表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/30

四天王3

 目的地に向かっていると、ゼノライトが唐突に言った。


「なぁ。旦那の親父さんとお袋さんの墓参りに行かね?」


「それは、桜澄様のご両親の墓参りということか?」

ウルフロバテーネが訊き返す。


「だからそう言ってんじゃんアホ」

「アホじゃない! 私は狼女だ! いや違う。今のは違う。間違えた。私はウルフロバテーネだ」


「ゼノ、どういうつもりだ?」

カヨイの問いかけにゼノライトは表情を変えずに答えた。


「いや別に深い理由があるとかってわけじゃないんだけどさ。こっからすぐにエピロゴス島に行って天使を殺して世界を消すのってさ、ちょっと寂しくない?」


「寂しい、かぁ。確かにねぇ」

ロゼメロは納得したように頷いた。


「どうせ消しちゃうんだからその前にやりたいことをやるってのは賛成」


「だよな!」

ゼノライトは嬉しそうにニコッと笑った。


「マスターから特別急いでやるように指示を受けているわけでもないし構わないが、どうして墓参りなんだ? ゼノがこの世界でやり残したと思うことがそれなのか?」


「んー。なんて言うかずっと思ってたことではあるんだ。なんでなのかは分からないんだけど、誕生した時からずっと旦那の両親の墓参りに行きたいって思ってたんだよね。逆にお前らそう思ったことないの?」


「……貴様と同じことを思っていたというのはなんだか癪だが、私もそういう感覚はずっとある」


「へぇ。びっくり。アタシも謎の墓参り欲があって不思議だったんだよね。アンタらにもあったんだ。カヨイは?」

「ある」


「やっぱあるんだ~。なんなんだろうねアタシたちの謎の墓参り欲」


「俺の勝手な考えだが、多分マスターがしたいことなんだろうな」

「桜澄様の? どういうことだ?」


「俺たちはマスターの魔力によって作られただろう。魔力は感情から生まれるものでもある。つまり魔力と一緒に感情も俺たちに伝わったんじゃないか」


「んーなるほど? ありそう。じゃあ親父はずっと親の墓参りに行きたかったってことか」


「旦那の立場的に簡単に行くことはできないからな。そっかー。それなら俄然行かないとな」


ということで四天王は寄り道することにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ