♥ 学校の七不思議「 夏のホラー2021 」
小学校へ通った事のある子供ならば、誰もが知っている “ 学校の七不思議 ” ────。
小学校だけではなく、何故か中学校,高校,大学にまで、“ 学校の七不思議 ” は存在している。
七不思議の内容は大体、同じだ。
七不思議なのだから、七つある筈なのに実際には六つしかない七不思議。
七不思議の七つ目を知る者は何処にも居やしない。
いや──、もしかしたら、“ 学校の七不思議 ” を1番最初に考えた発案者ならば、七つ目の不思議を知っているかも知れない。
単に考えてないだけかも知れないが……。
もしかしたら、七つ目の不思議は「 読者の皆さんのご想像にお任せしちゃいまっす★ 」的な感じで敢えて考えていないのかも知れない。
本当は七つ目の不思議は実在するのだが、何者かが「 分からない方が怖くて面白いんじゃね? 」的なノリで世間に出回らないように裏で画策して手を回したのかも知れない。
真実は闇の中だ。
「 信じる 」「 信じない 」はアナタ次第です!!
「 …………で?
何でこんなふざけたカルトサイトを私に見せてんの? 」
「 カルトじゃないって言ってるだろ。
オカルトだよ、オ・カ・ル・ト! 」
「 どっちでもいいっつーの!
私からすれば、カルトもオカルトも一緒だから!
──でぇ、今更 “ 学校の七不思議 ” が何なの?
学校の七不思議にキャーキャー言う歳でもないでしょ 」
「 フッフッフッ…。
実はさ、今まで不明だった七つ目の不思議を知る事が出来たんだよ! 」
「 はぁ?
何それ…。
本当に今更なんですけど… 」
「 オカルトライターとしては、この七つ目の不思議について調査したいわけだよ! 」
「 アンタ……何時からオカルトライターになったのよ?
ちゃんと “ 自称 ” を付けなさいよ 」
「 オレは本当にオカルトライターなの!
正真正銘のオカルトライターなの!
ちゃんと “ オカルト雑誌UA ” の社員なんだから! 」
「 ……………アンタと友達の縁、切っていい? 」
「 駄目に決まってるだろ!
オレにはお前が必要なんだよ!!
オレを捨てないでくれよぉ〜〜〜 」
「 あのさぁ…、見える人なら探せば他にも居るから。
私じゃなくても良いでしょ? 」
「 …………他の奴等に頼んだら金を毟り取られだろが!! 」
「 私はアンタの髪を毟り取ってやるわよ!! 」
「 止めろよ!
オレのキューティクルヘアに触るなぁ!! 」
「 何処がキューティクルなんだか…。
キューティクルのキの字もないでしょが…。
えぇと……学校の七不思議の七つ目の話だったわね?
一応ダチの誼で話 “ だけ ” は聞いてあげる。
話してみんさい 」
「 トヨガ〜ン(////)
オレの心友様ぁ〜〜〜♥ 」
「 トヨガン言うなっつうの!」
「 学校の七不思議で永い間不明だった七つ目の不思議は──── 」
【 かくれんぼ 】
学校の中で1番大きな鏡の前に立ち、「 かくれんぼする人、この指、止まれ! 」と言って、“ かくれんぼ ” をする制限時間を決めたら、 “ かくれんぼ ” をスタートさせる。
“ かくれんぼ ” の参加人数は5人以上でなければいけない。
隠れる場所は校舎内なら何処でも良い。
隠れるのは挑戦者全員。
隠れたら「 もういいよ 」と宣言する。
全員が「 もういいよ 」と言った時点で “ かくれんぼ ” が始まる。
校舎内に隠れた挑戦者を影子さんが探して回る。
制限時間内に影子さんに見付かるとアウト。
制限時間まで影子さんに見付からずにやり過ごせたらセーフ。
見付かった挑戦者は影子さんに連れて行かれる。
それが、学校の七不思議──最後の1つ。
七つ目の不思議である。
とある6名の中学生が、学校の七不思議の七つ目の不思議を検証する為に、夏休みの学校へ忍び込んだ。
学校の中で1番大きな鏡── 廊下に飾られている姿見 ──の前に集まり、代表者が「 かくれんぼする人、この指、止まれ! 」と宣言した。
「 20◯◯年、8月3日の午後12時まで、かくれんぼするよー 」と宣言し、挑戦者は散々となり校舎内の至る場所に隠れた。
夏休み中も学校に来ている教師達に見付からないようにもしなければならない “ かくれんぼ ” にはドキドキとワクワクが混ざったようなスリルがあった。
隠れ終えた挑戦者達は、スマホのラインで連絡を取り合い、全員で一斉に「 もういいよ 」と発する。
影子さんが挑戦者を狩る “ かくれんぼ ” がスタートした。
制限時間の正午が過ぎ、隠れていた6名の挑戦者達は廊下に飾られている姿見の前に集合した。
挑戦者達は全員が自分達は「 セーフ 」だと思っていたが、影子さんに見付かってしまい「 アウト 」になった。
6名の挑戦者達は、制限時間を「 正午0時 」のつもりで「 午後12時 」と宣言したのだが、影子さんにとっての「 午後12時 」は「 正午0時 」ではなく、言葉通り「 午後12時 」が制限時間であった。
それ故に、“ かくれんぼ ” には未だ12時間も残っていたのである。
影子さんに見付かり、「 アウト 」になってしまった6名は、ルール通り影子さんに連れて行かれてしまったのである。
何処に連れて行かれてしまったのかは不明である。
影子さんとは一体何者なのか────。
何故、影子さんは “ かくれんぼ ” をするのか────。
何故、影子さんは見付けた挑戦者を連れて行くのか────。
全てが謎である。
学校の中では絶対に “ かくれんぼ ” をしてはいけない。
“ かくれんぼ ” をする者の中に影子さんが紛れ込んで居るかも知れないからだ。
努々忘れないでほしい。
決して、興味本意で “ かくれんぼ ” をしてはいけないのだと────。
午後12時ではなく、午後0時でもなく、“ 正午0 ” が正しいのだという事を覚えておこう!!
「 ────っと、こんな感じで良いかな?
どうだよ、トヨガン。
今回の原稿もなかなかの出来だろ?
オレの渾身の力作だ・ぞ☆ 」
「 …………アンタが万年平で出世が出来ない奴だって事は分かったわ… 」
「 何だよ、それぇ〜〜〜 」