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君の笑顔
私は、一人窓際に座る爽に毎日しつこく話しかけた。
その様子を唯一の友達、輝と龍はいつも笑いながらこちらを眺めていた。
そんなある日、いつものように挨拶をすると
「爽~!おはよっ」
いつもなら、沈黙…のはずだった。けれど
「…なぁ…なんでお前はこんな俺に話しかけんの?」
私は、一瞬目を見開き驚いた。だって、爽から話しかけてくるなんて、今まで一度もなかったから。
しばらくの沈黙の後、私は
「…爽と仲良くなりたいから。爽と友達になりたい!」
私は満面の笑みでそう告げた。その瞬間…爽が
笑ったような気がした。そんなのほんの一瞬でまた
いつものように無愛想な表情で
「…青ってバカなのな……」
そう言って机に伏せてしまった。
私は…爽が笑った瞬間に高鳴ったこの鼓動が
すごく気になって爽の言葉なんて聞いてなかった。
……一体、この高鳴りはなんなんだろう…?
……それは決して故郷を取られたような黒く残酷な
ものでなく、時に切なくなる淡いピンク色の
出来事の始まりだった……