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救世主  作者: 山本正純
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 丁度その頃宮本栞と式部香子はテレサが指示した場所に向かい遊園地内を走っていた。

「あのテレサさんの捜査に協力できるなんて。感無量だね」

「次は人気脚本家さんに恩を売るつもりですか」

「そうだね。恩を売ったらドラマのロケを見学させてもらえるでしょう」

「本当にそれだけですか。本当は事件を楽しんでいるのではありませんか。テレサさんと同じように」

「なぜテレサさんも事件を楽しんでいると分かるの」

「あの人の同級生から話を聞いたことがあります。テレサさんは生粋の推理オタク。実際に事件に巻き込まれたら、その事件を楽しむだろうって。おそらくテレサさんは我々に情報を集めさせて、安楽椅子探偵としてこの籠城事件を解決するのでしょう」


 2人が走りながら会話をしていると、宮本栞は目的地の近くで足を止めた。彼女の瞳には小型の爆弾が映っている。

「やっぱりテレサさんの推理は正しかったようです」

 同じころジョニーとマリアもテレサが指示した位置に爆弾が仕掛けられていることを確認した。

 マリアは携帯電話でテレサに電話する。

「テレサの言った通り。あったよ。爆弾」

『そう。宮本さんも爆弾を見つけたみたいだよ。それならその爆弾の写真をこっちにメールで送って』


 マリアが電話を切ろうとした時、ジョニーがマリアの携帯を奪った。

「テレサ。ジョニーだ。写真を送る前に聞いてほしい。おそらくあの爆弾は小型プラスティック爆弾。威力は柱の根元を吹き飛ばす程度の物で殺傷能力は低い。もしかしたら郵便車爆破事件で使用された爆弾が別の場所に仕掛けられているかもしれない」

『その意見。宮本さんも同意見だよ。一応写真をメールしてもらって確認したけど、信憑性もあると思う。それともう一つ。犯人の香椎陸はどうやって爆弾を仕掛けたのかも疑問だよね。香椎陸はただの一般人。昨日は関係者たちが集まっていて、その前は一部の関係者たちしか出入りできなかった。さらに香椎陸は正午丁度に籠城を開始した。彼がこの遊園地内に入ってから1時間。遊園地内を一周して各地に爆弾を仕掛けるなんて不可能だよ。仲間が大勢いたとしても、警備員が巡回しているから逮捕されるデメリットの方が多いしね』

「つまりテレサの推理は、ケイシンランド関係者の中に真犯人が隠れているというものか」

『そうじゃないかな。だってこの遊園地の構造が一般公開されたのは今日だよ。そんな短時間で侵入経路やどこに爆弾を仕掛けるのか。どこに籠城するのかを考えることは物理的に不可能だからね』


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