第八話衝突前
汚い言葉が出てきます。
苦手な方は避けた方がいいかもしれません。
物語りで少し重要な部分が、入ります。
「あ、あの〜」
「何だ?」
「ちゃんと準備してから行った方が...ヒィ!」
小太りの男性に言われ、苛立ちを見せるが、抑えた。
「なぁ?お前は俺が恨みだけで向かってると思うか?」
「え...えーと、まぁ」
「はっきり、しゃべれや!」
「はい、そう思います!」
「チッ、そこまで元気よく言うんじゃねぇよ。」
村にいた時は、仲間にあたりまくったことを、今反省している。雨に打たれたおかげで、頭が冷えた。俺は小さい時から、すぐ頭にきて、周りが見えなくなる。俺の悪いところだな。
「それで、なぜこんなに急いでいるんですか?」
「魔物はどうやって歳をとると思う?」
「えっ....それは普通に、1年に一歳増えてくんじゃ...」
「正解でもあるが間違いだ。種族によるがな、血や肉を得ることによって、魔力を摂取し歳をとる。」
「?」
「つまり、獲物を狩ることにより、進化する。そしてこの進化=歳になる。」
「えーと?」
「チッ!やつは今その条件をクリアしたんだ!ウルフは進化したら、1パーティーじゃギリギリの戦いになっちまうその前に殺さないといけないってことだ!」
「なぜ?クリアしたってわかったんですか?」
「あぁ〜もう授業はここまでだ!」
「は、はい!」
魔物が進化に必要なのは、死に近い体験をすること、戦闘の経験をすること、大量の魔力を摂取すること、この3つが必要になる。そして、最悪なことに、俺の肉、つまり人の腕を食べたことにより、より強化した魔物に進化する。
そんなことを考えている内に、現場に着いた。
「あ〜なんてことだ、俺の愛車が〜」
膝をついて落ち込む。荷車はひどい有り様だった。
バーバーリは荷車に近づき、状況を確認する。
俺が思ってたより、進化に必要な、魔力量は得られなかったみたいだな。
「おい!あいつの痕跡をたどれ!ここで確実に息の根を止める!」
「...わかった...」
「やる必要はないさ、バーバーリの言うことを聞かなくていいんだよ、モネちゃん♪」
「...キモい...」
「なっ⁉︎」
「ハッハッハ、フラれてやがる。まっ、そもそも相手にされてないかハッハッハ」
「貴様、言葉は選べよ!」
「...ついてきて...」
「2人とも〜ここは喧嘩しないで、行きましょっ?ね?ね?」
「「フン!」」
「ハァ〜、本当これからどうなるんだろう、怖いな〜」
モネの先導により30分ほど進んだ先に、雨宿りに丁度いい洞穴があった。
「あそこか?」
モネはうなずく。
「洞穴か、中での戦闘は危険か。」
「そうですね、ここは、出てくるのを待ちますか?」
「だが下手に、時間を使いたくはないな。」
「これならどうでしょうか〜、気づかれない内に簡単な罠をはり、準備出来しだい炙り出すって言うのは〜?」
「悪くはないな、わざと見え見えのトラップを作り、進路を限定させ、そこを叩く。」
「そんなんで、大丈夫ですかね、私の魔力操作でやってしまえば簡単ですよ。」
「人のことは言えねぇが、お前も器用じゃねぇーだろ、テメェは結界しか得意じゃねぇんだからやめとけ」
「それ以外もできますよ」
「ここでやるのは得策じゃねぇよ。背伸びはするな、それに魔力を使えばすぐバレて、終わりだ。」
「......」
「お前ら、作戦はわかったな。」
バーバーリが確認をとると、3人は頷いた。
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