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まやかし事件簿  作者: 未來
2/5

まやかし屋敷ーウワサ編ー

幻惑町(げんわくちょう)』別名『まやかし町』

何故そう呼ばれているのか…それは大昔から【まやかし一族】の《まやかし》によってありとあらゆる事件が起きていたから。

自殺・殺人・窃盗・誘拐など。そのような事件が起きたとき彼らは動き出す。

“ほんもの”の証拠を《まやかし》を利用して“にせもの”にしていく。時間が経てば経つほど“本物”が消えていく。全ての事件が迷宮入りになる、なりかけるという……。


・・・


少し場所が変わってここは【幻惑高等学園】

紺色のブレザーに赤チェックのリボンタイorネクタイが特徴的な制服を着ている生徒が通う学園。

町で1番大きな学園で小等部からのエスカレーター式である。


パタパタと廊下を速走りし教室へ向かう。

教室の扉の前に着いて一息ついてからガラッと勢いよく扉を開く。

「おっはよ〜!」

おそらく腰くらいまで長い茶色の髪を右側にサイドテールに結び、黒色の瞳を持つ女の子。

笑顔で挨拶するその子の名前は星川玲奈(ほしかわれな)

本作の主人公である。

教室にいるほとんどのクラスメイトが「おはよう」と返してくれたので玲奈も改めて「おはよ〜」と言う。

そして玲奈は腰まで伸びてる綺麗な黒髪ストレートの彼女のもとへ向かう。

「おっはよ〜輝」

「……おはよ玲奈。今日も元気ね」

クールで落ち着いた様子でそう返す彼女は公郷輝(くごうひかる)

玲奈とは小学生の時からの大親友だ。天真爛漫で明るく元気な玲奈とは全く正反対なクールで落ち着いている輝が何故こんなに仲良しなのか。

それは簡単。恩人だからだ。

輝は“霊感”を持っており、小さい頃からよく“見えていた”。そのような場所にずっといると体調を悪くしてしまう。

小学生の頃の修学旅行先の旅館は“いた”ようで輝は気分を悪くしてしまった。その時『大丈夫だよ』とずっと側にいてくれたのが玲奈だった。そこから2人は大親友だと言う。

「……あら、アイツはいないのね」

「アイツ?あ〜太陽くんのこと?寝坊じゃない〜?」

ちょうどチャイムが鳴り皆は席に着く。先生も来て出席をとっている最中にガラッと勢いよく扉が開く。

「セーフ!!」

金髪に近い茶色の髪で長い前髪はピンで止めている彼は「間に合った」と言わんばかりのドヤ顔で扉の前に立っている。

皆は「また遅刻か」と思いながら慣れたその日常を無視する。

「セーフじゃないわよ。アウトよアウト」

玲奈たちの担任の先生・美影は呆れたようにそう言う。クラスのおふざけ男子組は「そうだそうだー」と先生の肩を持つ。

「何!?まだ5分しか経ってないじゃねぇか!」

「5分も経ってるんだよ!!」

クラスメイトたちで総ツッコミである。

「時間厳守だバカヤロー」

少々時間に厳しいクラスメイトたちなのだ。

しかしその言葉を無視して彼は美影の元へ行く。

そして手を取り……

「いやぁ今日もお美しいですね、先生♪」

……口説き始めた。

「さっさと席着けバカヤロー!!」

バシンッとハリセンで叩かれる彼。「いってぇ!!」と教室内に響くが皆はお構いなし。ここまでがいつもの光景。学校がある日のほとんどがこういう朝なのだ。こうならないのは彼がサッカー部の朝練がある日だけ。


・・・


「まだいてぇんだけど、輝ぅ……」

彼はハリセンを持っている輝にそういう。

先程、力自慢の男子に貸していたのだ。

学校のときはこうやって他の人に任せるが、普段3人でいる時は輝が調子に乗る前にハリセンでしばくのだ。

「そんなことするからよ」

平然とそう言う輝を見て玲奈は「あはは……」と苦笑いするしかなかった。

よくナンパをしてはハリセンでしばかれる彼は藍原太陽(あいはらたいよう)。玲奈とは幼馴染である。サッカー部所属でエース!(になるために頑張っている)

そして、玲奈・太陽・輝は3人で【幻惑探偵団】を結成している。高校生になって尚更、【まやかし一族】について聞いている3人は『自分たちも役に立ちたい』と動き始めた。が、結成したのは今年の4月。つい2週間前だ。高校生が事件に絡むなんて無理だと思うからこそ何をしようと3人はなっていた。


・・・


「身近な事件って言われてもねぇ……」

「ね〜何もないよねぇ」

お昼休み。3人は集まってお昼ご飯を食べながら話している。そして何か困っていることでも。なんなら事件でもないかなと思うが、平和なこの学園に転がってはいなかった。

すると、少し離れたところでクラスメイトたちが話しているのが聞こえ、少し気になって聞いてみれば【まやかし屋敷】というキーワードが飛び交っているのがわかったり、玲奈はクラスメイトたちのところへすぐ向かった。

「その話詳しく!!」

キラキラな目でクラスメイトたちにそう聞いたのだった。太陽と輝は少し呆れた表情をしていた。気になることがあったら即聞いて行動する。それが玲奈だからだ。

「えっとね、知らない?学園の近くにある大きなお屋敷」

「お屋敷?」

屋敷と聞いてどの家かピンと来ない3人。場所を聞けば3人の家の方向とは真逆の方向にあったから「そりゃあ知らないな」となる。

「そのお屋敷の前を通るときいつも見た目が違うの」

3人は「は?」という顔になる。

「え、は?見た目が変わるってどういうことだよ」

いち早く「は?」状態から抜け出した太陽がそう聞く。太陽がそう言ったのを聞いて玲奈と輝もハッとやっと抜け出した。

「そのままの意味だよ!昨日の朝だってすっごく綺麗なお屋敷だったのに夕方にはボロボロのお屋敷だったもん!」

「朝は綺麗…夕方はボロボロ…」

「うん。だからどちらかが“にせもの”って言われてて【まやかし一族】と同じように《まやかし》が関連してるって思って私たちは【まやかし屋敷】って呼んでるんだよ」

「これは…調べなきゃ!!探偵団最初の事件はこれだぁ!【まやかし屋敷】!」

クラスメイトたちは「え?探偵団?何それ」となるのをお構いなしに玲奈は「頑張るぞー!」と両手をあげる。

すると、ガタンッと椅子から転げ落ちる音がする。見てみればグレーのパーカーを羽織り、フードまで被り込んでいる子がいた。皆は心配そうに近寄り「大丈夫かー?」と手を差し伸ばす。その子は頷いて差し伸ばしてくれた手を取り立ち上がる。

「痛そう……すっごい音だったもん……」

「そうね」

「確か、天城月(あまぎつき)……だっけ?授業中もよく寝てるよな。家であまり眠れてねぇのかな。でも珍しいな、椅子から転げ落ちるって」

いつも静かに寝ている彼が今日初めてこういう風になったことに3人は少し疑問に思うのだった。


・・・


放課後。

早速3人は【まやかし屋敷】について調べることに。

まずは行ってみなくては始まらない。お昼休みにクラスメイトから聞いていた場所に3人は向かう。

「お屋敷って大きいよね、きっと。どんな人が住んで……あれ?」

玲奈はふと立ち止まる。突然止まった玲奈に驚く太陽と輝。「どうしたの?」と聞いてもずっとある一点を見ていた。玲奈が見ている方向…前を見てよく見ればグレーのパーカーのフードを被り、そして学園の制服。間違いなかった。

「あれって、天城月?」

「家がこっちの方向なのかしら」

「なのかな……」

最初はあまり気にしなかった。

しかし、屋敷の場所が近くなると周りの家は少なくなる。玲奈は「あの子の家、そういえばこの奥とか言ってたっけ」と思いながらも進む。まだ月は前を歩いている。

そしてボロボロな屋敷が見え

「お。ここだな。たしかにボロボロだな」

「ここが……【まやかし屋敷】…」

「!ちょっと待って2人とも!」

玲奈に言われて2人は足を止める。玲奈が指さしているところを見れば月が屋敷の中に入っていくのが見えた。その瞬間屋敷は綺麗な屋敷になる。

「!?!?!?」

3人はもちろん驚き、言葉が出なかった。

彼が入った瞬間姿が変わった屋敷。目の前で起きたことなのにそれをすぐには受け入れられず立ち尽くす3人。

「一体……どういうこと…?」



つづく






第1章 まやかし屋敷ーウワサ編ーを呼んでくださりありがとうございます!

初めてこのように書いているのでおかしい文が多々あるかもなのでそこは申し訳ないです…


ぜひぜひ面白かったらTwitterハッシュタグ『#まやかし事件簿』でつぶやいて色んな方におすすめしてくれたら嬉しいです(*´∀`*)


それではまた次回で!

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