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救世主  作者: 山本正純
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 籠城事件発生から5分後、人質たちは爆弾がいつ爆発してもおかしくないという危機的状況に恐怖する者と、開き直り最期になるかもしれない遊園地のアトラクションを楽しむ者の二つに分かれた。

 後者は根っからのポジティブシンキングの持ち主か気が狂っている変人だろう。

 ジョニーたちが二つのタイプの人質の反応を見ながらケイシンランド内を歩いていると、マリアの元にテレサからの電話がかかってきた。

「もしもし」

『お姉ちゃん。私だけど、今どこにいるの』

「ケイシンランドのジェットコースター前だよ」

『それはよかった。ちょっと調べてほしいことがあるんだけど』

「例の籠城事件絡みでしょ」

『そうだよ。籠城犯がケイシンランド内に爆弾を数十個仕掛けたって言ってたよね。その爆弾が仕掛けられている場所が分かったんだよ。お姉ちゃんはジョニーさんと一緒にその場所に爆弾が仕掛けられていないかを確認してほしいの』

「ちょっと待って。今ジョニーの仕事仲間の宮本さんとその友達に式部さんとも一緒にいるんだけど、2つに分かれて捜査を進めた方がいいんじゃない」

『そうだね。ここは2つに分かれようか。ジョニーさんとお姉ちゃんはそこから真っすぐ進んで。その先の行き止まりに爆弾が仕掛けてあると思うから。それと宮本さんに代わって。連絡が取りあえた方が捜査しやすいから』


 マリアはテレサの電話を受け、携帯電話を宮本栞に差し出す。

「テレサから。捜査協力を依頼するって」

 マリアから携帯電話を受け取った宮本栞は携帯電話を耳に当てる。

「もしもし。お電話代わりました。宮本栞と申します」

『あなたが宮本さん。近くにあなたの友達の式部さんもいるよね。宮本さんは式部さんと一緒に今から言う場所に爆弾が仕掛けられていないのかを調べてほしいの。その場所はジェットコースターからコーヒーカップを経由して右に真っすぐ進んだ先にある行き止まり。調べ終わったら連絡して。私の電話番号はお姉ちゃんの携帯電話に表示されているよね。だから宮本さんの電話番号を教えて』

「分かりました。番号は……」

 宮本栞が電話番号をテレサに伝える。

『それでは頼むから』

 テレサからの電話が切れ、宮本栞はマリアの携帯電話の着信履歴からテレサの電話番号を表示させる。そして自分の携帯電話を取り出し、テレサの電話番号を登録した。

 登録作業が終わると、マリアと宮本栞はジョニーと式部にテレサからの指示を伝える。ジョニーと式部はその指示を受け入れた。

 そして4人は2つのグループに分かれ、テレサが指示した場所に向かう。


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