まずはDead or Alive(1)
お待たせしました、やっと異世界ものに入っていけそうです。
ピシッ───パリンッ!
世界が割れる音を聞いた。神様─クロトの起こした奇跡は世界を割った。
これも魔法だろうか。もしそうなら、彼女は世界が割れる、という想像ができ、かつ一人で他人にもその世界を見せられるほどの力を持っていることになる。
さすが神を名乗る者だと驚愕していた和樹は、しかし次に自分の足が地面についていないことに気が付く。あの、地面を踏みしめる感覚がまるでない。
『ねえ、カズ?なんか地面が遠いのは気のせい?』
和樹としても気のせいであってほしかった。もしくは夢だったら、なんと良かったことか。美香の気のせいではない。世界の割れる音を聞いて、その【二人の世界】に行けると思った和樹と美香、二人を待っていたのは高度3000mの空間だった。
「おぃぃい!神様、場所間違ってるじゃねえかっ!」
『うっひゃ~、これ怖いね~』
何故か落ちることなく、その場に浮き続ける和樹。
美香は聞く感じでは余裕そうだが、和樹には本当は怖いけど、強がっていることがすぐに分かった。姉弟だから、というのもあるだろうが身体を共有しているために相手の気持ちも少し伝わってきているらしい。
『あ、あ~、こちらクロト。和樹、美香、聞こえる?』
「クロト、どこにいる?この状況を説明してもらおうか?」
『そうだね。さっきのお願いの通り、あなた達二人には、とりあえず強くなってもらわないと困るのよ。』
確かに間違っていない。詳しくはわからないが、なんか化物と戦わなくちゃいけないだろうし。
『でも、ちまちま技術を身に付けるのは遅いのよ』
ふんふん、これも分かる。
和樹はRPGのレベル上げのような地道な作業が苦手なため、その意見に賛成する。
『そこで!今からあなた達をそこから落とします!二人は魔法を使って生き延びてね☆』
……おかしい。極端に理論がぶっ飛んだ気がする。
和樹の中では、美香も固まっている。
『ちなみに、失敗したら……?』
美香は聞きたくても聞けない質問をした。クロトは少し間を置き、
『……ニューゲーム?』
と返した。
え、助けてくれないの?コンテニューじゃないの?いや、もう一度やりたいとも思わないけど。
それは和樹と美香のどちらの気持ちだろうか。いや、二人とも同じ気持ちなのだろう。
『そうそう、その感覚!魔法には、二人の気持ちを揃えなくちゃいけないからね!』
あぁ、あいつを殴りたい。
再び気持ちが一致する二人。
『さて、今は私の力で無事だけど、解除したら落ち始めるからね。準備時間はあげるから、二人で少し話し合ってみて。準備できたら、いよいよ落とすよ!』
もう、何が何でもやらなければならないらしい。
最初からかなり無理ゲーに感じる和樹であった。
ライトノベルのために色々調べるのも面白いですね。頑張っていきます!