表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/45

第38話 懐かしい仲間と魔物の襲来


俺たちは、色々情報を得た後、怪しくない店から出る。

周りを見て、フードを深く被り、他の店に向うことにした。


「ごしゅじーん。なんで、そんなに深く被っているのだー?みえるのかー?」

「ああ、ちょっと事情があるんだ・・・色々とな」

「ヨウイチ・・・」


ファフニーは純粋な疑問に、言葉を詰まらせる。

それに対し、フードをを被っているのに、アイリスは、まるで、俺の顔が見えているかのように、心配な顔で見つめる。

今、自分は、どんな顔をしているのだろうか?


やはり、この国にいるせいなのか、妙にアイツの顔がちらつく。

そんな、嫌悪、怒り、憎しみが、胸の奥底から、黒い何かとなって、こみ上げてくる。

次第に、今度はノイズ音交じりのブツブツを声が聞こえる。だが、その声を聞いてしまえば、駄目なような気がする。


その時だった、自分の右手から、ひんやりしたものが触られる。冷たいが、何か暖かい。

ここで、ぼーっとした頭が覚醒する。

右手を見ると、アイリスが手を握っていた。


「大丈夫・・・?」

「あ、ああ、大丈夫だ。少しぼーっとしてた」

「そう・・・無理しないで?」


そんな、優しい言葉が、何かをくすぐる。

自分はいったい、なにしてたんだろうか?

ただ、分かるのは、自分の中にある、黒い何かは消えていた。

疑問に思いつつも、店を周る。


────【3時間後】


薬草屋、アクセサリー屋など、見て回ったが、良い情報はなかった。

色々と、落胆しながら、店を出た所で、すれ違い様に人とぶつかる。


「きゃ・・・」

「おっと」


俺は、慌てて謝ろうとした時、何処か聞いたことのある声と、顔を上げる。

目を大きく開けてる。予想通りに見知った顔だった。

美空、一樹、佐野の三人が目の前にいた。

思わず声が出そうになるが、下唇を噛み、出そうになる声を押し殺す。


ここで、俺の正体を明かしてはいけない。変にバラせば、混乱がおこるだろう。そして何よりも、アイツの件もある。

アイツは美空を狙っている。きっと、どこかで見ているかもしない。

だから、自分の行動と選択を間違わないように、慎重になる。バレれば、板野が何かしてくるだろう。

それで美空に、危険な目に合わせるにもいかないように、この場を誤魔化すことにした。

すぐに懐のポケットから、黒いマスクを取り出して、着用する。


「すまない」

「い、いえ、こちらこそ申し訳ございません」


この世界に、数カ月前に来たばかりというのに、既に長い年月を経った気がする。

久しぶりの再会だからかもしれない。

そんな、懐かしい日々を思い出しながら、美空たちを少しだけ見つめる。

元気にしているだろうか?怪我をしていないだろうか?訓練は辛くないだろうか・・・。

色んな思想が混じる中、美空が話しかけてき、ここで、俺は我に返る。


「あの・・・」

「何だ?」


流石に、見つめ過ぎただろうか?

気づかれたと思い、迂闊な行動に出てしまった、俺は緊張する。

今度は、美空の視線が突き刺さる。


「何処かあった事ありませんか・・・?」

「・・・いや?俺は初めましてなんだが」

「すみません、私の勘違いだったようですね。」


勘が良いのか、察しが悪いのか、幸いにも気づかれていないようだ。

安心すると変な汗が、一気に出てくる。

すると、美空が続けて話す。


「貴方を見ていると、何だか懐かしい気分になるんです。と言うよりも、大切な友人に似ていて・・・」

「・・・そうか」


美空の表情が次第に暗くなり、俯いた。

本当に勘が良いのか悪いのか・・・。

俺は目を逸らしそうになるが、逸らすと疑われそうだから、真っすぐ見つめ続ける。

大切な友人。その言葉、胸に鋭いナイフで抉られる感じがした。

もしも、我慢する力が無ければ、きっと正体を明かしていただろう。


「いやー!初対面の人に何言ってるんだろー!私は!」


そう言って、笑って誤魔化す彼女。

だが、俺は知っている。こういう時の、美空は無理している。

そんな姿に、痛ましく、思わず視線が下に向いてしまう。

長年の付き合いだからこそ、様々な思いがこみ上げてくる。

すると、何処かに向かおうとしている一樹が、奥で呼んでいる。


「おーい、美空ー、はよ行くぞー」

「あ、今行くよ!急に変なことを言って、ごめんなさい!ではこれで・・・」


その時だった。

何処からか、爆発音が聞こえた。

音の方向を見ると、いくつか黒い煙が上がっていて、不穏な空気が流れる。

あの場所は、西門の方だ。


「ま、まさか!?」


美空たちは、この状況を察したように、声を上げる。

すると、慌てた様子で、ファフニーが言う。


「主人!魔物の反応です!!」

「そうか、クレナは武器になってくれ、アイリス、ファフニー行くぞ。」


その掛け声で、同時に返事して、頷く。

すると、美空が止めてくる。


「まって、貴方たちだけだと危ないわ!私達も行く。」

「そうか、勝手にしてくれ。スピードアップは使えるか?俺は先に行くからな」

「ま、任せて!!」


すると、佐野が前にでて、【スピードアップ】を発動させる。

そして、俺は西門へと走り出した。


「は、速い・・・!一樹、佐野!あの人について行くわよ!」

「おう!」

「分かった!」


そういうと、美空は一樹と佐野を呼んで、後を追うように、走り出す。

ファフニーに案内される。道中の魔物をナイフで蹴散らしながら、突き進む。


「あの男の人・・・強い。何者なの」

「ああ、的確に急所を狙いながら、小さい魔物なら、確実に殺しているな。暗殺者か?それに周りの子も尋常じゃないぐらいに強い」


俺の後ろで、戦っている姿を見ながら、解説していく。

何者って言われたら、自分の友人なんて、思わないよな。

なんせ、村人なんだから。


そして、到着すると、衝撃的な光景が映っていた。

そこには、大量の魔物が沸いていた。およそ4,5千ぐらいだろうか。

遠くを見ても、果てない魔物の軍勢が、町中を混乱させる。

すると、美空達は驚いた様子で、言う。


「な、なに!この大量の魔物は!」

「な、なんで!?今まで数百体だったのが、なんでこんなにも・・・!」


門の方を見ると既に数人の人たちが、押し寄せてくる魔物を足止めをしていた。

よく見ると、見知った人たちが戦っていた。そう、クラスメイトだ。

そして、その後ろで、剣を振りながら、指揮をする御剣がいた。

御剣は、美空たちに気づき、近づいてくる。


「美空さんたち、来てくれたのか!・・・ところで、そちらの人は?」

「この人は、たまたま店でばったり会ったの。一緒に戦ってくれるから、付き合ってもらっているの」


御剣の青い瞳が、ジト目で見てくる。

何か、疑っているのだろうか?それとも、俺の正体に気づいたのだろうか?


「大丈夫ですか?一般人なら危ないとおもうのだが」

「大丈夫だ、戦える」


ただの心配だった。

すると後ろから他の勇者が叫んだ。


「御剣さん危ない!!」

「・・・!?」


御剣の後ろには数体の魔物が襲って来る。

反応に遅れたのが剣を抜くまでに時間がかかる。

だが、抜こうとしたときに、発砲音が聞こえ、魔物は絶命していた。

よく見ると、魔物の脳天には風穴が開いていた。


「な、なんだ!?」


御剣は振り向く。そこには、この世界に相応しくない異常な物。

銃を持っていた。美空は思わず反応してしまう。


「銃!?なぜこの世界に!?」

「それは後だ!魔物を止めるぞ!!」


俺は魔物群れに突っ込む。

ファフニーとアイリスは俺の動きに合わせて二人もついて行く。


「ファフニー!変身しないでも戦えるか?」

「主人!まかせておけー!!」


そうすると、ファフニーは大きく息を吸って、そのまま蒼い炎を魔物群れに向けて吐く。

ドラゴン状態と比べたら劣るが、それでも十分の威力だった。

蒼い炎は魔物を燃やし尽くし、蹂躙する。


「全てを焼却せよ!『黒焔の禍剣スルト』!」


アイリスは周りに赤い魔法陣が浮かび出る、そこから鮮血の大剣が出てくる。

大剣は赤と黒の炎が混ざり美しく煌めいた。


「ハァ・・・!!!『焔獄のヘイム・ヴォル』!」


アイリスは魔物に向けて大剣を振る。

赤と黒の炎は渦を巻き次第に大きくなる、渦は巻き込き、巻き込まれた魔物は渦の中に焼却されていく。

勇者たちは、二人をみて、色々言う。


「なんだ!あの二人はむちゃくちゃ強いぞ!?」

「あの二人だけでも、行けるんじゃね!?」

「あの水色の子なんなんだ!可愛いじゃねぇかハァハァ!!」

「ばっか!銀髪の方がいいだろ!!ハァハァ」


何か変なの混ざっているが気にしないでおこう。

俺は、手榴弾片手に魔物に向って投げつける。

手榴弾は爆発し、瞬く間に魔物が減っていく。


「ちょ、ちょ!?手榴弾まであるの!?貴方何者なの!?」


美空は口をポカンと開けて、声を上げる。

まぁ、そんな反応をしてしまうのも無理もない。なんせこの世界は日本にあるような武器なんてないんだからな。

精々、この世界の武器は、火縄銃ぐらいだろう。


「それより、町にいる魔物を何とかしてくれ、こっちは何とかする。」

「わ、分かったわ!」


そう言って3人は町の魔物を討伐しに行く。

次に御剣が近づいて話す。


「僕も手伝わせてくれ!足手まといにはならないようにする!」


そう言って、御剣は剣を取り出す。


「勝手にしろ」


俺はそのまま魔物の群れに突っ込む。

御剣はその後ろについて行く。

俺は、ナイフを持って魔物の首を掻き切るように斬る。

苦しみにながら魔物は次々と倒れていく、するとしぶとい魔物が倒し損ねた魔物は、俺に攻撃しようとした。


「あぶない!」


御剣は魔物を一刀両断して切り捨て、血の付いた聖剣は、浄化され、白い花びらとなって、消える。

流石、勇者ってところだろうか。というよりも、あの時よりも、格段に強くなっている。

動きは無駄は無く、華やかだ。


「そういや、名前はまだ聞いてなかったな。なんていうんだい?」


俺達は魔物に囲まれた、お互いに背を預けるように剣とナイフを敵に向ける。

俺は御剣の問いに答える。


「名乗るほどでもないさ、」


単純に名前は思いつかなかった。


「そうか、じゃあまた今度教えてもらうことにするよ」


魔物が襲って来るが、御剣は切り捨てる。


「まぁ、いずれな」


俺は拳銃で魔物に向けて撃つ、魔物は一匹はパタリと動かなくなる。

魔物達は、仲間が殺されたのか興奮する、魔物の咆哮が飛び交う。

その瞬間、魔物は一斉に襲い掛かってくる。


「ジャッジメント!!!」


御剣は光の魔法だろうか?

空から光の柱が魔物に向って降り注ぐ。

見た感じ、大量の魔力を消費するだろうと思い丸薬を渡す。


「魔力がなくなったらこれを食っとけ」

「これはなんだ?」

「魔力回復の薬だ」


そう言って、御剣は丸薬を噛む。

すると、御剣は驚いた顔で俺に言う。


「すごいなこれ!魔力が完全に回復したぞ!?」

「ほら、手を動かせ」


俺は御剣に向けて撃つ、御剣は俺に向けて剣を振る。

互いの武器を向けた先には魔物がいた。

魔物は崩れ落ちた。


それから1時間ぐらいだろうか?

あれから戦って、魔物が減る様子が無かった。


「御剣、何か気づかないか?」

「あぁ、僕もおかしいと思う」

「「さっきよりも魔物が増えている」」


そう、さっきよりも魔物が増えているおかしい。

それどころか魔物が強くなってる。


「これじゃ、キリがないな・・・」


俺は苦虫を噛み潰したような顔になる。

さぁ、どうするか

すると、上から声が聞こえた。


「ご主人ー!!」

「ファフニー!」


ファフニーはドラゴンになってこっちに向っていたのだ。

そのまま、羽を羽ばたかせて、風圧で周りの、魔物を吹き飛ばした。

危うく、こっちも吹き飛ばされる所だった、もう少し加減できないだろうか?


「ド、ドラゴン!?」


すると、警戒したのか剣をファフニーに向けた。

俺は攻撃をやめるように説得する。


「まて、味方だ。安心してくれ」

「ちょっと待って。ドラゴンを味方にする、君は何者なの?」

「いぶくろをつかまれたのだー」

「胃袋!?ご飯に釣られて、仲間になったの!?」


そんな、鋭いツッコミをする御剣は、その言葉を聞いて、剣を下ろした。

剣を向けたことにファフニーに謝り、話を進める。


「どうしたんだ?ファフニー」

「主人!あっちの方から強大な魔力を感じました!」


すると、ファフニーは指を差す。

指を刺した方向を向くと、禍々しい魔力が充満していた。

おそらく、魔物が沸く原因がそこにあるだろう。


「わかった、、ファフニーありがとう」

「あと、アイリスさんが後でそちらに向かうそうです!」

「分かった、ファフニーは引き続き門を守ってくれ。」


ファフニーは頷いて、元の場所に戻るため飛びだった。というか、ドラゴンで町が混乱しないか、心配だが、今はこの状況を何とかしなければ。

再び、目を向けた先には進行してくる魔物の群れだった。


「やはり、倒すしかないか・・・」

「なら、一撃で全部を消せばいい!!」


そう言って、剣を構える。

剣は光り出し、魔力が凝縮されていくのが分かる。

そして・・・。


「放て!!『ラスト・カリバーン』!!」


剣を振り下ろし、凝縮した魔力は開放される。

開放した魔力は光となった、光は一直線に走らせ、魔物は次々と粒子となって消えていく。

光は消え、そこには道ができていた。

本当に、あの頃と比べて、御剣は大分強くなってるところが、人外じみている。

しかし、御剣は息を切らして地面に足をつける。

どうやら、魔力切れのようだ。


「大丈夫か?」


俺は丸薬を取り出して、御剣に渡した。

御剣は丸薬を受け取り、そのままかみ砕いた。


「すまない、助かる」

「ああ、これならあのまま真っすぐ行けそうだ。」

「そうか、役に立てて良かったです」


俺と御剣は出来た道を走る。

道中に出てくる、魔物の残党を倒しながら進んでいく。

進んで行くたびに禍々しいオーラが強くなっていく。

そして、丘を登り進んだ先には


「いた・・・」

「・・・!!?何ですかこの殺気は!?」


肌全体にピリピリと伝わってくるプレッシャー。

その先にいたのは、俺が知ってる人とかけ離れた状態だが、俺には分かる。


「月ノ城さん・・・」

「知っているのか?」


俺の呟きに反応して、御剣は問いかけてくる。


「あの人は俺の組織のリーダーだ。」

「なに!?」


「だが、なぜあぁなってしまったのかは分からないんだ。

それを解決するべく、今回は俺が派遣されたんだ。」


「組織?リーダー・・・?派遣?どういう事なんだ。」


御剣は混乱していた、いきなりの情報で混乱している。

だが、頭を掻いて、すぐにいつも通りに剣を構える。


「つまり、そいつを倒せば魔物が止まるんだな?」

「おそらくな」


そして俺達は強大な敵に前にして武器を構えたのだった。

御剣は言う。


「僕は・・・二度と後悔しない為に、そして二度とクラスメイトを失わせない為にここでお前を倒す」

「・・・ああ、そうだな」


黒杉は一歩前に出て、短刀を月ノ城を向ける。


「そうならない為に、貴方を救うの事を執行する。」


御剣は固い決意と俺はその意思を汲み取り立ち向かった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ