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二人の世界  作者: folly
11/18

初めての街 プリム(2)

見て下さってる方々、ありがとうございます!


2016/1/15 矛盾点があったため、少女の描写を変更

「これは、また……」

『すごく大きいね〜!』


目の前にある石造りの壁を見上げる。

二人にとってこの世界で初めての街、プリム。そこは周囲を石造りの壁によって囲まれた円形の街で、あまり危険な生物がいないために、安全な街として有名である。


「しかも、ダンジョンがあるってことで、お宝求めて多くの人が来るから栄えてるんだよ」

「なるほど、やっぱりダンジョンってそういうものなのか」


和樹達は街の中に入るために、関所の列に並んでいた。

同じように並んでいるのは7,80人ぐらいだろうか。商人のように荷車を引いている者や鎧と剣を身に着けた者もいる。


『ねぇねぇ、カズ!あれって、馬なのかな!?』

「うわっ、なんだあれ……」


並んでいる商人の一人が連れているのは、荷車を引かせるための馬。ただし、6脚。


「クロト、あの不思議生物は何だ?」

「いや、あれは君たち二人もよく知ってる馬だよ?」


6脚の馬なんて、見たことがない。和樹が困惑していると、


『……もしかして、魔法?』


美香が自信なさげに答えた。


「正解。商人の、速い馬というイメージと、馬自身の、自分は速いというイメージから魔法が使われているね。」

「それなら4脚でも、速くなるような魔法でいいんじゃないのか?」

「そこが個人の世界の見方ということ。あの商人と馬は、速くなるには脚を増やせばいいと考えたし、素直に速度が上がると考えてもいい。」

『なんか、難しいんだね〜』


人それぞれ世界をどのように見るかは自由で、結果は同じでも手段は千差万別なのである。


「───オラッ、どけよ!」


その時、前方のほうから、怒鳴り声が聞こえてきた。

クロトがその方向を確認し、


「あらら〜、割り込みがいるね」

「定番かよ……」


タンクトップに金属製の胸当てをつけ、剣をぶら下げた男が、小さな女の子を脅しているようだった。筋肉隆々なことがわかり、見るからに強そうではある。

女の子は怯えているのか、そこから動かない。


『カズ、助けなきゃ!』

「そうだな」


和樹は列を離れ、その男に近づいていく。クロトも後ろを付いてくるが、途中で何か気づいたらしい。


「あれ?あの娘は……」


その呟きは和樹達には聞こえなかった。

相変わらず怒鳴る男と動かない女の子のところまで歩いていく。


「おい、おっさん」


和樹が声をかけるが、その男はこちらを見ない。もちろん和樹は、イラッときた。


「おい、筋肉だるま」


ブフォッ!


見ると脅されていた子が肩を震わせている。

初めてその女の子をちゃんと見ると、ローブを羽織っているが、そのローブもお世辞には綺麗とは言えない。


「あ?ガキ、死にてぇのか?」


男が和樹のほうに身体を向けた。和樹より身長が高く、見下される感じになる。


「死にたいも何も……俺は見たまんまに表現したんだが。とにかく、割り込みは良くないと思うぞ」

「何言ってやがる。俺のような強いやつが優先されるのは当たり前だろ?」


本格的にダメ理論だった。


「美香姉、こいつどうしよう?」

『とりあえず殴っておけばいいんじゃない?』

「でも、殴るだけでいいのかな?」

『こういう強いやつが上理論の持ち主は、それでいいと思うけど……』

「じゃあ、それで───」

「何一人でブツブツ言ってやがる!?」

「え?」『え?』


一人?

ずっと美香と話していたのに、一人と言われ困惑する和樹。


『もしかして、私の声って聞こえない?』

「あぁ〜」


和樹の意識にいる美香の意識。だから美香の声は和樹にしか聞こえないらしい。


「じゃあ、クロトが凄いのかなぁ」


なんて関心していると、


「死ねぇっ!」


とうとう耐えきれなくなったのか、苛立ちを隠さず、抜刀して襲ってきた。


「放置してたからって、いきなり剣とか……」

『野蛮な人嫌い!』


イメージは氷。

美香は男の動きを止めるため、魔法で両足を地面と一緒に凍らせる。

そして、和樹は右手を男の腹に置き、そこから爆発が起きる。


「吹き飛べっ!」

ドカンッ!

『あ、やばっ!』


美香は咄嗟に和樹の身体表面を覆うバリアを展開。理由は単純、和樹の起こした爆発は和樹本人にも影響が来たからだ。


「ごほっ……ありがとう、美香姉」

『もぉ〜、ちゃんと考えて行動してよね』


爆発で巻き上がった砂煙が消えると、白目を剥いて倒れ込む男の姿。


「とりあえず、終わり良ければすべて良し、でいいかな」


警備のような人が集まってきている中で、安堵する和樹だった。


読んでいただき、ありがとうございます。

切るところが見つからず、長めになってしまいました。


もっと文章表現が上手くなりたいです……

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