第84話底へと
グロいシーンは、ありませんので、安心してお読みください。
迷宮
壁などにヒビが入る。揺れは、おさまるどころか酷くなっていく。
生徒達は、壁などが崩れないように魔法などで、なおしていく。
「交代の時間です。休みなさい。」
今の所交代制で、やっているがこのままでは、まずいですね。何かいい案が、あれば...。
轟音がした。
広場の中心に、大穴をあけるアグニの姿がいた。
「皆さん、この穴に入ってください。」
「何をなさっているのですか?」
「このままでは、押しつぶされて終わりです。なら逆に埋まれば良いと、考えたまでです。」
「生きるのを、諦めろと?」
「いいえ、生きるためには、この手段しかないと思いました。」
「......。」
学園長は、顎に手をやり考える。
「考えてる時間はねぇぞ。学園長さんよー!」
「バーユ君。」
「赤...アグニ、協力するぜ。」
「....。あなたに、名前を呼ばれるのはいつぶりかしらね。」
「お前達、危険なことしようとしてないか?」
学園長の後ろに控えていた、カガが問いかけてくる。
「危険な橋ではありますが、私達ならできると判断したまでです。」
このままいけば魔力が尽き、なおせなくなるのは目に見えている。ならば...。
「.....まかせよう。」
「ありがとうございます。」
学園長は、決断する。
バーユは、壁にツタを張り巡らせ崩れないよう抑える。
その間に、皆掘れた穴に入って行く。
10分する頃には入り終わり、あとは私とバーユそしてベレヌス。
「白..オメェは入らないのかよ?」
「うーん、こっちの方が面白そうだからいいかなぁー。」
「こんな時に、喧嘩しないでくれる?」
「喧嘩の内に、入らねぇよ。...それより早くやってくんねぇか?以外とキツイんだよ!」
「わかったわ。皆さん万が一がありますので、結界で自分を守っていてください。」
それを聞き、各人結界を発動させる。
アグニは、火の鳥を何百匹も出す。穴の周りを隙間なく囲う。
「いきますよ。」
鳥達は一斉に、天井へと飛び立ち勢いよく同時にぶつかっていく。
天井が、崩れ落ちてくる。
「バーユ。」
「わかっとるわ!」
落下してくる天井をツタで、勢いを殺しゆっくりと穴を塞ぐ。
先程の攻撃で、崩れてくる。
「しょうがないなぁ〜。」
ベレヌスは、地面に勢いよく手の平を地面に叩きつける。
大きな魔法陣が、展開される。
「「⁉︎」」
本来の魔法陣は、手のひらサイズであり、あらかじめ用意しておかなければならない。だけど、ベレヌスは違った。魔法陣を用意してる仕草は全く無く、規模は桁違いだった。
「2人とも、そこから動かないでよ〜。」
完全に崩れ落ち、生徒達がいた広場は無くなった。
「ん?」
「何だこれ?」
「面白いでしょ〜。今はスライムの中にいるんだよ〜。」
体は無事だ。ジェルに触れている感覚だが、息ができる。
「消化されないだろうな?」
「僕が、消化してくれって思わなければ大丈夫だよ。」
どうやら大きなスライムの中にいた。
「これからどうする〜?僕的には、地上に行って状況を確認したいんだけど〜。」
「頼むわ。」
「オッケー。」
地上へと向け、動きだす。
首都、正門前。
「容体が、一向によくならない。」
傷口は塞ぎ、骨も完全に治したが、意識は戻ってこない状態だ。
「「「「⁉︎」」」」」
地面が跳ねる。縦の振動に耐えれず建物、壁が崩れる。
「「「陛下!」」」
庇うように、陛下の周りを囲う。
「おいおい....嘘だろ。こっから海までの距離をどれくらいだと思ってんだよ。」
「「「「.......。」」」」
津波だ。500メートル級の津波が、迫ってきた。
私はどうやら、大きな間違いをしていた。甘く考えていたのだ、全てを....。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。