表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/40

第14話

「リアが死んだことを気にしていないわけではもちろんありません。私は北の国も姫さまもうらんでなどおりません。しかし、リアを殺したやつは憎まずにはおれないのです。リアの敵をうちたい。それが無理なら、せめて、私の可愛いオリヴィアさまをこの手に抱きしめたいのです」


ミアは、膝の上のこぶしをぎゅっと握りしめる。


「オリヴィア姫さまは、私の命でした。ソレイユ殿下やルナ姫さまと同じ蜂蜜色のお髪、よく動く紺色の瞳はサファイアのよう。姫さまがいてくださるだけで、世界は明るい光が差すかのようでした」


ミアが続ける。


「肖像画の間に、北の国に嫁がれることが決まった姫さまの肖像画がございます。一度、ご覧になってみてくださいませ。ルナ姫さまに、そっくりですよ」


ミアは、マリッサの手を握りしめる。ミアの頬を涙がつたっていた。マリッサはミアの手をぎゅっと握り返した。


「何かあったら、父上から連絡が来るはずだから、僕が案内するよ」


ヴィーが立ち上がった。


ヴィーに連れられて、肖像画の間に来ると、二人は息を飲んだ。そこには、マリッサにそっくりの紺色の瞳をしたオリヴィア姫の肖像画があった。瞳と同じ紺色のマントをはおり、マントの下からは淡い水色のドレスが見えている。髪は頭の上でひとまとめにされ、背中に無造作に垂らされている。背景には、何も描かれておらず、白く塗られただけである。


「オリヴィア叔母上は、シルヴィア殿の愛弟子で、魔法使いとしても熟達しておられたそうです。その魔力はかなりのものだったとか」


ヴィーは、肖像画を見上げる。


「父上は、時々、この画の前に佇んでおられます。北の国に行かれてからも、叔母上は時々、魔法を使って、父上と話しをされていたらしいのです。それが、ある日突然、途絶えたとか。しかし、魔法で探索しても、どこにいるかはわからないのに、亡くなってもいないらしいのです」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ