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リュークのエッセイ集

異世界物がなぜ難しいのか?

作者: リューク

別段異世界物を書くなと言っておりません。ただ、異世界を作ると言うのは入り口は広いですが、中は恐らくラビュリントスよりも入り組み出口のない旅かもしれません。

そんな迷宮に迷い込んだ作家の世迷言です。

さて、色々最近エッセイで書かせて頂いているリュークでございますが、私も異世界物を書いている小説家の一人です。(言っても書籍化などは出来ておりませんが)


その私が、私の私見と分析でなぜ異世界物がなぜ難しいのかを考えてみました。


まず異世界物と言うのは、某作家さんが運営に問うた「なろう」での定義では「ゲームの世界を含む現実とは違う世界の事」だそうで、良くあるVRMMOや乙女ゲー、スキルやステータスのある世界に迷い込んだり元から存在した人たちの活躍する世界と言って良いでしょう。(現実世界に魔法・スキルを持ち込んだものは除外です。)


では、異世界がなぜ難しいかと言うと、良く言われているのが、「0から作り上げる世界」だからです。


0からと言われて恐らく理解できない方も居ると思うので、ここを詳しく説明します。


作品にもよりますが、概ね異世界において必要な事は、どんな時代をモデルに異世界にするかです。


良くあるのは「古代・中世ヨーロッパ」だと思うのでこれを中心に話を進めます。


この時点でまず必要な知識があります。それは、古代・中世の生活様式に関する「民俗学」的な知識です。


どんな世界にしてもこの民俗学をある程度取り入れなければ恐らくリアリティのある世界は書けないでしょう。少なくともその時代に関係のある資料を大量に読んで知識を得る事が必須です。


2つ目に「魔法」等を入れたいと思います。


そうすると「魔法」について体系化せねばならず、どんな系統をどのように使うのか、どんな理屈を使って説明するのかとこれも膨大な資料が必要でしょう。


3つ目に「お金」です。


お金が無ければ生活なんてできません。一部の小説ではRPGの様にモンスターを倒す事でお金が出てくるという設定もありました。


もちろんこんな形でもお金を「稼ぐ」事は出来るでしょう。しかし、いざお金を使わせようと考えると、通貨に関する知識も必要です。

もっと難しく経済戦争なんて始めたらそれこそ「経済学」は確実に理解しなければなりません。


さぁこの時点で既に3つも資料を読まなければなりません。もちろん持ち前の得意分野の知識として持っていると考えても恐らく2つ以上は難しいでしょう。


さらにこれ以外に、戦争をするなら「孫子」等の戦略書を読み、地理学を学んで色んな地形の呼び方、特徴を学び、三国志並みにしようと思ったら天気予報まで学ばなければなりません。

農業チートをするなら農業技術をしっかりと理解し、必要な肥料の作り方やどうやって育てるのかを考える必要もあるでしょう。


そう、異世界を作るって思った以上に大変なのです。


かく言う私もこの全ては理解できていません。特に経済学なんて全くのど素人です。


それでも異世界を作っています。そう、全部は出来なくて良いのです。

ただ必要な事としては、生活様式をどうするか資料を基に考え、それ以外で必要な物は何かを考える事です。


私が今書いている「異世界に転生したので日本式城郭を・・・」では、通貨価値の知識と西洋の生活様式、騎士の決まり事、それに日本式城郭に関する資料を図書館で借りて空いた時間に読みふけっております。


これに戦争は元々好きだったので知っている「孫子」の知識と小規模と言えど畑を管理していた時に得た知識を補完しながら書いています。


これだけやってもまだまだ私は自分の書きたい物に追いついていないかもしれません。


ですが、これだけの熱意を持って書かなければ恐らく話の中に矛盾が生じるでしょう。


その矛盾はやがてあなたの作品の全てを蝕み、二進も三進も行かなくなり、エタるか別の作品へと気持ちを向けてしまうでしょう。


それでも書きたいんだというあなた、構いません入ってきてください。


そして最後まで書き切れるようにしっかりと話を作ってください。


異世界は書きやすそうに見える入り口ですが、最も書き続けるのが難しい道でもあります。


まずは、ご自分のパソコンのWordやスマホのメモに話を書いてみてください。


その書き始めた作品が15話を越えて書けているなら、恐らく完結できます。


そうなってから初めて投稿して頑張ってください。


これは、異世界物という航海図も羅針盤も無い世界に今立っている私からの一私見であり、一考察です。

この話を読んでも書きたいと言うあなた、最後まで頑張ってみてください。


頑張り抜いたらもしかしたら出版という扉が開けるかもしれません。

願わくは、このエッセイを読み、少しでも異世界物を書く事の怖さと異世界を作り出す楽しさに触れて頂ければと思う。

異世界とは、自分の創造性を試す良い題材であり、0から想像する難しい場所でもある。

若人よ迷うくらいなら発表せずに書いて試してみよ。無理なら引き返し、自分にできそうだと思ったら突っ込め。

当たって砕けられるのは今だけだ。

様々なジャンルに手を出し、自分の可能性を模索してほしい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 勉強不足になりがちもしくは勉強すらされないのは 「力学」「機構学」「材料学」「製鉄と金属加工」「製図法」「歯車」 あたりですかね. 異世界で自動車を作ろうとするならぜひとも勉強していただきた…
[一言] 返信ありがとうございます! 一つずつ整理し直して考えてみます。
2016/10/29 17:23 退会済み
管理
[一言] 私の現状 ・転生初期が書けない ・異世界の村が書けない ・幼馴染みとどう出会うかが書けない ・子供が普段どんなことしてるかが書けない ・魔力の設定と書きたい展開と整合性が大喧嘩 ・あれは嫌こ…
2016/10/29 14:00 退会済み
管理
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