第五話「パンデミック開始?」
ん?
改札口を出てすぐ左側に
茶髪の男が立っている。
良く見るとハーフ、
この人かなぁ〜?
う〜…
このまま逃げてしまおうか…
茶髪のハーフは私を見て声をかける。
「あなたがtieeさんですよね?」
なっ!
何故、私だとわかった⁉︎
「あっあなたがReoさん?わっ私を脅して、へっ変な映像流すなんて…、いったい何が目的⁉︎」
ちょっと声が震える。
「はじめまして、わたしの名前はレオナルド。単刀直入に言うよ、君にはもうあのゲームをやめてほしい」
はぁ?
何故?
「イヤです!それより私の個人情報を消去してください!さもないと今ここで大声を出します!」
「個人情報なんて盗んでないよ、パソコンのデータに入っていた写真を少し見ただけさ、入学式の写真をね」
茶髪のハーフは笑顔で話す。
やっぱ、ウチのネットに入り込んで…
だから顔を知ってたのね…
「あなたを訴えます!」
「訴えてもいいけど、それよりも、君のネット環境は危ないよ」
誰のせいよ!!
「また脅しですか?」
「はぁ…、わかったよ、もぅ僕にメッセージを送るのはやめてね」
そぅ言って茶髪のハーフは去って行った。
なにあの人!
でも…、何もなくて良かったぁ。
ふぅー。
今でも、ちょっと緊張してる。
あっスマホ電源入れよう…
電源を入れると着信が何件も入っていた。
お母さんからだ
メールも一件。
【ナナ!おじいちゃんが倒れた!
病院行ってくる!】
!
おじいちゃん倒れた⁉︎
昔から、おじいちゃんは心臓が悪い。
私も病院行かなくちゃ!!
夜の7時53分
病室まで駆け足でいく
303号室
扉前に掃除道具がいっぱい入ったカートがあった。
緊急入院したから急遽、お部屋掃除したんだろうなぁ…
ガラっ!
「お母さん!おじいちゃんは⁉︎」
部屋に入るとベッドで横になるおじいちゃんの姿が見える。
「ああナナ、来てくれたの?おじいちゃんは大丈夫よ。」
お母さんがベッド横のイスに座り話す。
はぁ…良かったぁ。
でも、ちょっと顔色悪いなぁ…
「また、先生見に来てくれるって、私、今日は泊まるから、あんた帰りなさい。」
「うん…」
弟が一人になるし帰ろう
「う、あぁ……」
「おじいちゃん⁉︎」
おじいちゃんが唸り出す
目を覚ましたのかな⁉︎
「あぁ!あぁー!がぁ!」
急におじいちゃんが胸を押さえてもがく
「おじいちゃん‼︎⁉︎」
「ああ!あぃがぁ!」
バキバキバキッ!
肋骨が折れる音が聞こえ
肉が裂けた…
ビシャっ!…
…
……
………ペチァっ… ペチャ…
裂けた肉から長く鋭いものが音を立て出てくる
…!!
バンっ!
急いで扉を開け
掃除道具のカートに手を伸ばす
「お母さん!どいて!!」
液体をおじいちゃんの胸にぶちまける
ジュッジュゥゥ…
おじいちゃんの胸は音を立て溶けていった。
静まりかえる部屋
溶ける音だけが響いた…
パイプ詰まり用の液体洗剤のカラを床に投げる
コッコンッココン…
静まりかえった部屋に響く…
「はぁ…はぁ…」
「ナっナナ!あんた何してるの⁉︎」
お母さんの声は聞こえなかった。
ただ
あのエイリアンのことを思い出す
長く鋭い爪…
さっき溶かしたアレと一緒だった
「どうしたんですか⁉︎」
看護師さんが来る。
「道乃木さん⁉︎誰か先生読んで‼︎」
「救急カート持ってきて‼︎!ーーー」
看護師さん…
おじいちゃん…
*つづく*