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アルカ  作者: 試作439
第一章 ~アルカ・ソフ・オウル~
39/70

第九節 39話 クラフト・マリウスと水曜会

 枝の力を駆使するあたしに対して、那美も口を挟まなくなった。あたしを心配しているようだが、それ以上に信用してくれているようだ。まあ、あたしの素行についてはマルを通じて正確に伝わっているだろうし、問題になりそうなことはやらないと判断したんだと思う。

 常に護衛を付けようとしてくるのは少し迷惑だが、あたしは命を狙われた身だ。そのくらいは妥協しよう。

 水曜会について情報を集めつつ、ストゥについても調べを進めようと試みた。

 ストゥが寝泊まりしていた看護師寮に行き、アルベドから記憶を探ろうとしたのだ。

 しかし、ストゥの記憶はイベントリーダーでも手繰れなかった。

 推測だが、マリウスと同じように、夢を見ない体質だったのかもしれない。それか天使の光を浴びすぎたことによる変化とか。九十九歳にもなれば、普通の人でも夢を見なくなるものなのかもしれない。いや、これはあたしの思い込みか。

 空振りがしばらく続く中、斐氏教の海外のエージェントから情報が入った。東南アジアのガーゴイル密売ルートとやらについての調査が進み、百億単位の隠し資産が見つかったのだ。お金持ちのくせして、二年もクルーチスの刺客を装ってミコを監視するとは。欲張らずに引退しておけばよかったのに。資産には引き出された記録が全く無かったため、罠として放っておくことにしたそうだ。お金が引き出されたら居場所が分かるって寸法。

 他にも調べているが手がかりの掴めない事があった。

 マリウスの魂に刻まれていたイニシャルサインのことだ。

 マリウスの本名はクラフト・マリウス。C・Mだ。ただ、今まで自分の魂に自分の名前が書かれていた人間なんて見た事が無かった。意味が無いし、おかしい。

 世界大宗教会と国際双十字社の使者だった二人は、そもそも頭文字がCではない。二人ともAだ。ストゥも違う。

 それに、Cははっきりと判断することができたが、よくよく見ると、Cの後の文字が乱筆すぎて潰れていた感じがした。

 明らかに、手書きのサイン。

 魂に文字を書く。

 あたしはそんな事を実践することが可能と思える組織を知っている。コミュニオン、もしくはクルーチス。

 クルーチスは魂を宝石に封じ込める秘術を持つが、コミュニオンは人体に宿すといわれている。となると、マリウスの魂に刻まれた文字も、コミュニオンの仕業なのではないだろうか。

 あのイニシャルサインの効果は未だに分かっていない。

 魂に文字が刻まれた人間は何が起こるのだろう。



 消えたストゥの死体、イニシャルサイン、リディアナ・フランシスカの正体。

 色々な調査を進めながら慌ただしく過ごしていると、いつのまにか十月に入っていた。

 三日前から昨日まで、那美や大江母娘、その他護衛の方々と共に東京に出向き、警察庁長官や国家公安委員と呼ばれた方々と面会してきた。国家中枢の人々の態度から、那美はやっぱり偉い人だったんだと再認識することができた。

 既に死んだことにされているマリウスについての情報交換や、世界大宗教会、国際双十字社の動向、挙動の確認等々を話しあったが、有益な情報はほとんど得られなかった。

 政府側で確認できた唯一役立ちそうな話が、世界大宗教会総本部で虐殺事件があったとの裏情報。

 聖人らしき集団が大量に殺されて、報道が規制されているらしい。

 時期的にはスイスのテロリスト集団が壊滅させられた後なので、これもまた三つの組織による争いの可能性が高い。

 大国のトップ同士の間で極秘に電話会談を行っているそうで、緊張がとても高まっているそうだ。

 那美の口からも戦争という言葉が何度か出ていた。

 あたしの頭を飛び越えて、政治外交のわけがわからない単語がぶつかり合う。

 サミットの会場に迷い込んだ犬のように場違い感のあるあたしは、神妙な顔をしてただ座っているだけだった。



「アルカちゃん、元気無いね。悩み事があるんじゃないの?」

 数日ぶりに来た朝の教室で、ミコに声をかけられた。

「ああ、うん。ちょっと色々やることがあって」

「ご家族の状態が悪いって聞いたけど」

「広瀬さん、飴でも食べて元気出して」

 ミコに続いて、安上さんと宍戸さんもあたしの前にやってきた。

「ありがと」

 朝から飴は食べたくないけど、せっかくの宍戸さんの善意を断るのも気まずい。あたしは口に入れた。

 学校を休んでいることについては、マルが皆にそれっぽい説明をしてくれているらしい。家族の状態が悪いとか。

 本当のことはとても言えない。世界平和のために超常の力を使って頑張ってますなんて。頭がおかしく思われちゃう。

 誤魔化しながら斐氏神社の仕事をこなしつつ学校に通っているのだが、それもかなり無理が出始めていた。

 中には勘の良い生徒もいて、マルが斐氏教徒なのではないかって噂と、あたしが他人の夢に登場したって噂を結び付けて、あたしが夢については定評のある斐氏教の内部の仕事をやっていると勘付き始める者もいたのだ。

 目の前にいる正当後継者は、噂の真贋を尋ねたいけど口に出せずに戸惑った様子をしている。

 あたしが事情を話し始めるのを待ってくれてるんだろうなあ。

 でもごめん。こればっかりは無理だよ。

「そんな顔しないでよ。あたしは大丈夫。ちゃんとこうして学校来てるわけだしさ」

 あたしは肩をすくめて明るく声を出したが、ミコを筆頭に周りの生徒達は興味と困惑の混じった目であたしを見つめるだけだった。

「何か、広瀬さん、どんどん成長してる感じ」

 宍戸さんに不思議なことを言われた。

「成長してる?」胸の事ではないはず。中学生時代から成長が止まったままだ。

「うん。どっしりした感じになったよね」

「ああ。それは分かる。腹が据わったというか、度胸のついた感じ」

「そんなことないって。あたしは普通の女子高生です」

 机にぐだっと身を任せたが、皆は笑ってくれない。ミコに至っては少し怒ったような顔をしている。

「もう、変な噂に惑わされすぎ。あたしはあたし。何も変わりは無いってば」ミコの脇腹をこちょこちょとくすぐった。

「ちょ、ちょっとアルカちゃん、やめて」

 ようやく笑い出したミコの姿に、あたしも少しだけ癒された。

「何も変な事は無いから。今もこの先もずっと」

「広瀬、いるか?」

 あたしがおどけていると、ホームルームまで時間があるというのに、マルが教室にやってきた。

 皆を安心させてたそばから、マルに呼び出しをくらい席を立つ。背中にひしひしとミコやみんなの視線を感じつつ、教室の隅に行く。

「マリウスがまた昏睡状態に落ちたそうだ。宗師様が呼んでいる。すまないが、今から本部に行ってくれないか?」

 マルの報告を聞いて、あたしの顔もさすがに引き攣った。

 休まる暇が無いとはこのことだ。



 もう何度ここを訪れたことだろう。

 斐氏神社の監禁部屋、じゃなくて、隔離区画に足を踏み入れ、檻の向こうのマリウスを見つめる那美と烏さんの横に立ち、あたしは溜息をついた。

「正確には二日前の夜から眠り続けている。昨日は様子を見たが、今朝になっても目覚めないのでアルカを呼んだ。どう見る?」

 どう見る? と言われても、ニグレドじゃあたしにも分からない。「イケメンが寝てますね」なんて素直な感想言えない。冗談抜きで張り倒される。

「とりあえず、またアルベドから確認してみます」

 あたしはその場で早速瞑想を始めてトウを開き、マリウスを枝で視認してみた。

 やはりというか、マリウスに再び濃い澱みが集まり続けていた。黒くじゅくじゅくした感じが魂を覆い尽くしている。

 わけがわからない。この人はなぜこんなにも澱みが集まりやすい体質なんだろう。普通の人よりもはるかに早い気がする。

 ただ、以前に見た時ほど、澱みは凝り固まっていない。試しに枝でつんつん突いてみたら揺れ動く。乾燥したこんにゃくゼリーみたい。

 これなら前みたいに枝を浸して出汁をとった水を使わなくても自力でなんとかなる。

「澱みがまた溜まってます。これから浄化させますね」

 半覚醒状態のまま那美達に言い、枝でマリウスの魂をアルベドに突っ込んだ。澱みが急激に溶けて散っていく。

 マリウスが夢を見始めると危険なので、いつでも枝をニグレドに戻せる体勢のまま、澱みの浄化を見届けていると、再びマリウスの魂が姿を現した。

 例のイニシャルサインが少しづつ見えてくる。それを凝視してて、気付いた。

 サインの近くは澱みの浄化がひどく遅い。

 魂の外側はすぐに澱みが落ちるのに、魂の中心部にあるサインの周囲ほど、澱みが濃くて落ちにくい。

 二度目だから気付けた。

 イニシャルサインが、澱みを吸いつけている。

 さながら、なんでも吸い込むブラックホールのように、黒い文字が澱みを集めていた。

 なんなんだろうこれ。少なくとも、良いものではない。

 というか、マリウスが病んだ感じなのはこのサインが原因じゃないだろうか。

 あたしは枝を使ってサインを剥がそうと試みたが、魂の中心部に刻まれていて触れることができない。どうしても剥がすとなると、魂を砕かなきゃならない。やったことは無いが、たぶん人は死ぬだろう。なので実質不可能だ。

 これ、マリウスが持って生まれたものなのかな。

 違う気がする。今まで魂の中に文字がある人間なんて見たことがない。

 となると、やはり他者が刻んだもの。

 どうにか消せないかな、これ……。

 その時一瞬、サインの力が増した。文字が黒い動脈のように脈打った。

 それと同時に、散ったはずの澱みが再びサインに向かって集まり、マリウスの魂を包み始めた。

 だが、それでもアルベドの浄化能力のほうが早い。少しづつ澱みは溶け続ける。

 なんなのこれ。

 かなり、やばい。

 まるでサイン自体が生きているかのように、マリウスの魂を澱ませ続けようとしている。

 澱みとはつまり、ニグレドで生まれるストレスだ。澱みを生み出す量は人によって差があるが、普通の人間は、睡眠を取ることにより澱みをアルベドに捨てて、魂の健全さを維持しつつ生きている。

 あのサインがあっては、マリウスはいつまでも澱みを抱え続けて、精神に変調をきたしてしまう。

 あれをなんとかしなきゃ……。

 あたしが試行錯誤していると、魂がひゅっとマリウスの肉体に戻った。意識が覚醒したらしい。ニグレドのマリウスの目が急にカッ開いた。

 あたしも枝と魂を肉体に戻して、マリウスの横に立った。

「もうすぐ、最後の審判が始まる」

「はい?」

 あたしの声にマリウスが反応した。ベットに体を預けながら、目だけがこっちを見た。

「あの方が、世界に再臨される。僕には分かるのだよ。広瀬亜瑠香」

「あの方?」

「神だ」

 マリウスがくふふと笑いだした。

 態度も仕草も言ってる事も、一見すると狂人としか思えない。

 だが、マリウスの言葉は聞き逃してはならない。まだまだ何かあたしでも気付いていない事を知ってるはず。

「最後の審判って、世界が滅亡するって時にあるっていうやつですよね。で、神って誰ですか?」

「世界を選択できる才能を持つアルベドロードだ。神は目覚められた。今の君でも、神には勝てないだろう」ハハハハハと、顎が外れたのかと思えるくらい大口を開けて、マリウスが笑いだした。「僕と水曜会は、失敗した。コミュニオンとクルーチスを滅ぼし、陵辱されている魂を開放させて、アルベドロードの管理と抹消を続けておけば、神を嘆かせることも無かったのに。あの方を失望させてしまった。後は審判を待つだけさ。ハハハハハ! 世界は間もなく、滅亡する!」

 質問の答えになってない。「だから、神って誰ですか?」

「ハハハハハ!」

 あたしが再度尋ねても、マリウスは笑い続けるだけだった。本当に正気を無くしかけている。

 その時那美が、ベッドに拘束されているマリウスの横顔を蹴り上げた。和服から太腿を見せながら、三度、四度と踏みつけた。

 あたしはその光景にかなり引いた。

 そうだった。すっかり忘れていたが、この人は案外バイオレンスな人だった。

 あたしやミコも殴られたことあったっけ。

 後ろには烏さんもいるが、何食わぬ顔で那美とマリウスを見ているだけで、止める気配が無い。マリウスの鼻血が三滴四滴とベッドに落ちた。

「おい、貴様。狂人のフリをするな。知っていることをさっさと吐け」

 那美がマリウスの髪を掴み顔を近づけて、軍曹のように怒鳴った。

 しかし、それでもマリウスは笑い声を止めなかった。眼球が別々の方向を見ている。

「この……」

「ちょっと待って下さい、那美さん」

 あたしはマリウスを殴りつけようとしている那美を止めた。

「とりあえず、その……。ね」

 あたしは顎で上を指し示した。

 マリウスの前で枝のことを口に出すわけにいかないからね。

 妖の枝でアルベドを調べてくると言いたがっているのを、那美も目線で察してくれたようだ。

 まだ蹴り足りなそうにしている那美を連れて場所を変えた。再び「マリウスが眠らないようにしておいて下さい」と頼んでから、あたしはトウを開いた。マリウスの代わりにパイプ椅子をガンガン蹴りつけている那美を無視して、あたしはアルベドへと向かった。

 前回はニグレドの近くで夢を寄せると、マリウスの死の気配が濃厚な世界が生まれまくった。今回は最初からヨーヨーを全開させて、高い位置でイベントリーダーを使うことにする。

 さて。何から探ってみようか。

「マリウスの魂にイニシャルサインが刻まれた瞬間が分かる……世界」

 口に出しながら、これではダメだろうなと思った。望みに具体性が無さすぎる。案の定、アルベドにも反応が無い。

「魂に刻まれたイニシャルサインを取り除く方法が分かる世界」

 これもダメ。

 そもそも、あたし自身、あれが何なのか全く分からない状態なので、何を知りたいのか、どうすればいいのか、見当がつかない。

 枝で強引に引き剥がそうとしてもマリウスが死ぬだろうし、以前に澱みを割った時のように枝を浸した水をかけても消せそうにない。

 いくつか見られる世界を作ったが、有効な手段が一つも見つからなかった。情報が無さすぎて世界の手繰りようがない。

 仕方ない。別のことを調べてみよう。

「マリウスの言う神とは誰なのか分かる世界」

 この願いも具体性に乏しいらしくて、ちっとも見える範囲に現れてくれない。

「マリウスが尊敬する神と語らっている世界」

 今度のは成功したが、二桁を超える世界が出来上がった。有名どころの宗教の神が全て現れていて、病んだ感じのマリウスが幸せそうに会話している。

 宗教や神秘が好きすぎでしょこいつ。

 この中の誰かが世界を滅ぼすため、最後の審判に来るってこと?

 老若男女、歴史の教科書で見た様々な神様がいるのだが、どうもそれっぽい神とやらは見当たらないし、大した力も感じない。神のコスプレしてる人と喋ってるようにしか見えない。実際そうなんだろうね。あたしはもう、マリウスすなわち狂人としか思えない。狂人を癒すために、神のコスプレをした医者と話してるってイメージをしてしまっている。

 あたしは全ての世界を消して考えた。いまいち不調だ。欲しい情報がなかなか得られない。

 ただ、マリウスの記憶はかなり捨てられているのが分かる。黒く固まっていた澱みを全部溶かした日から二週間以上経ったことだし、何度か夢も見たはずだ。時間をかければ、マリウスの知る大概の秘密は裸にできるはず。

 部屋の外からはマリウスの笑い声がまだ聞こえている。何があいつをここまで狂わせているのやら。

 まあいい。頭よりも枝を動かそう。

「マリウスがリディアナ・フランシスカと大事な会話をしている世界」

 アルベドに波動を感じて、いくつかの世界が作られた。ただ、まだ遠い。もうちょっと具体的に夢を指定する必要がありそう。

 やはり、マリウスはフランシスカと面識がある。スイスで起きた大規模テロの首謀者一味との間に、何かがある。

 あたしは少し考えて、二人の関係を推測した上で夢を願った。

「マリウスとフランシスカが、スイスのテロについて話し合っている世界」

 今度の夢は目の前に現れた。成功だ。以前にも見たマリウスの隠れ家で、二人がネット上で情報交換している世界が現れた。

 ドイツ語でチャットをしている。なになに……。


「ありがとう。黒はとても参考になったよ。リディアナ」

『兄さんのためなら、この命惜しくはありません』


 兄さん。

 リディアナ・フランシスカとは妹だったのか。

 マリウスの名前はクラフト・マリウスなので、性が違うから気付けなかった。

 愛してるなんて言ってたから、てっきり恋人かと思ったよ。


「疑惑が確信に変わった。クルーチスは気付いていないのだろう。奴らより先に気付けたのは幸運だった。これで先に行ける」

『では、斐氏神社の後継者というのはやはり?』

「今はまだ才能を御しきれていないが、間違いなくアルベドロードだ。僕は彼女と結婚して、身近に置くことにする。拒否された場合は消えてもらう。このままクルーチスへ渡してしまう訳にいかないからね。当然、コミュニオンへの潜伏も終えることになる」

『そう。こっちはみんな、もう先はないと思う。黒を追って、コミュニオンとクルーチス、両方の追っ手に迫られているの。私達が死のうとも、兄さんは必ずや悲願を達成して』

「分かっている。水曜会が例え僕一人になろうとも戦い続ける」

『その言葉を聞いて安心したわ』


 チャットが終わり、マリウスがパソコンの電源を落としたところで、あたしは世界を消した。

 短いやりとりだったが、今の会話だけでも多くのことが分かった。

 時期はおそらく、スイスでテロが起きた後。『黒』と呼ばれる何かを手に入れた後の会話。マリウスが教師に就任する前の頃かな。

 マリウスとフランシスカは兄妹。揃って水曜会のメンバーで、フランシスカという女もまた、マリウスとよく似た、信念を貫くためなら自分の命を惜しまない狂信者タイプ。

 テロを起こしたのが六月上旬で、事件の終結が八月末。三ヶ月近く逃亡生活を続けたけど、テロの直後には既に死ぬ覚悟が出来てたんだね。

 ミコを巡ってストゥを出し抜くつもりだったようだが、あたしというイレギュラーな存在が発生して、状況が色々と変わってしまったと。

 話の流れだと、テロで手に入れたらしい『黒』とやらが、ミコに何か関わっている。

 たくさんの人を殺してでも、ミコについての何らかの情報を手に入れたかったのだろうか。

 水曜会の異常性からして、ありえなくはない。

 マリウスは、目的を達成するためなら手段を選ばない。それこそ戦争すら躊躇わないなんて豪語してたし。

 世界を救うだの、魂を開放するだの言ってる当人が、人を殺しちゃってる。その矛盾に気付けないのだろうか。

 気付けないんだろうね。狂信者っぽいし。理解しようとしちゃダメだ。言葉の通じる相手ではない。

 さて。マリウスがそこまでして手に入れた『黒』っていうのは、果たして何なんでしょう。教えてアルベドさん。


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