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メイドさんな同級生  作者: とう助
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第21話 ゴールデンウィークに向けて 

「そういえば一之瀬くん、かっこいいとか言われてたね」


 2人で帰宅している途中、西園さんは急にそんなことを言い出した。まぁ今日のことを話しながら帰っていたのでそこまで急というわけでもないのだが。


 しかし自分的にはその話題はあまりいい話題ではなかった。なぜなら最初にファミレスでこの話題が出た時もなんて言えばいいか分からず黙ってしまったからだ。今も若干言葉に詰まっている。


「あー、なんかそんなことも言われましたねぇ....」


「あの時2人とも黙ってて面白かったよ」


 ニヤリと笑いながらからかってくる西園さんに俺は言葉を返す。


「だ、だって今までそんなこと言われたことないし、仕方ないじゃん!」


「ついに気づき始めた人が出てきたかって感じだよぉ」


「もうからかわないでくださいよ......」


 そんなからかいを華麗(?)にスルーした俺は、あることを思い出していた。


 春季体育祭は4月下旬に行われた。その体育祭が終わったということはもうすぐ5月。つまりゴールデンウィークが目前というわけだ。


 ゴールデンウィークの予定についてだが、少し前に西園さんと遊びに行く約束をしている。といっても元々俺は実家に帰る予定だったので西園さんと一緒に俺の実家に行くのだ。俺の母親とはまだちゃんと会ったことがないらしいので、そこで会って挨拶もしたいらしい。家に帰ると言っても、顔を見せに帰るだけで特にやることもないため暇な時間は西園さんと遊ぶというわけだ。


 とまぁ大体こんな予定なのだが、でもまだ詳しいことは決まっていない。いつ帰るのかとか、どこ行くのかとか。早めに決めておいて損はないだろうし、俺はそのことについて西園さんに聞いてみた。


「そういえばもうすぐゴールデンウィークですけど、予定とかどうします?」


「あ~、そっか。一之瀬くんの実家にお邪魔するんだった」


 西園さんも覚えてくれていたようで良かった。


「なにあるかとか分かんないし、とりあえず帰ってから決めよっかなぁ」


「それもそうですね」


 とりあえず帰ってから決めることになった俺たちは、それぞれコンビ二に寄ったりして別々に家に帰った。



*



 家に帰って風呂に入った俺たちは、リビングで話し合いを行った。


「とりあえずいつ帰るか決めないとですね」


 移動方法は俺の父親である雅也が迎えに来てくれる。同じ県内だし、車でも多少時間はかかるが余裕で移動できる。


「私は特に予定がないから初日からでいいんじゃないかな?時間は雅也さんの都合に合わせるよ」


「僕も特に予定はないのでそうしましょう。時間はあとで聞いておきますね」


「ありがと。あと私アニメイク行きたい」


 アニメイクとは全国に展開されている、アニメ関連のグッズを取り扱っているお店である。全国展開といっても俺らが住んでいるような田舎な地域にはなく、県内で栄えている場所にしかないので簡単にいくことは出来ない。俺の実家の近くにあるので今回の帰省の際に行きたいらしい。


「ぜひ行きましょう。欲しいものいっぱいあるんですよ」


「私も~!楽しみ!!」


 実家がある場所とはいえ、実際どんな施設があるのかなんて分からないのであとは調べてみることにした。


「あ、そういえばここの動物園ってちょっと有名なんだよね」


 そういいながらスマホを見せてくれる西園さん。そこにはさすがの俺でも知っている動物園があった。


「動物園いいですね。ゴールデンウィークだから結構混みそうですけど、せっかくなら行きましょう」


「うん!」


 それから他には大型のショッピングモールにも行くことにした。服とかを買いたいらしいが、女の子と服を買いに行くなんてことはしたことがないので正直不安である.....。


 1日ですべて行くわけではないのでこれくらいでいいだろう。あとの時間は家でゲームをしたりしてゆっくりと過ごそうと思う。想像するだけですごく楽しみである。そもそも学校がないという時点で非常にうれしいのに、更になにも気にせず西園さんと一緒に遊ぶことが出来るのだ。これ以上の幸せはないだろう。


 そんなワクワクの気分のまま俺たちは体育祭の疲れもあって、早めにベッドに入った。



*



 ゴールデンウィークまであと数日。体育祭が終わってから初めての登校だが、土日を挟んだこともあって、さすがにもう体育祭ムードはなくなっている。なくなっているどころか、なんだか少しピりついた雰囲気さえ感じる。一体どうしたのか。


 朝のホームルーム。 


「皆さん、体育祭お疲れさまでした」


 先生の声が教室内に響く。


「えー、もう少しでゴールデンウィークが始まりますが、休み明け1週間後にはテストがあります。遊びすぎて勉強しなかったなんてことがないように」


 俺はすっかり忘れていた。テストという存在を....。西園さんと遊ぶことだけを考えていたせいですっかり頭から抜けていた。去年の1年生の時にもあったのに。


 とはいえゴールデンウィークの後半は特に予定もないし、休みが明けても1週間は猶予がある。それに最悪、西園さんに教えてもらうことだってできる。盤石な体制だ。

 と思いつつも若干不安になっているが、まぁ何とかなると思ってしまうのが俺の悪いところだ。俺はそんな自分も嫌いじゃあない。


 ゴールデンウィークが楽しみで授業に全く集中できなかったが、なんとか休みまでの残りの登校日を乗り切った。



*



 ゴールデンウィーク初日。

 迎えに来るのは昼頃らしい。今は11時なのでもうそろそろくる時間だ。


「一之瀬くんもう準備できた?」


「はい、もう完璧です」


 俺のだらしない性格を知っている西園さんは、俺が忘れ物をしないように確認をしてくれる。とはいっても服はある程度実家にあるし、そこまで荷物が多いわけではないのだが。再度荷物を確認し、忘れ物がないことを確認した俺はリビングでスマホを見ていた。


 そこにやってきた西園さんは予想以上に大荷物だった。西園さんの場合は衣類を数日分持って行かないといけないし、それだけで荷物が多くなってしまう。移動するときは少し持ってあげよう。


 西園さんも準備が出来たらしくリビングにやってきた。一緒に今後の予定について話し合ったのだが、今日はこのままいくと実家に着くのは3時くらいになってしまいそうなので、アニメイクに行くだけにすることにした。そんな話し合いをしながら時間をつぶしていると、俺のスマホに1通の連絡が入った。


『ついたよー』


 雅也からの連絡だった。


「西園さん、迎えが来たみたいです」


「あ、ほんと?じゃあ行こっかぁ」


 さりげなく西園さんの荷物を持って外へと向かった。

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