表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/40

第20話

トンネルの中は暗闇であった。細いトンネルの壁際にところどころ灯された明かりをたよりに馬を引きながら進んでいく。


「もっと明るくすればいいのに。これじゃあ、少しずつしか進めないじゃない」


ヴィーが不満をいう。


「あんまり広くて明るかったら、攻め込みやすくなるだろう?いくら友好国であるとは言っても、国境があんまりすんなり通れてしまったら危ないよ」


アップルが相手をする。


それにしても、長いトンネルである。暗い細いトンネルは延々と続く。


「でも、この長さはさすがに辛いわね、ジルが怯えているわ。だいたい、閉所恐怖症の人は旅できないじゃない」


オリヴィアも、苦笑する。


トンネルの中の空気は、どこか濁ったようで、息が苦しい。


どれほど歩いただろうか。


遠くの方に、白い光が見えてきた。


ヴィーは、駆け出した。


「わあ・・・」


トンネルを抜けると、その向こうに巨大な峡谷があった。


東の国だ。


深い森。深い谷には川が流れている。


「ほら、この川の先にある湖に、東の国の王城がある」


アップルが、川の流れの先を指差す。


ヴィーはというと、久々の新鮮な空気を吸うのに忙しくてアップルの話を聞いていない。


オリヴィアが、ぷっと吹き出す。


「アップル、ヴィーなら目をつぶって深呼吸するのに忙しいから、聞いてもいないし、見てもいないわよ」


アップルは苦笑いする。


三人は、深い森の中を進んでいく。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ