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消えた赤とんぼ

作者:まーたろう
『消えた赤とんぼ』あらすじ

 高校球児・杉浦航太(18)は、夏の甲子園予選決勝で敗北し、失意のまま祖母スズの言葉を聞く。祖母は語る――「若い頃のおじいさん、航一は野球が大好きでキャッチャーをしていた。でも戦争で野球を奪われ、特攻隊として空へ消えていった」と。

 祖父の存在を強く意識した航太は、矢吹飛行場跡地に作られた野球グラウンドを訪れる。そこで不思議な現象に巻き込まれ、気がつけば太平洋戦争末期の矢吹にタイムスリップしていた。

 そこには、まだ二十歳の若き祖父・杉浦航一と、同じく青春を野球に捧げながら戦争に翻弄される若者たちがいた。中には後にプロ野球の名選手となる大下弘の姿もあった。航太は見知らぬ少年として受け入れられ、夜の草野球で祖父とバッテリーを組み、大下弘を討ち取る――束の間の青春を分かち合う。
 しかし、現実は戦争である。航一はスズとの間に子を授かっていたが、それでも特攻隊として出撃を命じられる。
 「死にたくない」「スズを残していきたくない」――葛藤に苛まれた航一は、未来から来た航太に自分の本心を打ち明ける。
 キャッチボールの中で、航太は自らが孫であることを明かし、航一は「未来でお前が生きているなら、俺の命も無駄じゃない」と心を決める。
 出撃前夜、航一は航太に俺の分まで生きろと託す。
 「野球を続けろ。そして……スズと、俺の子を頼んだ」
 航太は涙ながらに「じいちゃん」と呼び、祖父の背中を見送る。
 翌朝、赤とんぼと呼ばれた特攻機が空へと飛び立つ。
 再び光に包まれた航太は現代の野球場へ戻る。
 戦争とは何か。命を繋ぐとはどういうことか。航太はその答えを胸に刻み、再び野球を続けていく決意を固める。

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