第三十七話:四つと一つ
第三十七話です。
よろしくお願いします。
(´∀`)いいなぁ……
最初、エリザが辞めることを言った時にはかなり荒れたが、ラインハルドが現れ一喝すると場が静まり返った。
彼が叫んだのを初めて見たのだから無理もない。
その後エリザはどんな想いでいたかを語り、騎士団員達の中には泣き出すものもいた。
最終的にエリザは拍手で送り出され取り敢えず一安心といったところだった。
騎士団団長にはラインハルドが就くらしい、エリザ曰く剣では敵わないほどの達人らしく、皆も納得していた。
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宿を探していたところ、王の使者が現れ既に宿を取ってあるとのことだったのでその宿に案内してもらった。
「うひぇーでっかいなー城みてーだ」
「陛下……やり過ぎです……」
「わぁー! すごいですっ!」
「あの人……なに考えてんだ」
アーヴァインで最高の宿、グランドアーヴァイン。
各国の重鎮や、国王も泊まるというこの宿は、全高百メートルを超し、アーヴァイン城に次ぐ高さを誇る。
泊まることができるのは全世界でも一握りの豪商や貴族に限られ、まさに泊まるだけでステータスと言える。
当然冒険者で泊まる者は皆無だった。
中に入り、部屋に通される。
最上階で、最高級の部屋らしい。
部屋がとんでもない広さだった。
「床だけで三十人は寝れますね……」
アリスの言う通りとにかく広い。
逆に居心地が悪くなってきた。
貧乏性の悲しい性である。
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「バーン、先に風呂入れ」
武具を外し、しばらくするとマリアがバーンに風呂へ先に入れと言ってくる。
「あ、ああ……」
バーンはなんとなく分かっていたが先に入りに行った。
それを見届けると、アリスはエリザの目を見て話す。
「エリザさん、バーンさんの事……好きですか?」
突然の質問に戸惑うエリザだったが、アリスとマリアの真剣な顔を見て、正直に自分の気持ちを伝える。
「ああ……好きと言うか……あの人のために生きたい……勝手に想いを馳せていたが、あの人はそれ以上だった。だから……うん、愛している……出逢ったばかりでおかしいかもしれないが……」
エリザの正直な気持ちと真剣な眼差しに二人は微笑んだ。
「じゃ、決まりだな」
「ですね」
「な、なにがだ……?」
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「んじゃ、入るぜ〜」
「お邪魔しまーす」
二人は慣れたように入ってくる。
そして勿論もう一人も。
「し、失礼致しますっ!」
当たり前だが照れている。
それはバーンも同じだった。
「アッ!? マッ! エッ!?」
進歩のない男である。
しかし、美女三人と風呂に入れば大体こうなってしまうのだろうし、バーンの気持ちはわからないでもないが羨ましい悩みだ。
先に入った二人は布を使っているものの殆ど隠す気がない。
恐らくエリザのために使用しているだけに過ぎないのだろう。
エリザ一人だけ布を使わせるのは逆にかわいそうだと判断したのだ。
「広いですねー! まるで以前見学したアトリオン城のお風呂みたいです!」
湯船は丸型で、大理石でできている。
これ一つでウン百万ゴールドは下らない。
四人でも入れるであろう広さだ。
とはいえ確かに広いが体を洗う場所は一つしかない。
以前と違い、身体を洗っている最中に三人が入ってきたのだからバーンもより慌てていた。
「お、お前らっ!」
「あんだよ、もう儀式だよ。裸の付き合いだよ」
「そうですよ。それとも嫌でしたか……?」
すっかりマリアに毒されたアリスが潤んだ瞳でこちらを見てくる。
(嫌な訳……ないだろうがっ!)
しかし、それにしてもーー
「バ、バーン様……あまり見ないで……」
綺麗な身体だった。
キメの細かい肌に、柔らかそうなふともも。
腕には思ったより肉がついていない。
布で必死に隠しているが決して小さくはない胸が隙間から見えていた。
勿論アリスもマリアもスタイルはいい。
アリスは少し肉が付いているのがよく、マリアは筋肉質だがくびれた腰がとてもよい。
二人とも豊満な胸を持っており、それもまた堪らなくなるのだが。
エリザのそれもまた、バーンを悩ませる身体だった。
「んじゃ、身体流してやるよ」
マリアがバーンの背中につく。
「じゃあ私はこっちですね」
アリスは左側につく。
マリアはさらに手招きしてエリザを呼ぶ。
「いつまでそこに突っ立ってんだよーエリザは右な」
「あっああ、分かった」
戸惑いながらもエリザは小さく〝よろしくお願い致します〟と言って右側に座る。
近くなった事でより身体が美しく見えた。
(あわわわわ……)
心の中ではこのざまであったが、なんとか表面上は平静を保つ。
「ありがとう三人共、じゃ頼むわ」
むにゅん
「はっ!?」
背中に柔らかい感じがする。
これはいけない……これ以上は。
理解してはいけない。
自分が何をされているのかを。
「マ、マリアさん! やり過ぎですっ!」
「マ、マ、マリア!? そんなことまでせねばならんのかっ!?」
(ああ、やっぱり……)
背中をぬるぬるされている。
マリアはほれーほれーと楽しそうだ。
バーンはされるがままでこう思う。
それ以上の事をしていても、それとこれとは別なのだと。
また、気になる事を分かってはいるが一応聞いておく。
「なんで朝は額を付けただけで照れてんのにここではそうなんだ……?」
「「それはそれ、これはこれ」」
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四人は湯船に浸かる。
あれからもマリアがアリスやエリザの胸を揉みしだいたりしていたが、なんとか収まった。
エリザはまだ恥ずかしいみたいだったがだいぶ慣れてきたようだ。
マリアに毒された訳ではないが距離は一段と近くなることができたようである。
「エリザ、楽しいか?」
バーンの声掛けにエリザは微笑みこくんと頷く。
その表情を見て安心した。
「マリアはいきなりやり過ぎだぞ?」
首まで浸かっていたマリアに釘を刺しておく。
仲間が増える度にこれでは身がもたない。
マリアは胸まで身体を上げニヤニヤしながら答えた。
「あんたが女好きだからなぁ〜きっと次も女だな」
確かにこんな状況で仲間に男は入れられないだろう。
しかし、否定はしておく。
「女好きって訳ではないんだが……」
アリスがバーンに肩を寄せ、じっと見ている。
その表情から察するに〝好きなくせに〟と言っているようなので胸を揉んでやる。
「ひゃんっ!? だ、だめですよっ! やっぱり女好きです! 色魔です!」
その言葉は間違いなくマリアから教わっているなとバーンは確信した。
クスクスと笑うエリザにもマリアの魔の手が迫る。
水しぶきを上げながらバーンの眼前でエリザの胸が揉みしだかれていた。
「やっ、ああぁっ!?」
「ほれほれー!」
束の間の休息。
それを愛しむように、四つは一つになるのだった。
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