あの夜
ペトリコールが咲いた時の主人公の2年前のとあるワンシーンです。
小説内ではまだ描かれていない、あの夜の私(男)の感情です。
ああ。
もう、いいだろうか。
もう、
いいだろうか。
帰宅したままの服を着てもう、どれくらいここに座りこんでいるんだろう。
生きることを
諦めたわけじゃない。
鉛みたいな身体を引きずって寝室へ向かった。
ただ、
辛いとか
苦しいとか
きっと、どこかで聞いたことのある感情なんだ。
部屋のマットが敷いてあるところで膝から鞄と一緒に崩れ落ちた。
ただ、
非力な己の脳味噌に
絶望しているだけなんだ。
重すぎる身体に耐えきれなくて額が床に落ちた。
だからどうか
ゆるして欲しい。
涙が流れ落ちて
視界をさえぎる間だけは
消えて
なくなりたいと思うことを
どうか
ゆるしてくれ。
握る拳に
深爪が食い込む痛みだけが
何よりも心地よかった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
ペトリコールが咲いた時はこういったシリアスというか、ダークな部分を表現できたらと思い書きはじめました。
今公開している小説は、まだ比較的明るめ?な雰囲気です。これからの展開で不穏な空気になる予定です。笑
どれだけの方がこの作品を見てくださっているのか分かりませんが、変わらずぼちぼちと精一杯生きていきます。
皆様にとって今日がよい日々となりますように。