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10 ヘルパーさんに愛とお金を!

おばあちゃんは90歳になるというのにこれまでは医者に通ってはいないし特に何の薬も飲んでいなかった。


この歳になったら大抵歯医者に通ったり降圧剤などの何らかの薬を飲んでいるのが普通なので、この話を聞くと誰もが驚き、すごいですねと言う。


けれども最近は胸が苦しいとか動悸がするとか言うようになり、その都度救心という薬を与えるのだが、あまりにも頻繁に言うようになったので循環器系専門の医者に連れていった。


肺や心臓などの何種類かの検査をしたが特に問題はなく、原因は高血圧だろうという話になり、マイルドな降圧剤を服用することになり、また血圧ノートという手帳を渡され、朝と夜に測ることになった。


どのタイミングで測るといいのか聞くと、食事後では下がってしまうので食前がいいと言われた。


おばあちゃんは朝起きると6時25分からラジオ体操をするので、その前の方がいいと思い、桐子は6時15分頃一階へ行き血圧を測るように言って手帳に正しく記入するところまで確認をする。


あとは夕方だ。ところがある日から朝の5時45分頃になると階段の下で桐子を呼ぶようになってしまったのだ。

「はやく血圧測ってよ」


「いつも6時過ぎに測りに行ってるでしょ。まだ寝てるんだから起こさないでよ」


こうした会話が毎朝繰り返されるようになり、日によっては明け方4時や夜中の2時にまで起こされるようになってしまい、桐子は何度か激怒してしまったが、同じことが続いている。


桐子は毎日睡眠不足気味で眠くて困っていたので、ある日寝ている時に起こさないように強く言ったところ、おばあちゃんは桐子が怖いから妹の家に泊めてくれと妹に電話をしてしまった。


すると妹から、自分の家は孫の世話などで大変だから、おばあちゃんを泊めるなんてことはできない、だいたいおばあちゃんは加齢でだんだん子供のようになってきているんだから、もっと優しくしてあげてよ、と結構きつい言い方をしてきた。


それまでは良好だった桐子と妹の関係にもヒビが入り始めていた。誰も分かってくれないんだ。今日も例によって散々な一日になってしまった。でも、今夜はヘルパーさんが来てくれるからガールズバーに行ける。桐山さんと話ができるとは限らないが。


 週に3回、3時間ずつヘルパーさんに来てもらえるので、桐子はバイトとは言ってもガールズバーで少しばかり息抜きができ、お客さんによっては結構楽しく過ごせるので、ヘルパーさんの存在は重要だ。


けれども確か昨年法律が改正されてヘルパーさんの給料が下げられてしまった。その結果、ヘルパーさんを派遣する会社が苦しくなって倒産が相次いでいるという。馬鹿げた話だ。


高齢化社会となり、ヘルパーさんはますます求められているし、その仕事の内容は大変だ。なのに給料を下げるなんて。もっと税金をこういう介護や教育とかに使うべきだ。国会議員なんかもっと減らせばいいんだ。万博とか、給食費無償化、高校の授業料無償化なんかよりも、こっちにもっと予算をつけるべきだ。

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