暁の居ぬまに
久方ぶりのメリアローザ。
愛すべき家族の待つ素晴らしき故郷。
仕事とはいえ、石造りの要塞を背に離れるのは寂しかった。しかし離れていったものが近づくにつれて心躍るのは、やっぱりあたしが、みなの住む街が大好きだからだろう。
馬車を降り、街中に咲いた花々の美しさが目に飛び込んでくる。人々の活気ある声が響いてくる。懐かしいの故郷の香りが鼻をくすぐる。
あぁ、なんと素晴らしきことか。
ギルドの門をくぐると、おかえりなさい、と顔を向け、子供たちなんかは飛び込んできちゃったりするんだよなぁ、もう。人気者は楽しいですなぁ!
そんな期待を胸に抱き、ただいまの一声を轟かせた。そこにはいつもの変わらぬ食堂の姿。
両手にフライパンを持ったアイシャ。うつ伏せになって微動だにしない詩織。青ざめた人々。
…………何が起きているんだ!?
満面の笑みで、おかえりなさいを返してくれたアイシャの頬に奇妙な赤い液体。……倒れて動かない詩織。フライパン。赤い液体。まさかそんないやそんなまさか。
よりにもよってお前が始末をつけてしまったのか?
エクシアさんやリンさんですら躊躇していたのに…………まだ間に合う。詩織を埋めよう。
「あ、勘違いしないで下さい。今日のお昼に出した高菜麻婆チャーハンが辛くて倒れただけです。唐辛子を使っているならともかく、辛味噌仕立てでちょっピリ辛のつもりだったんですが、詩織さんには刺激が強すぎたみたいです」
「な、なんだ……てっきりアイシャが激おこぷんぷんハンマーでフライパンを叩きつけて亡き者にしたのかと思った。ていうかそれ、ちょー美味しそうだな。あたしにもおんなじのちょーだい♪」
ため息とともに胸を撫で下ろす。
よかったよかった。危うく詩織をなかったことにするところだった。
あたしが留守にしている間の詩織の悪行は手紙で聞いて知っている。随分とまた自己中心的で他罰的なことをしていたらしい。
アイシャに歯向かうは、華恋の昼飯を奪うは、あのエクシアさんにすら牙を向けるという愚行奇行の数々。
あとで各方面に頭を下げに行かなくては。
詩織が若いということと、アイシャが素晴らしい栄養士であることもあって、詩織の体調は大分よくなっていた。背中のブツブツは治り始めているし、フジツボの群生地もかなり数が減り、大きさも小さくなってきている。さすがに爪のほうは生え変わるまで時間がかかるだろうが、それでも根本から生まれ出ている新しい爪甲は綺麗な色をしていた。
よきかなよきかな。
頑張っているようで何よりだ、と褒めて、また随分とやらかしたようだなと釘を刺す。
褒められて嬉しそうにして、叱られて顔をしかめるギャップはもはや顔芸。子供のように気持ちが顔に出る。いや内面はかなり子供か。
「さて、体調もよくなったところで詩織に仕事だ」
「うげっ!」
「うげっ、じゃないよ。お前、今いったいどのくらいのツケが溜まってると思ってるんだ?」
すっとぼけた顔しやがってコイツ。
あたしがいなかった数日の間だってお前、それタダ飯食わせてもらってるとでも思っていたのか。以前からも方々ため込んでいるというのに、まさか忘れられているとでも思っていたのだろうか。だとしたらとんでもない神経である。
まぁ彼女の態度にいちいち怒っていたらキリがない。
それはとりあえず置いておいて、仕事の話しに移りましょう。
彼女には引き続き嘘発見器としての役割を担ってもらう。セチアにも同行してもらい、嘘吐き坊やの長い鼻も横に置いて万全を期す。
これほどまでに準備するのは大金のかかった事業というだけではない。国と国との信頼のため、お互いが幸福になれる着地点を模索し、未来へと繋がるためであり、今回の交渉人はそういった国同士の意向に反している恐れがあるからだ。
加えて言うと、聖アルスノート王国のお姫様、つまり国王の妹君から、エヴァング・サファイア商人は信用するなと釘を刺されている。
超過激派で知られる妹君はどういうわけか情報通。けしからん貴族や強欲な商人、小賢しい百姓などを吊し上げ、粛清の名の下に血祭りに上げてしまえと唱える暴君の卵。
穏健派の兄がなんとか治めているいるようだけど、いつ孵化するか分からない妹の存在に胃を痛めていた。
「ーーーーーーと、言うわけで。詩織の力が必要なわけだ。お前にはエヴァング・サファイア商人が嘘をついているかどうかを見極めて欲しい。嘘を吐いていたら、こそっとあたしに教えてくれ。詩織にしかできない仕事だ。期待してるぞ?」
「私にしかできない仕事…………お任せ下さいッ!」
さすが詩織。手のひらで転がすと面白いように踊ってくれる。そこが彼女のいいところ。長所は伸ばし、使っていかなくては。いい意味で。
彼女の一芸は相手の嘘を見抜くこと。嘘を吐けば途端に信用を失うが、真実を口にして、なおかつ自分のことを良く言ってくれる人にはほいほいついてくる。
それだけ嘘に敏感で敵愾心が強く、信じられる人と思ったらすぐに笑顔を向けてくれる。悲しき性とも思えるが、今はプラスに考えよう。
さて、それではそろそろ本題に入りましょうか。
彼女の仕事はいたってシンプル。商売相手が嘘を吐いているかどうかを見極める。些細なことでも気になったことでも、少しでも違和感を覚えたなら逐一報告する。簡単なお仕事である。嘘が見抜ける詩織になら、だけど。
あとはまぁ特に必要が無い時は静かにしておいてくれということか。
任せて下さいのドヤ顔の詩織。
自信なさげにされるよりはマシかもしれないが、詩織というだけでやっぱり心配。
ところで、と切り返して、さっそく報酬の催促。
早ぇえよっ!
報酬がいくらになるか聞くだけならともかく、手招きしてまで頂戴な、は気が早すぎる。頓挫したらどうする気なんだ?
報酬は仕事が終わってからとステイ。
露骨に納得のいっていない詩織。
どういう理屈で腹を立ててるんだコイツは……。
それに満額渡す前に、溜まったツケを吐き出してから残りを渡すつもりでいる。そうしないと、いつまでも払いそうにないからな。その旨を伝えるとツケとはなんの話だと前のめり。
こいつほんと、殴ってやろうかッ!
事務所から持ってきた領収書の山を突きつけても知らんぷり。
くッ、コロッ!
ってやつだよ。
くそッ! こいつ殺してやろうかッ!
の略だよ。
……はぁやれやれ。まぁこの態度はいつものことだし、問答無用で徴収するから、この話はもういいや。
誤魔化しきれなかったと後悔の歯軋りをする詩織。
こいつ……本当に凄いなぁ。よくもまぁここまで己の欲望に忠実でいられるもんだ。
龍の食堂を回り、女将さんに頭を下げる。
工房に立ち寄り、親方に頭を下げる。
エクシアさんのところへ行って頭を下げるのだが、彼女は詩織のことを毛嫌いしているから、詩織の話題を振るのも恐ろしい。しかし行かねばギルド長としてのメンツが立たない。いやでもやっぱり怖いなぁ。
ただ怒られるならともかく、張り付いた笑顔で凍てつくように怒られるのが一番怖いんだよなぁ。
肩を落としてエクシアさんの前に立ってみると、満面の笑みで、何やら良いことがあったらしく、かなり機嫌がいいみたい。これなら多少、嫌な話題をかざしても大丈夫だろう。そしてさっと話してさっと帰る。あまり長居はできない。嫌なものの話しを延々されるほど、ムカつくことはないのだから。
「こんにちは、暁ちゃん。お久しぶり。街道建設で留守にしてたんでしょ? 仕事の進捗はどう?」
「お久しぶりです。今のところは滞りなく進んでいます。あとは聖王国の商人と、資金と人員の割り振りを行うだけです。その後はワルクマン一族と狐牙集落の方々に期待です。それから、これは別件なのですが、あたしの留守中にまた詩織が暴れたようで、誠に申し訳ございません。キツく言っておきましたので…………」
本来ならば、二度とやらせないように気をつけます、と言うのだけれど、その自信がない。隙あらば、突発的に、嵐のように巻き起こす詩織の性格からして約束はできない。
心中お察ししますと言葉を繋いでもらい、続けて、彼女を太陽が引き受けた時から容赦すると誓ったのだから、気に病む必要はない。貴女はよくやっている。でも事と次第によっては、ぷっつんするかもだから、暁ちゃんも覚悟しておいて。と死亡予告。
これは相当にキてるな……。
でも、と切り返して、一悶着あったおかげで華恋ちゃんが一層成長できたし、色々と進展したから結果オーライ。と楽しそう。
一体、華恋の身に何があったんだ!?
どうか悪い予感ではありませんように。
次は華恋を見に行こう。
アイシャの話しでは、依頼を兼ねてリィリィのところへ遊びに出ているらしい。ちょうど彼女たちにも顔を出そうと思っていたところ。
いつ見ても素晴らしい妖精庭園を練り歩いて、リィリィとセチアの住まう館へ向かう。ドアの前までやってきて、何やら楽しそうな笑い声が聞こえた。
妖精は幸福な場所に好んで住みつく。日中は幸福な人を求めてふらふらと散歩をしているのだが、いつもここに帰り、セチアたちと寝食を共にしていた。
ここが一番落ち着くと、彼女たちは笑顔で語る。
「あ、暁お姉ちゃん! おかえりなさいのむぎゅ〜♪」
「ただいまぁ〜。リィリィもセチアも元気そうでなによりだ。ここに華恋がいるって聞いて来たんだが……ディザも一緒か。今回はお兄さんが担当じゃないんだな」
「兄は都合が合わなくてな。今回は俺が担当させてもらってる。今日はほら、小さな宝石に穴を開けて、三つ編みの細い糸を通して輪っかにしたんだ。こんな感じでいいか確認しに来たんだ」
「へぇ……なんだこれは。とてつもなく繊細だな。また華恋が無茶を言ったか?」
「リィリィがねぇ、リィリィがこうして欲しいって言ったの。ちっちゃい石がキラキラって光ってね、絶対可愛いと思った。すごい可愛いよね。よね!」
「めっちゃくちゃ綺麗じゃん。さすがリィリィはセンスあるな。ちゃんとディザお兄ちゃんと華恋お姉ちゃんにお礼を言ったか?」
「うん、もちろん!」
「リィリィはいい子だなぁ!」
相変わらず可愛い金髪の歌姫。おもいっきりなでなでしてあげようじゃないか!
そんなじゃれあいを微笑ましそうに見つめる2人はまるで夫婦のよう。
夫婦のような……オーラを感じる?
つまり、ははぁ〜ん……そういうことか。
こいつら、恋っちゃってんな?
ちょっとからかってやると、華恋は顔を真っ赤にして首をぶんぶん横に振る。もう本当、可愛いらしいったらありゃしない。ディザの反応もまんざらでもない様子。さて、ご祝儀には何を用意しておこうか。
とにかく悪い予感ではなくて良かった良かった。
ミーケさんとリンさんにも挨拶に行こうかと思っていたけれど、妖精たちとリィリィちゃんに三時のおやつはいかがですかと誘われて、そのまま夕暮れまで遊び呆けた。
昨日まで働き詰めだったし、今日くらいはいいよね。
ディザと華恋の仕事の話しも面白かった。
普段はブレスレットのアクセサリーを作っているが、今度は簪なんか作ってみないかとか、イヤリングやネックレスも受注したいと意気込む男前。こいつ、そうとう茹で上げてるな。でなけりゃ無理難題の華恋に手を伸ばそうだなんて、物好きでなければありえない。
実は、と切り返す華恋のバッグから沢山のデッサン画が繰り出される。インヴィディアさんに作ったネックレスを皮切りに、本格的に装飾品のデザインをしてみたいと思うようになったらしい。
紙面の上の空想だけど、絵を見るだけで、それが輝いて見えたのは気のせいではない。手に取る人の笑顔を思い浮かべて、一つ一つ丁寧に描き出されているそれは、ディザのやる気に火をつけるには十分だった。
日暮も近く、ディザを見送って晩ご飯。その流れで華恋の恋バナ爆弾に火を点けよう。
恋をしているからか、あたしのいない間にもっと別の何かがあったのか、立ち居振る舞いが艶やかになっている気がする。普段はしない化粧も最小限で最大限、女の魅力を引き出すように工夫されていた。
ついに身なりに気を遣い始めたか。そう思うと同時にいいしれぬ悪寒が走る。
なぜだ?
喜ばしいことじゃないか。
自分磨きに精を出す女性は美しい。
なのになぜ……嫌な予感がするんだ?
過去を反芻するうちに、エクシアさんの笑顔が浮かぶ。まさか、いやそんなまさか……よりによって華恋が。華恋が……くノ一にジョブチェンジしているわけは……。
メリアローザには謎に包まれたいくつかの疑問が存在する。その一つに、メリアローザの女性は全員くノ一説というものがある。
男性は眉唾だろうと笑い飛ばした。
女性はどこからそんなうわさが流れたのかと首をかしげる。
他所から来た人間は、噂の真偽はともかく、メリアローザは美人が多いと大喜び。しかも男を持ち上げてくれるというのだから心地が良い。嫁にするならメリアローザの女性が一番。そんなことを嘯くやつも現れるほど。
一方で、強かな女性が多いのはメリアローザが作為的にそういう教育をしていて、裏で糸を操っている者がいるからだ。男を手のひらで転がす悪女たちだ。そう勘ぐる輩も少なくない。
実際のところ、男を手のひらで転がすという点については同意できる。体力的に言って、女は男に敵わない。では生き残るために、対等であるためにどうするべきか。腕以外の力と人の心を動かす知識を身につけなくてはならないという結論に至る。
それがくノ一。
人心を掌握し、裏に手を回し、男を盾て世を渡る。持ち上げる代わりに寵愛を頂く。
そういうふうに出来ている。少なくともメリアローザ……いや、エクシアさんの考え方は。
ついに、いつかは来ると思っていたが、華恋も秘密のくノ一修行を経てきたか。
暗殺術と話術に長けたくノ一の技術はどこに行っても通用する。現に実践されている(と思われている)のは外国から人のやってくる大規模なお祭りがある時。
祭りで起こる事件の全ては警備員・衛兵・警邏隊やその場の人で鎮圧・解決している。とされている。秘密裏に処理されているので詳細な数字は出てこないのだが、噂を耳にする限りでは、公的に解決されている事件の割合は約7割。残りの3割に関してはいつの間にか解決し、終わっている。陳腐な言葉なのだが、本当に『いつの間にか』なんだ。
近くで騒ぎ声が聞こえたと思えば、聞き間違いだったかと疑うほどに何もなかったり、告発を受けて現場に行ってみれば、これもやはり日常の風景が広がっているだけ。
こちらからしてみれば何がなんだか分からない。
事件がないなら、まぁそれでいいかで済んでいる。加えて言えば、気になりはしても祭りの只中で原因究明に割く余裕は無い。
いつも狐につままれた思いになりながら、もしかしたらくノ一の誰かが始末をつけたのだろうと納得していた。
エクシアさんは何も言わないけれど、きっとそういうことなのだろう。そういうことにしておこう、と。
それにしても、あたしが留守にしている間に華恋が大人の階段を一歩進んでいたとは驚きだ。思っていた方向とは違うベクトルにも進んだようだけど。
しかし成長は成長。アクセサリーと事務仕事に恋していた華恋が男に目覚めたのは素晴らしい。それに工房長の末の息子はいい男だ。女性に免疫がなくて、その点に関して少し苦労はするかもだけど、総じて真面目で一途。気力も十分。どこをとっても理想の男。
しかしなんだ、嫁に出す親の気持ちというやつか。
なんかちょっぴり寂しくなるなぁ。
嫁いだら龍に居を構え直すだろうし、しばらく会えなくなるかもなぁ。
まだ先の、来るかどうかも分からない未来なのに、想像し始めると切なさで胸がいっぱいになってくる。華恋は本当にいい子だからなぁ。
出会った時は少し無愛想なところも見え見え隠れしていて不思議な子だとも思ったこともある。だけど少しずつ心が落ち着いていくにつれてよく笑うようになった。
なによりあたしたちを地獄の事務仕事から解放してくれた恩人。結婚式は盛大に上げなくてはならぬ。
いやぁ、今日の夕陽は一段と綺麗に見える。
素晴らしきかな、人生っ!
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○工房○
牡丹「工房って言っても色々あるよね。蝶と猫の染色屋とか彫り師とか。龍は鉄とか木材を扱ってるし。中央は主に新しい魔法の開発とか」
華恋「そうですね。ギルドによって扱うジャンルと商材が決められているので、どこで何が手に入り易いのかがすぐに分かります」
暁「ひと昔前は、龍は鉄! 猫は布! って感じで厳格に決まっていたけど、人口が増えるにつれて境界が曖昧になっていったんだ。だから鉄も扱うけど機織もやってるって場所も出てきた。それによって同じ国の中だけど、ギルドによって特色が出てきて面白い化学反応が見られるようになったんだ。凌ぎを削る意味でも良い効果が出てるな」
華恋「メリアローザには商売の独占が認められていますもんね。私が前にいた世界とは真逆です」
牡丹「というと、商売を自由に選択していたんだ。でもそれだと、著作権は守られるの?」
華恋「一応、著作権を守る法律はありますが……守らない人もいます。そのへんは道徳ですね」
暁「なんかそういうことをすると、企業が市場に居座り続けるために人件費と材料費をケチってどんどん粗悪なものが市場に出回って、最終的に破滅するイメージが浮かぶんだけど」
華恋「そういう時代も……あったと思います……そこはまぁ、お互いが協力し合って業界を盛り上げるようにしていくのが大事というか、足並みを揃えるのが大事と言いますか。結局、人は値段が高くても良いものを買う習性がありますから、粗悪品は良品には敵いません」
暁「華恋も宝石商のとこに出入りして、カットのデザインとか学んでるんだよな。そういう意味では協力関係だな」
華恋「そうですね。お互いが同じものを扱っているので、感性を共有して新しいものを作っていくのは楽しいです。それに、我々の扱う商材は同じでもターゲット層が全く違うので、既得権益を巡って争うこともないですしね。仲良くさせてもらっています」
牡丹「仲良くと言えば、最近、よく一緒に仕事してる男性がいるだって?」
華恋「えっ! いやっ、そのっ! ディザさんとは仲良くと言うか、一緒に仕事させていただいていまして、それはもう助かっています!」
暁「顔が赤い。『ディザと』なんて言ってないのに、名前が出てくるあたり…………(ニヤニヤ)」
牡丹「あらまぁ焦っちゃって。かぁ〜わいぃ〜(ニヤニヤ)」
華恋「そ、そんなニヤニヤ顔で見ないで下さい。そ、それより! ディザさんと暁さんは随分と親しげな様子でしたが、どんなご関係であらせられるのでございましょうか……」
暁「急に言葉遣いがおかしくなった……ディザとは同い年で
華恋「幼馴染ッ!?」
暁「違うよ。たまたま歳が一緒ってだけ。ディザは工房を借りる時にサポートしてくれるんだよ。あたしが時々、工房で刀を打つだろ。1人でできないこともあるから、その助太刀を頼んでる1人。ただそれだけ」
華恋「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜………………そうですかはぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜………………」
暁「随分と長い安堵のため息だったな」
牡丹「だね。分かりやすい」




