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第39話

「西の国って、どんなところなの?」


ヴィーが無邪気に聞く。


「王子のくせに、地理の授業で家庭教師から習わなかったのか?!」


アップルが呆れたように言う。


「だって、興味なかったから覚えてなーいもーん」


悪びれることなくあっけらかんと答えるヴィーに、三人は苦笑する。


そんなヴィーに対して、怒る気にもなれない。


ある意味、それこそがヴィーの魅力のなせる技なのかもしれない。


「西の国に関しては、あまりいい噂を聞かない。


二年前に国王が代わったのだけれど、その代替わりも少し不可解だったらしい。


前王には息子がいたにもかかわらず、なぜか前王の甥が即位したそうだ。


まあ、十五年前から国境のトンネルが三つとも封鎖されているから情報はほとんどないんだよな。」


マリッサは、首をかしげた。


「前王の甥って、弟の息子なのかしら?姉妹の息子なのかしら?」


アップルは首をふる。


比較的明るく開けた南の国と東の国。


それに対して、謎に包まれた西の国。


そして閉ざされた北の国。


隣り合った国々でありながら、解らないことばかりである。


北の国の変異に西の国は関係しているのか。


それとも北の国の暗闇の影響が西の国にも及んでいるのか。


順調に旅を続けた四人の前に国境の山脈がそびえ立つ。


「トンネル通らないの?」


「だから、閉鎖中だと言っただろう?


密入国するんだ」


アップルの言葉にヴィーはゴクリと唾を飲み込む。


岩肌を見せる山脈は、頂上が見えないほど高く、道があるようには見えない。

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