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第13話

「ミアは父上とオリヴィアおばさまの乳母をしておりました」


ヴィーは堅苦しく話す。


「オリヴィア姫さまには、生まれなすった時から娘共々お側に仕えておりました。オリヴィア姫さまが嫁ぎなさる時には、娘のリアがついて行って、私は残ったのですが、あんなことになってしまって。今でも、後悔しております」


ああ、では小舟の中で亡くなっていたという侍女リアはこの人の娘だったのか。


マリッサは老婆の手をとった。


「ごめんなさい」


すると老婆は慌てたように首をふる。


「いいえ!リアが亡くなったことをとやかく言うつもりはありません。悪いのは姫さまたちではないでしょう?私が後悔しているのは、私が行ってオリヴィア姫さまを守ってさしあげれなかったことなのです」


ヴィーは、話し続ける老婆を尻目に、ミアの昔話は長くなるからと近くの椅子に座り、みなに椅子をすすめた。


「ルナ姫さまはオリヴィア姫さまとよく似ておられますな。ただ、その瞳の色だけはお父上さまに似られた様子。


この部屋はオリヴィア姫さまの部屋だったのです。そこの棚には、オリヴィア姫さまが、ルナさまと同じくらいの年頃にお召しになったドレスがかかっていますよ。華やかでよく笑う美しい方でした。


オリヴィエ陛下とは、大層仲がよろしくてね、遊ぶのも勉強するのも何でも一緒でしたよ。


それだけに、姫さまが北の国に嫁ぐことが決まった時には、お二人とも嘆かれてね。離れるのがお嫌だったのでしょう。


でも、姫さまは嫁がれてからは、仲むつまじくお過ごしだとリアからの文によく書いてありましたよ。


オリヴィエ陛下は、離れることは寂しいけれど、妹が幸せならばそれでいいとおっしゃってね。ご自分も、西の国の姫君をお妃にもらわれたのです。ヴィー殿下の母君ですね。


けれども、お二人がおなかに出来たという知らせからしばらくして、北の国からの連絡が途絶えたのです。


その後、シルヴィア・ダージリンがお二人を引き取ったと聞いてはいましたが、命を狙われないように、お二人の存在は、陛下と私しか知りませんでした」


ミアは淡々と話す。

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