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看護の道  作者: 蒼龍 葵
三章 私が心掛けること
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「目は口ほどに物を言う」


 私は美人ではない。これは残念ながら生まれ持った顔だし、親を恨む訳ではないし、勿論生まれて一度足りとも整形をしたいと思ったことはない。

 別にネガティヴな話ではないんですけど、みんなが自信を持てるように敢えて言おう。出っ歯だし八重歯だし、当時は瓶底メガネだったし。唯一、一重をバカにされまくったのがしんどくて自力で二重にまでしたという過去はありますが笑。


 そんな私でも唯一誇れるものがある。それが「笑顔」だ。


 当たり前な話をしますが目は口ほどに物を言うのです。

 心無い看護をする人や、「作り笑い」「その場しのぎ」という態度は朝から晩まで看護師を見ている患者が一番理解しています。


 コミュ障の私はどうやって初対面の人(患者)と打ち解けようか考えました。そこで思いついたのは警戒心を解く「笑顔」

 私は母や姉のように社交的でも明るくもなく、根っからの根暗人間。人前で喋ることは大嫌い、電話も嫌い。友達はパソコンとゲームってくらい出来ればずっと家にいたい。俗に言うただのオタク。

 そんな私が患者を受けもちしたら喋らなきゃいけないんですよ。当たり前だけど仕事では話が基本。喋らなきゃ記録も書けないし報告も出来ない。

 最初の数日は会話が出来ない全介助の部屋(排泄支援とか点滴がメイン)にしばらく入りました。会話がない分声かけはするが黙々と作業に没頭出来たので非常に楽!

 これで一気に首と腰を痛めてのちのヘルニアとなったわけですが、当時は最初の練習になるしいいなと思っておりました。


 それから一ヶ月くらいして、ついに抗がん剤部屋に。まずは点滴のルート確保。採血は自信あっても後ろでプリセプターが監視する中で患者と話をしながらやらなくてはならない!

 口からなんか飛び出そうなくらいの緊張。でも私が最初から最期まで関わらせていただいたこの方は本当に優しかった。私が新人なのを知っていたし、私が口下手なのも理解されていた。

 いつも緊張して面白い話の一つも出来ない私が行っても「今日も頑張ってるね」と声をかけてくれる。なんでこんなに優しいのかなあと思い、一度だけこの方に聞いたことがあるんです。


「そりゃあ、何回も入院してるからわかるよ(笑)●さんはお部屋掃除に来る時も真面目で、いつもすれ違った時にいい笑顔をくれるじゃない。なんか見てるとほっとするんだ」


 それがなんと嬉しい言葉だったか。

 当時は度の合わないコンタクトと眼鏡を併用していたので、たまに眼鏡で出勤すると「おっ、今日は真面目モードだね」と茶化され、冬はインフルエンザ予防の為にでかいマスクをしていても笑った表情までわかっていたらしい。

 特に私の場合、感情がモロ顔に出やすいタイプなので、尚更目が全てを物語っていたのでしょう。

 そんな私が新人の頃から欠かさず行っている『笑顔トレーニング』は本当に対人間において何でも役に立ちます。

 作り笑顔はだれでも出来ます。しかしそれは目の超えた人間から見ると一瞬でバレます。

 私はこの仕事を15年やってるので、その人の動揺と嘘、作り物は見分けが大体つきます。なーんて言っても思い切り騙されもしますが(あ


 私は笑顔美人でありたいと思い、どんなに辛くても鏡の前で笑う練習は続けております。手術場時代は笑うことが出来なくなって本当に辛かった。笑えなくなった時は目が死んでるんですよ。

 この仕事だからこそ、人に元気を与えないといけない。自分を元気に見せるにはどうすればいいか? 


 もともと社交的で明るい人ならこんな悩みはないでしょう。ただ、私のように人とうまく喋れない人や、大人しい人。自分を変えると仕事もぱっと変わります。

 そして患者はスタッフより、誰よりもあなたを見ています。一挙一動が当たり前ですが見られていると思い、素敵な笑顔美人を目指してください。

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