第30話食事
グロいシーンありません。
安心してお読みください。
バシャ.....シュー
俺は何かをかけられ、かけられた所を見る。かけられた所からは、湯気が出ている。傷がみるみる、塞がる。
「回復薬だよ。」
「ありがとう」
俺は手を握ったり、開いたりした後、目で治った箇所を見る。
「その古傷、すごいね。普通これかけたら、大抵治るんだけどな〜。」
「あぁ、こいつか....こいつは特別でね。」
「へぇ〜」
俺の左肩にある傷をみながら、言われたので、傷を触りながら答えた。
「主からだ」
「ん?」
どしんと重い、巾着袋を手で受け取る。
「金だ。それを渡すのを忘れてたとのことだ。」
「ずいぶん重いな、いくら入ってるんだ?」
「知らん。ただ一か月は生きていける金が、入ってるんじゃないか。」
「なんか....口調変わってね?」
「普段は、油断させる為に、口調を変えている。だが、一度戦った奴に対しては、普通に喋る。」
「そこまでしなくても、十分強いと思うが?」
「俺はそこまで強くない。この業界で、長くやってれば自分の立場はわかる。」
冒険者か、所詮人間と侮っていたが、油断はできないな。
「なぁ、決闘の約束覚えてるか?」
「お前が、勝ったら明日付き合うだったか、何をするんだ?」
「金も入ったから、これを買いにいく。」
そういい、くしゃくしゃになった、紙を渡す。
「いろんな物があるな」
「あぁ、正直どれが、どこの店に売ってるかわからんし、武器に関しては、詳しい奴に聞こうとしてたから、丁度いいだろ?」
「なるほどな。じゃあ10時頃買いに行くか。」
「よろしく頼むよ。....それと旨い飯屋知ってるか?」
「知ってるが?」
「案内してくれよ。腹が減った。」
「じゃあついて来い」
「いや〜すまんな、助かるぜ〜」
俺はワクワクしながら、案内してもらう。
町の中に入り15分、喫茶店ぽい店についた。
「ここは、落ちついた店でな、飯も旨い」
そう言い、店の扉を開き入る。
「いらっしゃい」
体つきがムキムキのおっさんが、奥の方から言ってきた。
「びっくりしたろあれ?」
「あぁ、少しな」
「冒険者をしながら、この店やってるからな。何か聞きたいこととかあれば、頼るといいよ。」
「なるほどそれで、あの体つきか。」
俺はメニューを見る。
「ボア・ピグのステーキにしようかな。」
「決まりだな。マスター、コーヒーとボア・ピグのステーキをよろしく」
「おう!」
「コーヒーだけか?」
「俺は2時間前に食べたからな、構わず食え。少し話すこともあるしな。」
「そうか、話しって?」
「お前が切り裂いた奴だけどな、大量出血で死んだよ。」
「⁉︎....傷は深くない筈だぞ。」
「あぁ、確かに傷を実際見たが、深くなかったが、変な術式が、かけられていてな。これだ。」
そう言われ、1枚の小さな紙を見る。そこには、アニメとかで見る。魔法陣見たいのが、書いてあった。
「心当たりは、ないみたいだな。」
「どんな内容の術式なんだ?」
「それが、わからないから聞いてみたんだ。もしかしたら、関わりがあると思ったんだが...その反応じゃ、ないみたいだ。」
「はい、お待ちどぉ」
頼んだ物が、テーブルに並べられる。
俺は食べながら話そうとしたが、むせた。
「大丈夫か?」
手で、大丈夫と合図する。
しょっぱいな。多分あれだ、普段何もつけないで、生のまま食べていたから、しょっぱく感じるのか。
ステーキと一緒に出された、赤い飲み物を飲む。
「ん?これは....」
「ほんとに、大丈夫か?」
「血」
「普通そうだろ。肉系出したらつくだろ。」
普通ありえないだろ。今の俺としては、うれしいが...。
「ボア・ピグって....」
「イノシシの魔物だが。」
「じゃあ、この血は?」
「その、魔物の血だが」
「......」
人間はいつも、魔物を食ってるのか?そういえば、今更だが、普通の動物はいないのか?豚とか牛。
俺はメニューを見直す。一般動物の名前がない。魔物専門って店か?
「日常的に魔物の肉を?」
「そりゃあ、当然だろ。それ以外の肉は、貴族しか食えない値段だからなぁ〜。まぁ、新鮮な魔物の血は、飲むけどな。」
衝撃が走る。動物がいないとは、思っていたが、そういうことだったのか、もし人間として転生してたら、この食事は受け付けないぞ。魔物で産まれてよかった。
そんなこんなで、ご飯を食べ終わり、会計になる。
「140マニーになります。」
「明日、出費がすごいから、ここは俺が出す。」
「食った側なのに、すまんな。」
「構わんさ。」
金についてわかったことがある。マニー=円で、1マニーは10円て考えで合ってると思う。ステーキが110マニーだったから、1100円と考えたらしっくりくるからだ。
店を出た。
「ごちそうさま」
「例の件は内密に。....それではまた明日。」
「よろしく」
店の前で別れる。
すでに、陽がおちていた。
また、町の外に出て寝るか〜
ここまで読んでいただきありがとうございます。