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魔王ではなく、神様倒します。  作者: コロッケ
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     三話 鎧の秘密

跪いた執事が立ち上がると、リアムは、俺に城の案内を任せ書斎に戻っていった。

執事ルーカスが言う。


「騎士様、ご指導宜しくお願い致します。」


深々と頭を下げてくる。


「あー、いや、こちらこそ宜しくお願いしますね。」


「いえ、騎士様、私に対しては敬語を使わないでください!

 後、私の事はルーカスと呼んで頂けたら幸甚でございます。」


「お、おう。宜しく」


上下意識が凄いらしく、騎士様とか呼ばれてしまった。

悪い気はしないが…


早速、城を案内して回る。

それが終わる頃にはもう深夜になっていた。

ルーカスは風呂に向かうが、俺は自分の部屋へと戻った。


そして、皆寝静まった頃に風呂に入る。

鎧の中を誰にも見せてはいけない。



これが今は亡き本当の両親に与えられた『掟』だから。




体をタオルで拭き、最低限の服を着たら、鎧を被る。

この鎧は特殊な為、俺以外が着用することも俺から脱がす事も不可能だ。

だからこそ、この掟は俺を呪いのように縛り付けている。


風呂から出て、風に当たる為、外に出てみるとそこにはリアムが居た。

座って空を見上げている。


「リアム、星見てるのか?」


「見れば分かるだろう。」


確かに…愚問だったか。


「お前こそ何をしに来たんだ。」


「ちょっと夜風に当たりたくなったんだ。

 この風に当たると優しくて懐かしい、本当の両親を思い出す……いや、顔は思い出せないんだがな。」


満天の星空はまるで俺に同情してくれているように見えた。

だが、それは俺の都合のいい解釈に過ぎない。きっと同情なんてしていないのだろう。

ただただ輝いているだけ。その輝きに意味なんて無いのだ。


「_____理想。」


「サンク、なんか言ったか?」


「いや、何でも無い。

 ていうか、寒くないか…今って何月?」


「11月だな。」


「真冬じゃん!鎧着てても寒いのに、リアム…お前タキシード一枚じゃ風邪引くぞ。」


「あぁ。そろそろ中に入るか。」


そう言い、俺達は城の中へと戻る。

外が寒かった為、無性に暖かいお茶が飲みたくなる。


「なぁ、リアム。暖かいお茶飲みたくないか。」


「じゃあ、僕のも入れて来い。」


「はいよ。」


そう言ってお茶を入れに行くと、ルーカスがそこに通りかかる。

お茶に誘うと喜んで付いてきた。


暖炉のあるダイニングで三人で紅茶を啜りながら

自己紹介をし合う。


「僕は、魔王リアムだ。魔法が得意だな。宜しく。」


「俺は、魔王の騎士のサンクで、剣が得意だ。宜しく頼む。」


「私は、ルーカスと申します。短剣なら少し使えます。何卒宜しくお願い致します。」



何気ない日常の一時であったが、俺には、その日常の一瞬がとても幸せに感じた。

そして一瞬一瞬を大事にしたいとも思った。


偽りの友情も優しさも要らない。

本物が欲しい、と望んで生きてきた。村の人々は勿論優しくしてくれて本当の愛をくれた。

それでも、それは優しさ半分同情半分。友情なんて微塵も含まれてはいないことが分かっていた。


村の人々の信頼は友達としての信頼ではなく、家族としての信頼に似た形のものだったのだから。

だが、もしかしたら、本当に欲しかったものがここで手に入るかもしれない。


呆れたように笑うリアムと

微笑むルーカスを見て、心からこの笑顔をずっと見ていたいと願った。





楽しい時間はいつかは終わってしまう。

あっという間に深夜の3時になってしまい、リアムとルーカスは自分の部屋へと戻っていった。


ティーカップを片付け、


「俺も寝るか。」


そう呟く。

二階へ続く階段を一段ずつ登りながら、いつか来る騎士生活の終わりに寂しさを感じていた。

5ヶ月後の、この城にもう自分は居ないのだ。


きっと、それを意識し始めたのは今日からだろう。

村人以外の人と関わる事など滅多に無かった。

だからこそ少人数ながらも家族といる楽しさとは別の感情に最初の内は戸惑っていたのだ。


それでも、時は人を狂わせる。

1日一緒に居ただけで、この時間がずっと続いて欲しいなんて思ってしまっていた。

こんな事を昨日の自分が聞いたら何と言うだろうか。





惜しんでも別れはきっといつか訪れるもの____

それを誰よりも分かっているからこそ、一日一日を大切に過ごしたい___


俺は自分の気持を整理しながら眠りについた。




アドバイスなどありましたら宜しくお願いします

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