第6話狩るもの
グロいシーンが入ります。
苦手な方は、避けた方がいいかもしれません。
鳴くのをやめ、現れた3匹の魔物を見る。
俺と同じ種族'ウルフ'だ。ただ、生きてはいない、体は薄い青色の半透明だ。体を通して、見えない景色が見える。簡単に言うと、幽霊に近い存在なのか...
その時、頭に直接、ノイズが走り、酷い頭痛がくる。
10秒ぐらいは続いて、急に止まった。
脳内で、3つのモニターが、現れた。軽いパニックが起きそうになるが、深呼吸して落ち着かせる。
このモニターには、3匹が見ているだろう、視点が映しだされていた。もしかして...感覚がリンクしているのか...
そして俺は始めて、自分自身の体全体を見ることができた。
体長は約1メートル近くあり、毛は薄い灰色でお腹は白かった。
俺はモニターを見て、体に突き刺さった矢を抜きたいと思った。それが伝わったのか、1匹が近づいてくる。感覚がリンクしているせいなのか、矢を抜きに来てくれたとすぐわかった。
矢が刺さって時間が経っていたので、抜く時はかなり痛かった。抜いた箇所を、舐めてくれた。治癒魔法が、かっかたみたいに、治り始めた。
ありがとう
と伝えたら、3匹は一瞬にして消えた。それと同時に、急激に腹が減り、喉も渇き始めた。今の出来事を、じっくり考えたかったが、思考が回らないぐらいまできてた。
これはやばいな...何でもいから腹にいれるか。
食事は地面にはいてた草を食べ。水分は運良く雨が降ってくれてたので、泥水をのんだ。草を食べても、腹は満たされない......。
俺の脳裏に、あの家族が現れる...あれを食べれば満たされる。
来た道を引き返し始め、5分ぐらい歩いた所で、岩が目に入り、頭をぶつけに行く。
ドン!
鈍い音がした。額から血がでる。今...俺は何をしようとした....クソが!何を考えてる!冷静になれ!何かあるはずだ...
俺は辺りを、見回した。
今日は、運がついているのか、荷馬車がみえた。どうやらこの雨のせいで、タイヤがぬかるみにはまり、出れなくなってるみたいだ。あの、荷馬車には確実に飯がある。うまそうな、匂いがこっちまで、ただよってきてる。
全力疾走でその馬車に近づき、馬車を引いてる馬?の首に噛みつき、捻る。
「ギャーーー、助けてくれーー」
タイヤの横にいた馬車の持ち主は、腰を抜かしていた。俺は荷台に乗り込み、荷台の中にある食い物は全て、その場で無我夢中に食い始めた。
積んであった物や馬に似た魔物を全て平げ、その場から立ち去った。立ち去る時には、すでに人間は存在せず、馬車だけが残されていた。
この時の俺は、腹が満たされ上機嫌で立ち去って行った。
襲ったことにより、とある事件の引き金を引いてしまったことに気づかずに......。
ここまで読んでいただきありがとうございます。