表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
二人の世界  作者: folly
5/18

悲劇と奇跡(4)

「さて、それで今の話を聞いたら分かると思うんだけど、魔法を知ったあなた達には魔法世界に転生してほしいんだよね。」


神様は笑顔で言うが、バリバリの日本人である和樹と美香は戸惑う。


「違う世界に転生か……見知らぬ場所って怖いなぁ」

『その前にきちんとした生活って、送れるのかしら?』


二人の不安に神様は何も心配する必要はないと答えた。


「大丈夫!こっちからも声だけだけど、アドバイスするし。困ったら助けてあげるから」

「……それなら大丈夫なのかな?」


とりあえず神様が付いているなら、なんとかなるような気がした和樹。それに忘れているが、時間を止められるような常識外の存在だ。何かあっても、対処してくれるだろう。


「それで、お願いって、その転生のこと?」

「それとは別なの。その世界では、モンスターと呼ばれる存在もいてね。だからこそ、ゲームのようなクエストがあるの。それを積極的に受けて、平和になれるような手助けをしてほしいの。」


最初に神様が美香を助けるときに出した条件について和樹は疑問を持った。

神様は和樹を指差して、言う。


「今、美香と呼ばれる意識があなたの中にあるのは分かるね。でも、美香はあなたの視界を共有しているから見ている世界も似ているの。」


人の感覚によってどのように見えるかは違っても、見る観点が一緒だと似た世界を見ることになる。


「さっき説明したように魔法というのは世界の見方を共有したら発動できるから、普通なら二人以上が必要なのだけど、あなた達は一人で二人分の影響力を及ぼせるから、一人で魔法が使えるの。」

『……つまり異常?』


そう、よくある異世界転生物語で特殊な力を持っているような話と同じことである。そして、大抵そういった物語は主人公は強い。


「そう、その異常な力で、どんどん問題を解決してほしいの。私は一応神様という存在だから、あまり直接の干渉は上司に怒られるんだよね。」


神様にも上司がいるらしい。よくわからないが、上に逆らえないのはどこも同じなのだろうか。


「まあ、わかった。……これ、断れないんだよね?」

「断ってもいいけど……フフッ♪」


その笑顔は怖いっ!何を考えているのか分からなくて、断れない。


「分かったよ、頑張ってみるよ」

「ありがとう!それじゃ、早速行こうか?」


そして、神様は指を鳴らす。それは、美香を救う奇跡を起こしたときのように。

そして、奇跡はまた起こる。時間の止まっていた世界にひび(・・)が入る。それはもう、大きな亀裂が空間に入っていく。


「え?え?何が起こるの?」

『カズ、なんか視界が揺れてない?』


地面が、というより空間が揺れている。そして、その空間のひび割れは和樹の足もと付近に、より多く入る。


「そういえば、自己紹介をしていなかったね」


自称神様は和樹の目を見て言った。


「私はクロト。あなた達を【二人の世界(デュオ―ズ)】へと案内します!」


そして、和樹と美香、一人だが二人という不思議な転生者が奇跡の起こる世界に訪れる。

ビューに1が付くと、なんか感慨深いです。これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ