表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王ではなく、神様倒します。  作者: コロッケ
3/6

      二話 城での仕事

村から無事帰還した俺達だが、帰って来た頃には日が暮れ始めていた。

どうしようかと考えていると、リアムが言う。


「おい、城案内してやるから終わったら飯作れ。」


「お…おう。」


これから毎日、俺が飯を作るのか…

一応、村では『料理人サンク』と呼ばれていたほどの腕前だ。

材料が揃っていればの話ではあるが。


リアムはスタスタと歩きだす。それに合わせて俺も着いて行く。

城の内装をあまりマジマジと見る機会は無かった為、改めてその広さと豪華さに驚く。



石造りの壁に豪勢な龍のランタンとシャンデリア。

ドアは、木で出来ているが、取っ手は金色に輝いている。

いくつもの部屋があり、その一つ一つがかなり広い。


「掃除大変そうだな…」


そう俺が呟くと、リアムは足を止めて言った。


「いや、掃除何かは単純な作業だから、ホウキと雑巾に魔法をかければ隅々まで掃除をしてくれる。

 魔法で出来ないのは料理くらいだ。」


言い終わるとまた歩いて行く。


ダイニングスペースなどもとても細かい装飾などがされていてキラキラしている。


そして、キッチンも拝見させてもらう。


沢山の種類の包丁に、フライパン。

高そうな食器が丁寧に並んでいる。

巨大な冷蔵庫を開けてみると、豊富な種類の肉類、魚介類、野菜、果物などがぎっしり詰まっていた。

これならば、一ヶ月位は買い出しに行かなくても大丈夫だろう。


トイレもとても綺麗で、ペーパーホルダーは光り輝いており、

風呂場は、大浴場の様な大きさで、銅で出来たドラゴンの口からは滝のように水が流れ出ている。


そして、二階へと進む。


階段には赤色の高級そうなカーペットが敷いてあり、壁にはリアムの両親と思わしき人物の写真が

額縁に入れられて飾ってある。

だが、どうしてもこれについて触れては行けない気がして、その人物が誰かは聞くことができなかった。


二階には全部で7つの部屋があり、廊下を挟んで左右に3つずつ、最奥に1つの順である。


一番手前の左側の部屋は、本部屋で図書館の様に沢山の本が種類別に並べられている。

その反対の手前の右側の部屋は、応接間のようで白いソファーがテーブルを挟んで向かい合わせにある。


二番目の左側の部屋は書類管理室で紙の束が散乱していた。

右側の部屋(2番目の右側)は、リアムの寝室らしく黒い高級ベッドが一つ置いてある。

その隣(3番目の右側)に俺も部屋を貰い受けた。


そして3番目の左側は、両親の部屋ということだった。

見せては貰えなかったが、流石の俺でも無神経に聞くことは出来ない。

気になるが、何も言わない事にした。


最奥の部屋は、魔王リアムの書斎。

豪華なテーブルに椅子。羽ペンや、山積みの書類がある。

案内が終わったのか、リアムは振り返り言う。


「3階と4階もあるが、殆ど物置で入ることは無いだろうから案内はしない。

 飯ができたらダイニングに呼んでくれ。」


そう言うと、書斎に入っていた。

俺も、一つ深呼吸をし、キッチンへ行く。






着くやいなやキッチンの材料の豊富さに又もや圧巻されてしまう。


「さて、何を作ろうか。」


数分考え、ようやく決める。


前菜はサーモンのマリネ。

スープはヴィシソワーズ、主菜は牛のグリエ。

デザートは…桃のコンフォートにするか。


まずは、サーモンのマリネから。

レモン汁、オリーブオイル、白ワインを入れて混ぜ合わせる。

それから、骨を取ったサーモンをそれに浸し、1時間ほど漬け込む。


浸してる間にスープを作るか…


スープは、じゃがいもと玉ねぎの皮を向き煮詰めたら、ミキサーにかける。

ミキサーに掛けたものに冷たい牛乳を加え、塩コショウで味を整える。

そして、冷蔵庫で少し冷やす。


そんな調子で作っていくと、全て出来上がる頃には丁度一時間経っていた。

すぐにリアムを呼びに行く。


「出来たぞ。リアム。」


「あぁ、分かった」


そう言い、一緒に下へ降りる。

少し文句を言われそうで怖いが…

リアムが席に着くのを待ち、料理を運ぶ。


すると、リアムは心底驚いたような顔をし、言う。


「これ、全部…サンク、お前が作ったのか?」


「ああ。まぁな。」


「そうか…おい、サンクも一緒に食え。

 お前のことだから、自分のも一緒に作ったんだろ。」


バレたか。


実は、内緒で自分のものも一緒に作っていたのだ。

仕方がないから自分の分も持って来て、席に座り、鎧を、口の幅だけ開く。


料理の味は大丈夫だろうか…


前菜のマリネを二人同時に口へ運ぶ。




これは…


「美味い。本当に自分が作ったものとは思えないな。」


「あぁ。これは美味い。」


俺は、料理の腕に自身がない訳ではないが、そこまで自身があるわけでもない。

魔物を倒してる内に料理の腕も上がったのだろうか。


目の前の料理を食べながら、邪神について話を切り出す。


「なぁ、リアム。邪神っていつ倒しに行くんだ?」


「邪神は、5ヶ月に一度開く天界への道を通らないと、倒せない。

 前回開いたのは2日前だ。だから、後5ヶ月待たないといけない。」


後5ヶ月このままか。

急がば回れだ。仕方がない。


そんな風に考えていると、城のドアが開く音が聞こえてきた。

俺は、急いで鎧を閉める。

すると小さな声でリアムは言う。


「誰か来たみたいだな。」


「行くか。」


俺達は席を立つと、そのまま音のした方へと向かった。


すると、そこには一人の若い男性とスーツを着た年配の男性が立っている。

若者は外見からして20位だろう。

年配の方は40後半位だろうか。


言葉遣いから見るに執事と主の関係であろう。

二人は魔王を目の前にして一瞬肩を震わせるが、すぐに小声で話し合う。

年配のほうは一瞬困ったような顔をする。



数秒後、話し合いが終わったのか若者は震えた声で言った。


「お…お前の首を取りに来た。」


リアムは、意地悪くニヤッと笑う


「正直でいいじゃないか。魔王に真正面から勝とうとするなど馬鹿のすることだがな。

 それに、僕には騎士がいる。なぁ、サンク。」


「ああ。」


怖く見せるためになるべく低い声で喋るが、案の定、若者はびびったようで膝が震えている。

年配の方はしばらく黙っていたが、やっと口を開いた。


「申し訳ございません、、魔王様。

 今日のところは帰らせますので、どうかお許しを……ほら、坊ちゃんも頭を下げてください!」


そう言われ、若者も頭を下げる。

リアムは、目を細めて様子をうかがっていたが、ダイニングに戻ろうと後ろを向いた











その瞬間だった。




若者は、腰に隠していたナイフを取ると、すかさずリアムに向かって投げる。

まずい。


俺は、反射的に剣を取るとナイフを真っ二つに切り落とす。

すると、リアムはまたこっちに振り向き言った。


「良くやったな。サンク。

 お前が切らなかったら僕が魔法で木っ端微塵にしてやろうと思ったんだが。」


「正直に感謝しろよ…」


そして、今度は若者と年配の二人に向かって言う。


「お前ら、僕に逆らった覚悟は出来てるよな?」


威圧感満載のその姿は正に魔王という名に相応しい。

顔を青くした若者はすぐに飛び出して逃げていった。


取り残された年配の男性は泣きながら土下座している。


「大変な御無礼をお許し下さい。

 坊っちゃんを見逃す代わりに私の命で償いを。」


そう言うと護身用に持っていたのであろう短剣を首元に当てる。

ぐっと力を入れようとしているが、やはり死ぬのは怖いのだろう。手が震えていた。

そんな姿が何処か自分と重なってしまう。


これ以上見ていられなかった。

本当に見殺しにして良いのだろうか___


迷うようなことではないのに今、俺は迷ってしまっている。

ダメだ。このままじゃ本当に何も助けられない。


「リアム、こいつをお前の執事にするっていうのはどうだ?」


意を決して意見を発する。

すると、リアムは少し険しい顔をしたが執事を見て、言った。


「それも面白そうだ。別に良いんじゃないか。」


すると、年配の方は驚いた表情で嗚咽を漏らしながら言う。


「うっ…うぐっ…宜しいの、ですか?」


「構わない。その代わり裏切ったら死ぬ事を忘れるな。」


「有り難き幸せ。このルーカス、貴方様に命を捧げる覚悟で付いていきます。」


そう言うと執事は短剣を捨て、跪いた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ