…なるほどな。
俺はまんまと引っかかったわけだ。
あの速さはロルドの能力でも模倣したのだろう。
「狂人よ。邪神が今、どこに封印されているか知っているか?」
「なに…?」
「邪神は今、本島の方に封印されている。」
「それがなんなんだ。」
「私にも、2つ目の能力がある。」
「なんだと?」
「【譲渡】それが私のもうひとつの能力だ。」
譲渡?
誰かに渡す?
「お前、まさか!!」
「そうだ。私は先生の能力をコピーして、もう1人の仲間に譲渡した。」
なんだって?!
「その仲間は、今どこにいる!!」
「おっと、ソンくん。君も動けば狂人の命はないよ」
「…ッ。」
「それで、その仲間は今、本島に向かっている。」
まずい。
その封印が解除されてしまったら。
「お前の能力はあとあと便利になって来そうだ。模倣させてもらおう。」
学園長は俺の頭を掴んできた。
その瞬間銃声が鳴った。
「お前達の相手をしてる暇はないんだ。じゃあな」
学園長はその場を去ってしまった。
「ってぇ!!」
俺は足を撃たれていた。
ソンも足を撃たれていた。
まずい!
痛みに悶え苦しんでいる暇は無い。
「ソン!!!」
「狂人クン、任せて。」
ソンは弾丸の如く学園長の後を追っていった。
「ハァハァ…」
足も痛い。
なかった物を生み出すように能力を使った反動で身体中が痛む。
ソン、足を撃たれているのにあのスピードって、本当に化け物だな。
ここに留まっている場合じゃない。
俺も早く行かないと。
本島ってどこにあるんだ。
この島に来る時、目隠しをされていたから何もわからなかった。
俺はソンの後を追っていった。
足が痛い。耐えろ。
耐えるんだ。
俺は雑木林の中を走っていた。
奥から声が聞こえる。
「ッ?!」
何だこの気配。
ソン…?
ソンに似ている気配を感じる。
木々が倒れる音が聞こえた。
学園長だ。
「なんなんだ!!!アイツは!!」
奥の方に視線を飛ばすと
今までに見たことが無い形相のソンが居た。
「お前を。殺さないと、俺の能力が、暴走してしまう。」
学園長はソンに向かって銃弾を放った。
ソンは銃弾が自分を貫通しても微動だにせず、手に何かを溜めて放った。
学園長はそれをモロに喰らってしまった。
学園長の口から血が吐き出される。
「汚ェやつだな。お前。」
口調も変わっている。
「狂人クン。やってくれ」
「ぁあ、わかった。」
俺はそのボロボロの学園長に近づいた。
「ぁあ、やめてくれ。情報は話す。だから、やめてくれ。」
「聞いてやる」
「A-1のフード被っているやつだ、Secretに属しているのは。」
「そいつは今どこにいる」
「本島で、仲間を探している。本島にも、Secretの奴は沢山いる。」
「その仲間はどこにいる?」
「都心だ!都心部にいる!邪神が封印されているのも都心だ!」
「本島はどこにある。」
「西だ!西に進めば本島がある!だけどかなり遠い」
「嘘ではないな?」
「嘘じゃない!!だから、殺すのは!!」
「そうか」
俺はそういい学園長の頭を握り、
能力を発動させた。
██
学園長は消え去った。
おそらく学園は破綻して無くなるだろう。
「ハァ、ハァ…」
「狂人クン、能力を使わせてすまない。僕の能力だと完全に消し去ることはできないから」
そういいソンは俺に触れた。
疲労が少しづつなくなっていくのを感じる。
「ぁぁ、ありがとう、ソン。」
「礼には及ばないよ。」
「本島に行かないと」
「そうだね。まずいよ」
「とりあえず二階堂と合流だ。それと、A-1の奴らと」
「狂人クン、A-1の奴らは全員殺されていた。」
「…ガチか。」
「仕方ないからその二階堂と言うやつと合流しないと」
「ソン、ついてきて」
「わかった」
俺たちは学園の屋上に向かった。
屋上に着くと座り込んでいる傷だらけの二階堂と、
包丁を刺され死に体の先生が居た。
「あ?ぁあ、お前達か。」
「お前、大丈夫か?」
「大丈夫だ。」
「本島に行くぞ。時間が無い」
「なんだと?」
「邪神の封印が解かれるかもしれないんだ。」
「本島の場所は?」
「この島を出て西の方にずっと進めばあるらしい」
「どうやって行くんだ」
「俺の能力で飛ぶ」
「んな?!」
俺とソンと二階堂は海岸に来ていた。
「担ぐぞ2人とも」
「ぁあ、よろしく狂人クン」
「た、頼むぞ」
俺は2人を担いで足に能力を発動させて飛んだ。
「はっえぇ!!」
「時間がないんだ。急がないと」
俺達は空を飛んでいた。
「二階堂クンって名前なんて言うの?」
「仁だ。」
「仁クンって呼ぶね!」
「馴れ馴れしいな。ソン」
「仁クンも名前で呼んできてるじゃないか。」
そんな会話をしている二人を見て呑気だなと感じた。
「仁、お前も末裔なんだろ。能力2つ持っているのか?」
「ぁあ、持っている。」
「なんだ?」
「【未来視】と【過去に戻す】能力だ。」
「お前は時間を操るタイプか。ソンは?」
「僕は【喜怒哀楽】だよ」
「なるほどな。」
「狂人、お前の能力は何なんだ?」
俺の能力…か。
「今は、言えないな。」
「ずるいぞ、おい」
「そうだよー!狂人クン」
「おい、本島が見えてきたぞ。」
人気がなかった。
そりゃそうか、深夜だしな。
俺は何とか着陸した。
「邪神は都心のどこかに封印されているらしい。とりあえず都心部まで行くぞ!」
「わかった」
「はーい」
俺たちは都心部まで向かうのであった。




