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第七十九話:名前と第三位

第七十九話です。


よろしくお願いします。


サイドストーリー連載完了しました。

次に始まるアルデバラン編の裏側が見られるのでよろしければご覧下さい(´∀`)

 

「ではアリス。始めましょう」


「はい! 師匠!」


 出立の前夜、仲間達に見守られながらアリスはシェリルに魔法を教わっていた。

 今アリスが使っているのは〝白銀の咆哮(シルバーレイ)〟以外全て通常魔法に属している。

 アリスの今の実力なら固有魔法を使用していても問題ない段階にまで達していた。


「やはりホーリーの様な魔を祓う魔法がアリスにはあっていると思うのですが、アリス自身はどう思いますの?」


「そうですねぇ……回復は今のままでもいいですけど、何か攻撃に使える様な魔法が使いたいですね」


 シェリルは少し思案した後、まずは自身が使う魔法の名前を考えてみるべきだと助言する。


「名前から入る事は重要ですわ。そこからイメージを膨らませる事で魔法に意味を持たせやすくなりますの。何でもいいので言ってみてごらんなさい?」


「……魔王滅殺魔法」


「怖いわっ!」


 思わずマリアがツッコミをいれる。

 確かに意味は分かるが何かが違う。

 マリアもだがアリスもネーミングセンスがないのだった。


「アリス、そうではなく……もっと違う視点で物事を捉えた方がいいですわ。言葉に意味を持たせ過ぎなくても漠然としたイメージでいいの」


「う〜ん……魔を祓う……聖なる魔法……じゃあ……〝白銀〟にします」


「〝白銀〟ね……悪くないですわ。因みに理由は古代魔法からとったの?」


「それもありますけど……私の好きな白とバーンさんの髪の色が銀だから……合わせて丁度いいかなと……」


「成る程……銀には古来から魔を祓う力があるともいいますし、いいかもしれませんわね。好きなものを組み込むのもいい事ですし」


 そう言われ若干照れるアリス。

 こうして、アリスの固有魔法名は〝白銀〟に決まった。

 後はイメージを膨らまし、魔法に効果を持たせていく作業を行う。

 一度イメージ出来ればホーリーを更に進化させた魔法が放てる様になるかもしれない。

 名前が決まった事で、アリスも明確にイメージが湧きやすくなった様だった。


「ふふふ……白銀魔法! 魔王滅殺破! これいけますよ!」


「どうしても魔王滅殺したいんだな……まぁ分かるけどさ……」


 道中で色々と試して行く事にして、今日の勉強会はお開きになった。



 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 当たり前の様に湯船に浸かり、五人は今後の旅の予定を立てていた。

 次なる目標はイグル大陸にある七大国家の一つ魔導国家アルデバランである。

 イグル大陸はウーナディアの半分程の面積で、その全てがアルデバランの領地となっている。

 魔導国家というだけあり魔導師が多く存在する国であるが、精霊との関わりは薄い。


「ウッドガルドの方が魔導師が多いんじゃないのか?」


「うーん……ウッドガルドは精霊、つまり自然の力を用いて魔法を唱える傾向にありますの。ですがアルデバランのそれは言葉自体に意味を持たせる、つまり通常魔法のようなものですわ。そもそもこの世界に魔法を広めたのはアルデバランが最初と言われてますし。ウッドガルドはあくまでエルフの国、アルデバランは魔法の国、という感じですかね? アルデバランの魔法研究は正直ウッドガルドより上ですわ」


「より生活に魔法が根付いているって訳か?」


「マリアさんの言う通りですわ。ウッドガルドではわたくしやルイン様の様に精霊に愛され、精霊と会話出来る者がいい魔導師の条件のようになっておりますが、わたくしも憎悪に身をやつし、精霊の声が聞こえなくなっていても強力な魔法は放てていました」


 確かにシェリルの言う通り、バーンと闘った時点では彼女はまだ憎悪から完全に解放されてはいなかった。

 それでも凄まじい威力の大魔法を連発していたのである。


「アルデバランにはそもそも精霊という概念がありません。魔導師としてどちらが正しいという事はありませんが、全く違った道を辿って、山の頂上を目指しているということですわ」


「成る程な。そもそもの捉え方が違うが、括りでは同じだという訳か。そしてアルデバランの方が魔法がより身近に、大衆的であるという訳だな」


「アルデバランの魔法に男も女もありません。あるのは優秀かそうでないかのみ。八英雄序列第三位〝創造の魔法剣士ディライト〟……彼はその中でトップに君臨しています」


 〝創造の魔法剣士ディライト〟はアルデバランの大英雄である。

 個人でアルデバラン軍の一個大隊と同等と言われるその力は、勿論彼の〝創造魔法〟にある。

 その名が示す通り彼の創造魔法は物質を作り出す魔法であり、この世に存在しない物質すら創り出す事が出来るという。

 創り出した物質は一定時間で失われてしまうなどの制限はあるものの、それを差し引いても尚凄い力を持っている。


「男性だと……仲間には出来ないですね」


「ああ、話がしたいだけだよ。手を貸してくれるといいんだけど」


「孤高の大魔剣士と言われてますから……ですが、唯一親交があると噂になったのは序列第一位の方とか……」


「ふーん、そいつにも会ってみてぇなぁ……ま、今は仲間より武器だな」


「ですねっ! いつまでも一本じゃ闘いにくいですもんね」


 結局剣はまた一本になってしまった。

 次の魔王再臨までには剣を揃えておきたい。


「俺のラグナロクみたいにエリザのミスティルテインにもなんか力がありそうだよな」


「ええ、あるとは思うのですが……私の剣にも何かが宿っているのでしょうか?」


「そのうちわかるだろうよ。つーかさ、あたしも武器ほしーなー」


「マリアさんはこのお胸が武器ではなくてっ!?」


「ひゃんっ!?」


 シェリルに胸を鷲掴みにされたマリアは珍しく可愛い声を上げる。

 お返しとばかりにマリアが揉み返し、こうして乳揉み大会がバーンの目の前で開催されたのだった。



「おっぱいよこせコラァ!」


お読み頂きありがとうございますm(_ _)m

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