シャボン玉飛んだ
思い付きシリーズです
昔から僕が作ったシャボン玉だけすぐ割れた。上手くできたと思ったら風が吹いて木に当たってパチンと。シャボン玉は飛ばない。屋根まで飛ぶことは無い。だって屋根の高さまで舞い上がることが出来ないんだから。僕のシャボン玉は割れてばっかだ。
もしシャボン玉が割れなかったとしても、そのシャボン玉は風化する。辛うじて光を反射し続けた膜は徐々に風景に溶け込んで、無くなる。無くなったシャボン玉の行方は、作った人すら知ることが出来ない。
僕が作られたとき。それは寒さと輝きの夜だったそう。徐々に出来上がった僕を両親は、少しでも疎ましく思っていたのだろうか。今更になって、僕が作られた意味の軽さを知る。
もう、透明なんだね。僕は。あんたらにとって。
ありがとうございました。