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二人の世界  作者: folly
16/18

ダンジョン突入(3)

遅くなってしまいました……。

お付き合い、よろしくお願いします。

火の雨が止まる。

辺りは土埃が舞い、はっきりと見えない状態である。


「やったのか?」

『カズ、それフラグ……』


ギャァァァオオオッ!!


自分のフラグのせいだと信じたくはないが、未だ健在だとわかる咆哮が聞こえてくる。


「報告通りの防御ね。なら、これならどうかしら。」


そう言って、アリスは共有している世界を塗り替えて行く。


「……凄え」

『……わぁ』


次なる世界は、空中を剣が舞う。

ロングソード、カットラス、グラディウス、エストック、フランベルジェ───。

この場にいる人の知っている剣が次々に現れる。それぞれ形は違っても、目的は同じである。すなわち、目の前の敵を討つ。


「さあ、無数の剣を受けてみなさい」


アリスが手を振り下ろすと、ある一つがTレックスに向かって動き出す。

それを追うように、浮かんだ様々な剣が動き出す!


ギャァァァアアアッ!!


それは悲鳴か奮起か。

身体のあちこちに刀傷をつけ、それでもなお立ち続け、和樹達の前で抵抗を続ける。

身体を捻り、尾を以て薙ぎ払う。大口を開け、喰らおうとする。

最初より勢いは落ちているものの、それでもTレックスの動き一つ一つが脅威である。


「むう、耐えるわね……」


アリスもここまで耐えることは想像していなかったらしい。


「なあ、美香姉。俺たちも何かしたほうがいいかな?」

『そうね……ちょっと、やってみる?』

「まあ、ものは試しかな。アリスさーん!」


死ぬかもしれない状況で、試しも何もないのだが、二人には出来る実感があった。


「ちょっと俺らもやってみていいですか?」

「やるって何を?」

「あいつを殴ってみようかと」

「えぇ……クロト様、いいですか?」


今まであまり喋らないクロトにアリスは確認する。


「なんで私に確認?あなたの学院の生徒になるから、あなたの判断いいわよ?」

「……じゃあ、危なくなったら困るから、そうね……3分だけ前に出てよいことにします」

「ありがとうございます!美香姉、許可出たぞ。」

『じゃあ、やりましょうか』


そう言って和樹はTレックスのほうに近づいていく。

近くにいたフィジクに止められそうになるものの、アリスが事情を話す。

フィジクは驚きつつも、アリス学院長が言うならば、とその場を下がる。


グゥゥゥウウウ!


「はあ、でかいな。こんなのが昔いたのか」

『実際に見られて感動だねっ!』


唸っているTレックスに躊躇うことなく近づき見上げる。

昔、地球を支配していたという生物に感動を感じていた。


「時間もないし、始めるか~。美香姉っ!」

『了解!』


そう言うなり、和樹はTレックスの目の前の空間、つまり地面から数メートル離れたところにテレポートする。


「は?」


それは後ろにいる誰かの声だったが、無視。

目の前にある頭を思いっきり蹴り上げる。普通の人間ではびくともしないはずだが、魔法で出来ると思えば簡単だった。

蹴り上げられたTレックスは直立ちになる。


『もういっちょっ!』


再度美香はテレポートをイメージ。和樹はがら空きの足もとへと現れる。


「そぉいっ!」


いわゆる足払い。これも思いっきりやれば、Tレックスの身体は宙に浮く。

そして、和樹は先ほど剣の降るときに見た日本刀、美香は真っ二つに切れるイメージをする。


ザンッ!!


和樹は手に持った刀を振り切り、静止する。

宙に浮いていたTレックスは言葉通り真っ二つになり、落ちてくる。


『あ……』


宙で切ればかっこいいと思い実行したが、それは二つに割れた身体の間に空間があればこそである。

今回は綺麗に切れたのか、そのまま落ちてくる。和樹のいる場所目掛けて。


「み、美香姉っ!」

『ら、ラジャ!』


慌てて最初いた、アリスたちのもとへとテレポートする。

ギリギリのところで逃げ切った和樹と美香を待つのは、周囲の驚愕の目だった。

読んでいただき、ありがとうございました。


少しはチート感出せた……かな?


あと、和樹、殴ってないことに気づきました。

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