第82話我慢比べ
グロいシーンが、あります。
苦手な方は、避けてください。
ドスンと、地面が沈む。
....,。
脚が水に当たる。水は徐々に上がってくる。磯の匂い。
常識外れだな。
緑色の鱗が伸び、長い棘に変形していく。
俺の周りを、体で囲い始め逃げ道を塞いでくる。さほど速くはなかったが、体が重すぎて動きが...。
てかなんだよこれ。こんなんじゃ、戦うどころか動けねぇじゃねぇか!
俺の後方から噛みつこうと、仕掛けてくる。
ハァ〜、ガッカリだよ。最強の一角が、こんなものかよ。グウィバーの時は、もっと衝撃的だったぞ。
電流を海水に流し、感電させるが、耐性があるのかあまり効いてないが、動きが3秒程止まる。止まった瞬間振り返り、首元に噛みつき電流を体内に直接流す。
悲鳴が、鳴り響く。
シーサペントは、俺の体にぐるぐると巻きつき強く締め付けていく。
体がミシミシと、きしむ。
棘が体を切り裂き食い込んでくる。頭が、クラクラしてきた。
この棘、毒か。
全身を電気と炎で纏わせながら、首元を食いちぎろうとするが、噛みちぎれず我慢比べが始まったが、できるだけ早めにケリをつけたい。
地面は沈んでいき、海水が腹部の下まできていた。海水が増えれば増えるほど、相手の土俵になる。それだけは避けたい。
亡霊を2体出し、俺に構わず切り裂いていく。
グッ!
痛みを、耐えようと歯を食いしばると、首元に食い込んでいく。が、シーサペントもやられるだけではない。海水を操り、息ができないように体を覆う。水に魔力を宿し、水の槍を作り無数に突き刺す。
海水は徐々に赤くなり、一帯は赤い海となる。
地は完全に沈み海水が、一帯は海とかした。
首都の正門
バサバサバサバサ
「救護班を!」
副団長は、地面に着く前に下にいた、門番達に命令する。
「なんだ?」
「おい!他の者はどうした?」
門番達は、ウインブルーの容体が見えず呑気に、答えてくる。
「死んだ!早く救護班を!」
「「⁉︎」」
門番達は慌てて、サイレンを鳴らす。
サイレンを聞いた者達は、騒ぎ始める。
「帰ってきたのか?」
「だがこのサイレンの音は....。」
「失敗したのか。あの第三騎士団が...。」
「失敗って、何があったのよ!」
「知るかよ!」
「どけどけ、邪魔だ!」
白い服に、緑のラインが入った団体が、市民を押し除け正門に向かってくる。
「‼︎.....」
白服達は、目撃して言葉が出ない。
「治してくれ!」
「何があったんです⁈」
治療に取り掛かりながら、聞いてくる。
「'フェンリル'が現れたんだ。」
「あの、'フェンリル'が...」
「それだけじゃない、シーサペントらしき者も現れた。...この揺れの原因は、奴らが戦っているからだ。」
「「「「........。」」」」
その場にいた者は、固まる。
本来、頂点に君臨する魔物は滅多に姿を現さない。だが、'フェンリル'が現れてからその常識が、無くなりつつあった。
明らかに、おかしいのだ。最近は魔物達が、活発化になっており再び、あの災厄が訪れようとしているのではないかと、考えてしまう。
「このままいけば、我々は....。」
「集中なさい。」
「「「「⁉︎..陛下‼︎」」」」
「先のことより、今すべきことをなさい。彼女を死なせれば、確実にこの国...いや人類の痛手になる。死んでも助けなさい。」
「「「「はっ!」」」」
白服達は、目の前の患者に集中し、治療魔法で癒していく。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。