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看護の道  作者: 蒼龍 葵
三章 私が心掛けること
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「社会人としての基本」


 当たり前のことですが、挨拶の出来ない看護師は仕事が出来ません。何が言いたいのかと言いますと、スタッフにも挨拶をしろと言いたい。

 患者の前でだけ挨拶をする人間はその場凌ぎしか出来ません。すれ違う人に挨拶をするのは基本の基本。患者だけに挨拶をする人は現場観察に来た私服の偉い人を見ても無視することもあるでしょう。

 別に相手から反応が無くても良いのです。笑顔で爽やかな挨拶をされて嫌な気分になる人なんていないはず。逆にムスーっとして取り繕った「おはようございます……」という言葉を聞くとうわぁ、なんかテンション下がるわーって気持ちになりませんか?

 

 私が笑顔と共に心掛けていることはこの挨拶です。


 うちのおかんは自宅では殆ど挨拶しない人でしたが、職場の敷地に近づいた瞬間ガラリとスイッチが変わります。

 なんだかんだと言いつつも私が一番尊敬している看護師はおかんなので、その背中が私のバイブルのようなものです。


 おかんが笑顔ですれ違うスタッフに「おはようございます」と言うと、受付や警備員のおっちゃんですらニコニコ挨拶を返してくれます。「いつも●さんは元気だねえ」「元気を貰える」と評判の良かったおかんの挨拶。 

 まあ私はそこまで元気良い挨拶は当時出来ていませんでしたが、今もずーっと挨拶を欠かしません。


 え? 挨拶なんて当たり前じゃん。と思った方が殆どだと思います。しかし残念な事に挨拶の出来ない子が多いから敢えてこれを伝えます。

 挨拶の出来無い人は絶対に仕事は出来ません。これは間違いなく言えることです。

 現に朝の挨拶をしないスタッフ(リハビリスタッフも含めて)を300人以上見てきましたが、そういう人はやはり患者との信頼関係が疎いです。


 今の職場は接遇特化なので挨拶にはとても厳しく、そのおかげでスムーズな挨拶ができるようになりましたが、やはりゆとり教育が進んで基本が疎かになってきている気がしてなりません。


 もし自分が入院したとしましょう。私は実際入院を経験している人間ですので体験談として伝えます。

 朝ぬぼーっと出勤して、こちらからおはようございますと声をかけても無視。そこまではああ、私の声が聞こえなかったんだなあと思いましょう。しかし、患者に対してもぬぼーっとした顔でボソボソ「おはようございます……」

 そんな挨拶がまともに出来ない先輩も昔いましたが、よく部屋の環境整備で耳にしたのは「あいつ病気なのか?」「なんか見てるとこっちまで具合悪くなるわ」でした。

 逆に仕事はトロくても、朝きっちり挨拶をする後輩は「頑張ってね」「おはよー!」と患者もニコニコ挨拶をしておりました。


 私達の仕事は信頼関係が樹立出来ないと全て終わりです。対人間なので嫌いな人や相性の悪い人はいるでしょう。しかし、気持ちの良い挨拶も出来ない人がその人の心の不安を解消することなんて出来ない。

 たった一言なんです。「おはようございます」「お疲れ様でした」「お先に失礼します」

 学校では教わっていなくても、親がそういう挨拶をしない環境で育つとそうなるのでしょうか。

 ネットが普及した事で人付き合いの仕方が変わり、まともに挨拶出来ない若者が増えておりますよね。

 どうかこれから看護師として働く未来の子は当たり前の基本は身につけて仕事に入って欲しい。

 「だって先輩が挨拶しないから」は言い訳にしかなりません。私は手術場時代に挨拶したのに声が当時小さすぎて聞こえなかったからおばちゃんにボロクソ怒られましたし。


 挨拶が出来ないと患者からもスタッフからも信頼されない人間になります。

 もし自分が挨拶下手でしたら家族や鏡、大切な人に毎日毎日練習するといいのです。


 私は挨拶下手でしたので、当時は家で練習しておりました。移動した手術場で鍛えられたお陰で、その後に移動した職場ではかなりまともな挨拶ができるようになりましたけどね。

 勿論、このスキルは簡単で一生物です。

 気持ちの良い挨拶ができる人になれば、例え自分が仕事を変えても、子供が出来てママ友とか色々活動する際も当たり前ですがお役に立ちます。

 一日の始まりは気持ち良い挨拶からです。今まで挨拶やってなかったなあ……と思う方は少し深呼吸をした方が良いかも知れないです。もしかしたら、心がお疲れなのかも。

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