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71*オレガノ家にて


 馬車に揺られながら幾つもの村と町を抜けもう少しで王都に着くというところでアンナが突然実家のオレガノ家へ寄っても良いだろうかと聞いて来た。

 結婚式以来家族には会っていないのだからその位の願いは聞いてあげたい。

 城にいたら例え親子であろうとも面会の申し込仕込みを書面で出しスケージュールの調整やら何やら面倒な手続きをせねばならない。

 こう云う機会でないとこちらからもそう易々とは出掛けていけないもの事実だ。


 突然の訪問にも関わらず大歓迎と迎えてくれたオレガノ夫妻と義姉のマリエッタに囲まれ幸せそうなアンナを見ていると自分も幸せな気持ちになって来る。


「義父上、義母上、義姉上、只今帝国より戻りました」

 私も王子ではなくアンナの夫としてきっちりと挨拶はさせて貰う。


「殿下も長旅ご苦労様でございました。さっ、どうぞ中でお茶をお召し上がりください」

 まだまだ他人行儀なオレガノ男爵にすこしもやっとしてしまう。


「義父上、私も貴方の義理の息子です。どうかもっと軽口でイーサンに言うように接して貰えると嬉しいのですが」


「殿下、それは・・・」


「私の父上である陛下と二人の時はそれ程敬語もお使いにならないではないですか」


「陛下とは・・・幼馴染でもあるので」


「私はその幼なじみの息子ですよ。

 アンナの家族とも王家という垣根を取り払って娘の夫として受けて入れて貰いたいのです」

 以前から心にあった気持ちを素直に義父アドルフに伝えた。


「殿下、否バージル殿そこまで思って頂けて私は・・・感無量です。さっ、部屋でお茶を飲みながら土産話でも聞かせて下さい。何ならお茶でなくワインでもウィスキーでも一緒に」

 義父は嬉しそうに応えてくれた。

 アンナが繋いでいた私の手をぎゅっと握り返し


「ありがとう、バ-ジル」

 と嬉しそうに微笑んだ。


 応接室でワインを飲みながらダニエルも一緒のテーブルにつき帝国でのアンナの活躍を話すと他国でなんてお転婆な事をしてるのだと父親に窘められるアンナ。そして娘の魔力の強さにも改めて驚く家族たち。

 ダニエルが帝国の人々がアンナの事を女神だと絶賛し強さは勇者の様だと褒め称えていた事を話す。


「当たり前ですわ。アンナ程賢くて美しい娘(妹)は居りませんもの」

「さすが、私の娘ですわ」

 マリエッタとマリアンヌ婦人。

 相変わらず娘への推しは健在だった(笑)

 いつか自分たちもこんな暖かい家庭をアンナと共に築いていけたらと思う。


 楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

 メイド仲間と久しぶりに再会しそちらでお茶を飲んでいたビオラも戻って来た。

 

 別れ際にアンナが義姉に言う。


「姉さま、まだ意中の方はいないのですか?」


「わたしは理想が高いのよ」

 澄ましていうマリエッタに


「デオドール殿下なんて如何ですか?」

 とビオラが冗談めかして言うと


「勘弁してくれ、娘二人も王家に嫁がせるなんて私の身が持たん」


「冗談ですよ旦那様。女たらしの殿下にマリエッタ様が嫁ぐわけが御座いません」


 慌てる義父に冷めた目で言うビオラ。

 精霊とは結構辛辣だなと思ったが、ビオラには内緒にしておこうと思う。


 オレガノ邸を後にして王城へ向かう馬車の中でアンナが何か考え事をしている。

「アンナ?」


「デオドールお義兄様っておいくつになられるんでしたっけ?」


「兄上か?私より五つ上だから今年二十七だな」


「本当にどなたか居ないんですかね?」


「ん-、成人前に実は婚約者がいたんだ」


「そうなんですか!えっ、何か事情があって破棄されてしまったのですか?」




お付き合い下さりありがとうございます。第五章も後り三話となりました。

最後はのほほんと〆ます。


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