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※7◇置き土産は思う

 ナターシャ嬢がアンナについて一週間経ちました。

 実は彼女ドルチェであった時アンナは自分より一つぐらい年上と思っていたのですが実際は一つ下で現在十七才でありました。

 ナターシャ嬢がアンナについて一週間経ちました。

 実は彼女ドルチェであった時アンナは自分より一つぐらい年上と思っていたのですが実際は一つ下で現在十七才でありました。


********


 アデライト王国へ行けるならどんな理由でも良かった。だってバージル殿下のお傍に行けるんですもの。

 帝国での歓迎会の時に一際輝いていた場所にお二人の殿下の姿があり、金髪を後ろで結んだデオドール第一王子も稀に見る美男子だったけど私は銀色の髪をしたバージル第二王子もデオドール様と同じくらい美しく目を奪われその場に立ち尽くしてしまった。

 運命の人ですわ!そう思ったらもう美貌の第一王子殿下さえ視界から消えてしまった。

 あっ、でもバージル殿下は結婚をされたばかりと聞いている。あの隣にいるプラチナピンクの髪をした小柄な女性が妃殿下なのね。わたくしと同じくらいの年ですわ。

 可愛らしくもあり美しい女神のようなオーラを纏っている。殿下が見初めて夢中になったのも分かりますわ。

 でも・・・わたくしだって負けないくらいの美貌よ。そして殿下のお傍に居たいと思ってしまった。

 

 ダンスが始まりお二人で踊り始めると見つめ合い微笑まれる姿を見て周りからはため息が漏れているのが分かる。

 ああ、わたくしも殿下と踊ってあんな優しい眼差しで見つめられたいですわ。

 あっ、一曲でお二人はダンスを終えた様ですわね。

 まぁ、どこかの令嬢が殿下にダンスのお願いをしてるわ。なんて図々しい。

 でもお断りされているみたいですわね。

 あら、また。やはりバージル様はお断りするのね。何か踊れない理由があるのかしら?

 妃殿下が嫉妬深いとか。ええ、そうかもしれませんわ。

 その妃殿下はというと・・・大公妃の皆さまと歓談中ですわね。

 お父様もご挨拶されているみたい。ふふ、ここはまずは妃殿下に・・・。


 「あのう、ジュリアンナ妃様、殿下と一曲だけでも踊りたいのですが、お許しを頂けますか?」

 お父様を押しのけてわたくしなら殿下に断られる筈などないですけれどと思いながらも可愛らしくお伺いを立ててみました。

「ええ、私は構いませんけれど・・・」

 ほら御覧なさい。

「お父様。妃にお許しを頂きましたわ!、殿下の所へ行って参ります」

「こっ、これ、ナターシャ(汗) 

 お父様の声など聴く耳を持たずわたしくしは殿下の元へと向かったのに。


「バージル殿下、わたくしと一曲お願い出来ますか?」

 歓談中の殿下が振り向き微笑んで下さました。

 ああ、美しく凛々しいお顔♡

「どちらのご令嬢でしょうか?」

 見惚れている場合では御座いません。

「わたくしはアリア領大公の娘ナターシャ・モルトに御座います。どうぞお見知り置きを」

 とドレスを摘み礼をとります。

「モルト大公殿の姫でありましたか。せっかくのお誘いですが私はダンスが得意ではないので皆さんのお誘いをお断りさせて頂いております」

「あっ、でも先ほどジュリアンナ様とのダンスはとても素敵で苦手とは・・・それにジュリアンナ様のお許しも戴いて参りました」

「アンナの?」

 と妃殿下のいる方に目をやった後、

「ダンスが上手く見えたのはアンナが完璧だからですよ。ですから私は妃としか踊りません。申し訳ないですね」

 と完璧な王子スマイルで返されました。

 お断りされているのにそのお顔、殿下素敵素敵!素敵過ぎます!好きです!

 しばらく粘ってみたものの殿下からのお返事は変わらず渋々と引き下がる事にしましたわ。

 

 殿下と離れてから沸々と訳の分からない気持ちが込みあげその矛先は自然と妃殿下に。

 なんなの?わたくしからお誘いして断られた事なんて一度も無いのに。きっと妃殿下に自分以外と踊らないでとか言われてるのですわ!

 バージルの魔力が強すぎ少し長く触れるだけで魔力酔いをして倒れてしまうという事を知らないナターシャは無性に腹が立ち妃殿下とお父様の元戻り


「殿下ったら私は自分の妃以外とは踊らない主義だからと仰って簡単にお断りされてしまいましたわ」

 背中を向けていたジュリアンナ様にも聞こえるようにお父様に愚痴りました。


「ナターシャ様ごめんなさい。殿下はダンスが苦手なんですの」

 ジュリアンナ様は振り向き申し訳なさそうに労っては下さったけどわたくしには勝ち誇ったようにしか思えませんでした。


「そんなこと仰って。本当は妃が殿下に誰とも踊らないでってお願いしているのではありませんか?」


 そう言い放つと周りのご婦人方が騒めき始めましたがそんな事は気にも留めず私は早足で会場を後にしました。

 

 追いかけて来たお父様に馬車の中で散々叱られましたわ。

 不敬罪にも相当すると頭を抱えてますの。そんな大げさなと思っておりましたが翌日にお父様はバージル殿下夫妻に謝罪に行きわたくしはアリア領に強制送還されてしました。

 何故でしょう、そこまで悪い事をしたのかしら?


 暫く謹慎処分を受けている間に魔術大会が開かれ他の領の謀反が発覚しジュリアンナ妃殿下が魔術で解決した聞かされました。お二人の仲睦ましい姿が帝国中に広まって。

 わたくしもバージル殿下の愛のひとかけらでもいいから欲しい。お父様にお願いして側室に迎えて貰うように出来ないかしら?そんな事を考えていたら今度は再教育ってなんですの?

 帝国のアリア領となる前はアリア王国の姫だったのよ。姫教育を受けて来たわ。

 それなのに今度は淑女教育ですって⁈どういう事かしら。

 わたくしは完璧な筈。


 そうこうしている間に他の領の謀反の所為でアリア迄体制が変わってしまった。

 皇帝陛下は大公となった元王族からその地位を剥奪してしまい爵位に落としてしまったの。

 わたくしはアリア王国王女からアリア領主大公女そしてアリア領主公爵令嬢となってしまった。

 訳が分かんないわ。

 公爵令嬢としての嗜み?今までとどう違うのよ!


 淑女教育を適当にやっていたら皇帝陛下から「君は少し外の世界も知った方が良い」と言われましたの。

 留学ですか?でしたらアデライト王国へ行きたいですと伝えると「アデライトまで行くなら君は侯爵令嬢だ、ジュリアンナ妃に仕えさせて頂き勉強してくると良い」ですって!

 人に仕えるってどういう事でしょう?でも妃殿下のお傍に居ればバージル様にも近づけますわね。

 あら、陛下はもしかしてバージルで様に気入られて来いと仰っているのかしら?

 わたくしバージル様のお傍に居られるなら側室でも構いませんわ。

 もしかしたら奥様である妃殿下よりも私の方が良くなって通って下さるかもしれませんもの。


 そう意気込んで皇帝陛下のアデライト訪問に同行させて頂きましたのに。


 ジュリアンナ妃に仕える・・・って侯爵令嬢としてご一緒にお茶会に出たりお話相手になったりではないの?


 どうしてジュリアンナ様の侍女ビオラにこき使われてるのかしら?

 バージル様とはなかなかお会い出来ないし。

 どうなってるのよ。


********


 出会った当初からの勘違い娘は少しづつ自分の立場を理解してきたのでしょうか?

 否、全くしてませんね。


 出会った当初からの勘違い娘は少しづつ自分の立場を理解してきたのでしょうか?

 否、全くしてませんね。

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