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木の枝を踏みつける音を聞いて、青服の青年はそちらの方向を訝しげに見た。
「ちょっと…」
その場所を見続けながらやや警戒した声音で仲間達に注意を促す。
遅れて仲間の二人も同じ方向を向く。
1メートルより大きな体格のそのドラゴンは恐竜を連想させる骨格。
比較的にみれば小型であろう。
青服の青年が片手剣を抜く。金属の擦れる鈍い音がする。
盾を前に構え、正面に身体を保つ。
ドラゴンは姿勢を低くとっている。
いきなり飛びかかってはこない、睨み合いが行われる。
拍を置いてドラゴンがひざを浅く落としたのが合図。
青年の背の斜め上空の高さまで飛び、飛びかかってきた。
こんなところで怯むキャラバンではない。
青年はドラゴンの動きを落ち着いて見極める。
飛びかかってくる後ろ足が届かない低さまで腰をかがめる、身体の横をドラゴンが掠めると横に構えた剣を胴体に狙い、裂く。