69*バージルの不安
下に気分で下手くそながら挿絵を入れてみましたが(;'∀')
二人のイメージが違ってしまったかもです・・・
◆◆◆
その夜は宿屋がないこの村で、神父の家に泊まらせて貰う事になった四人。
伝えられてきた大聖女ジュリアーナの話を聞きながら、ささやかな晩餐となった。
フォルヴァはアンナの膝の上で神父の話を頷きながら聞いていた。
中でも一晩で百人もの負傷者を癒し治療した話には、信じられないとバージルとダニエルは言葉を失っていた。
夕食後用意してくれた部屋に戻って来たアンナ達。
「お嬢はやっぱりすげぇ大聖女だったんだな」
ダニエルが改めてアンナの存在の大きさを確認します。
「それはジュリアーナの事でしょう?私はダニエルが知ってるお嬢のアンナよ。あっ、もう人妻だからお嬢では無いけどね」
と本人はケタケタ笑っている。
「そうよ、ジュリアーナの魂は持っていてもアンナはアンナ」
「でも十五でフォルヴァとこの国を救うために立ち上り、魔獣を討伐して回ったんだろう?それをごく一部の人にしか知られず、全部聖女の偉業となって一人で死んでいったなんて・・・」
「そうね、大聖女の存在は王家の者でさえ知らないなんてね、ちょっとかわいそうと思えるわね」
「だよな。俺もそう思う」
ダニエルとビオラの会話をアンナとバージルは黙って聞いていた。
「でも今こうしてジュリアーナの魂はアンナに引き継がれみんなに愛されているわ。きっとジュリアーナも倖せよ」
ビオラがアンナを抱き締め額にキスをします。
「大好きな愛し子ですもん、何度でも契約のキスをしちゃうわ」
額どころか顔中のあちこちにキスをするビオラから、今まで会話にも参加せず寡黙になっていたバージルがアンナを奪い取り、その胸に閉じ込めます。
「バージル?」
彼は一言も喋らずただアンナの事を抱きしめたまま肩を震わせていました。
「えっ、バージル様、泣いて・・・?」
「アンナ何処にも行かないで欲しい」
声を震わせ心細そうな声で伝えるバージルの姿を見て、ビオラとダニエルはお互いに目くばせし頷くと静かに部屋から出て行きます。
「どうしちゃったんですか。私は何処にも行かないけど・・・」
「アンナが違う使命を見つけて、私の元から去って逝ってしまうのではないとこの村に来てからずっと不安だった」
アンナの肩に頭を落としたバージルを起こし見つめる。
アンナと愛し合うよう様になり、金色に戻ったバージルの瞳が涙で揺らいでいるのを見て、思わず自分の胸に彼の頭を抱きかかえるアンナ。
「私はバージル様の妻ですよ。なので、の命が終わるまでバージル様のお傍に居させてください」
「つっ、ありがとう私のアンナ。ずっと傍に居て欲しい」
「はい、私の愛しい旦那様」
バージルの額に口づけるアンナ」
この夜初めてバージルはアンナの胸の中で泣いたのでした。
暫くして戻って来たダニエルとビオラは、小さなベッドでアンナの事を抱え込み眠っているバージルの姿を見て顔を見合わせ溜息を吐いた後、微笑み合ったのでした。




