表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

第0話-プロローグ-

総じてこの世全ての充実した学園生活を送るためにおいては一つ、たった一つだけの要素が重要視される。


学力?否。

運動神経?子どもじゃあるまい。否。

顔立ち?性格を測れ性格を。否。


いや、合ってなくはないけど俺が求めてた答えとしてはどれも的外れなんだ。さて答え合わせをしよう。


俺が導き出した答え、それはコミュ力、それに伴った教師からの信頼やその他からの人望、友人、果ては彼女とまで及ぶ「青春」という概念の有無だ。


人は往々にしてこの「青春」を送ることができるという権利を与えられている。

だがそれはひとえに青春を送れるという「権利を与えられている」ということだけにすぎない。


確かに無事自分の人生へと付随されたその権利を行使できたものは友人に囲まれ安泰な生活を手に入れることができる。

しかしここ、ここなんだ。


分かりやすく言うと必ずしも陽キャ化に成功し、順風満帆な青春を送れる。という絶対的な制約の保証を神様はつけてくれなかった。


学園生活においてもこの法則は当てはまる。

そもそも大体の事象なんてそんなサイクルの上で成り立っているもんだ。このサイクルにおいての例外なんて滅多に存在しない。


ただまあ別に陽キャ共のことはそこまで嫌悪していない。

この権利を無事行使した者達の特権だからな。


ただ煩わしすぎるやつらだけは嫌いだ。人のプライベートゾーンにずかずか入ってくるやつとか特に。


そんなただでさえ不条理で世知辛い世の中だというのに神様はなぜか俺の人生を更にハードモードにしてきた。

どういうことかって?


俺は中2の春から家族以外で人と話したことがないからだ。正確には話すことができなかった、という表現が適切だな。


進級後クラス替えがあったが親の事故で俺の中2の初登校日は3日ほど遅れた。

たった3日、たった3日だけなのにクラスでは既に多くの派閥ができているのが教室に入った瞬間、空気感から察せた。


自分から積極的に話しかけて混ざりに行けばいいじゃんとかそういう問題じゃない。


話しかけに行くも、会話が噛み合わなかったり元々コミュ力が高いわけじゃないので変なことを言って気持ち悪がられたりし、挙げ句の果てには変に不名誉な噂が立ちまくってしまったのだ。


クラス替えとなると知らない顔の人が多く、誰にも話しかけられない日々が続き、自然と自分も努力することを諦めて存在を薄くする癖がついていってしまった。


そのおかげでみんなからひたすらに避けられ、ガン無視、挙げ句の果てには教師にすら存在を忘れられる始末。


精神がまだ発展途上の中学生は得体の知れないものは避けて通る傾向にある。興味本位で近づくのは小学生まで。

自分が知らないうちにその得体の知れないものとしてカテゴライズされてしまっていたらしい。


中学生って本当変なところで中途半端に精神が育ってるなって最近思い返しては感じている。


俺は特別陽キャに分類されるようなキャラだったわけでもなかったがそれでも中1の頃は青春の権利を勝ち取れなかった、いわば自分と同類の静かな奴らとは仲良くしていた。


偶然一人同じクラスだったから話かけにいったけど例に漏れずそいつも別の人と仲良く話をしていて、変に噂だっている俺を避けた。


この時点でいわゆるどこにも所属できない、していない人間。

もはや都市伝説とまでされている真正のボッチになったのだ。


俺はお年頃の時期ということも相まって本気で心が病んだ結果引きこもり生活を半年くらい続けていた。


そんなトラウマを抱え続けた結果、高校に進学しても人と話すことはなく教室の隅で細々と生活をしている。


そうだな。青春値とでも呼ぼうか。

最上位の陽キャが999だとしたら俺は最下層にいる自信があるので-999が妥当だろう。


なんか、あれだな。自分で言ってると虚しいな。陽キャと自分との差をただただ魅せつけられて悲壮感に暮れている。


俺みたいにしんどい学園生活を送っている一方、権利を目一杯行使し、充実した学園生活を送るものもいる。


.......前文で陽キャ共を嫌悪してるわけじゃないみたいなことを言ってたけど、前言撤回だ。


やはり陽キャ共は滅んでしまえ。くそったれ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ