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子供は親が子供を見るよりも親を見ている

 いつのまにかすっかり夜も更けてお月様が顔を出している。協力するのはいいけど、朝の8時から夜の10時まで付き合わされるのは勘弁してほしい。

 いつのまにか華恋は帰ってしまっているし。いくら人通りが少なくなったとはいえ、見知らぬ土地を夜に1人で出歩きたくはない。

 特に俺の姿は白骨死体なわけだから、周りの目がヤバい。


 それなら白い甚兵衛を着れば患者に見えるから多少はマシになると思う、って言ったお医者さんよぅ、案の定避けられてるよ。

 病み上がりどころか死にたてほやほやにしか見えないよ。そりゃまぁ俺も裸のままよりマシかなって思ったけどさ。医者ってやっぱ変人なのかな。そんなことないか。


 やれやれようやくギルドに到着。

 この体だと疲れることはないからいいけど、やっぱり病院からこの場所ってかなり遠い。みんな徒歩でよく行くなぁ。


 閑散とした食堂で待ってましたと暁さん。

 今日の経過報告やら計画書の進捗やら報告を終えて、とりあえず部屋に戻ろうとする。そんな俺を暁さんは引き止めて食堂の隅を指差した。


「お前の後輩が涙の海に溺れてるぞ」


「あれは…………何があったんですか?」


「今日はあいつと街歩きをしてきたんだがな。その時、アルマが詩織の魔法を見てみたいってんで披露してもらおうとしたんだがうまくできなくてな。本人は自信満々だし、剣も使えるっていって竹刀で打ち合いをしたんだ。察しの通りボコボコにやられて凹んでるんだよ」


「あぁー……なるほど。うーん、うまく説明できるかわからないんですけど、かくかくしかじか」


「うましかかくまる。聞き慣れない単語が多くてうまく飲み込めないが、要するに、こっちに来る前に詩織は架空の存在になりきっていて、その姿のまま転生したから、その架空の存在が使っていた魔法や剣技を使えると勘違いしていると。そういうことでいいのか?」


「あ、はい、そんな感じで合ってます」


「そうか。それでああも自信過剰な態度をとっていたわけか。しかし現実を見てもらわんとな。さいあく、自分の命を危険にさらしかねないからな」


 暁さんの言う通り、ここは剣も魔法もある異世界。

 あの調子でモンスターに喧嘩でも売ってしまった日には命の保証はない。

 とはいえ、暁さんの話しによると自分がいかに弱いかということを、肌身を持って知ったみたいだし、彼女も命が惜しいはずだからこれ以上無茶はしないだろう。


 横に座って至近距離で見ても遠くからみてもやっぱり美人だ。前の世界なら、街中でこんな美少女が歩いていたならば町行く人々の視線を独り占め。モデルのスカウトマンだって声をかける違いない。

 個人的には転生前の小柄な姿のほうが好みなのだが。


「詩織ちゃん。ここは異世界だけど現実なんだ。あんまし漫画やアニメって俺、全然知らないんだけど、なんていうか前向きに生きていこう。みんな良い人ばっかりだしきっとなんとかなるよ」


「チュートリアルを1人でクリアできねぇ雑魚モンスターが私に説教垂れてんじゃねぇよ! 雑魚がッ!」


 いきなり逆ギレされたー……。

 説教のつもりじゃないんだけど、いったいどう説得すればいいのか。視線で暁さんにヘルプを出すも、もうちょい1人で頑張れ、とウィンクが返ってくる。


 はぁー深呼吸深呼吸。

 ここで説得することはなんだ。

 あるがままの現実を受け入れさせることだ。

 詩織ちゃんは弱い。このまま虚勢を張り続けたら命の危険がある。だから一緒に強くなろう。

 そうそう大体こんな感じ。それとさっきは少し物言いが抽象的すぎたかもしれない。もっと具体的に言わなければ。


「今日の話しを聞いたんだけどさ、ゲームの時と比べて詩織ちゃんは格段に弱くなってる。当然俺はチュートリアルも1人でクリアできないスケルトンさ。だから一緒に経験を積んで強くなろうよ。もしかしたら以前より強くなれるかもしれないよ」


「は? 何言ってるんですか。私はもうレベルもスキルもカンストしてるんですよ。アップデートが入らない限りレベルアップなんてありえません。今のままで十分強いです。問題ありません」


 真顔でしかも無感情で、抑揚もない言葉が胸骨と背骨を串刺しにしていった。

 え、何この子、面倒くさい。

 魔法も使えないし、腹パンで失神する経験もしたはずなのに、まだ自分は強いと言い張る。

 どういうこと?

 どういう理屈でそんな考えに至るの?


 フリーズしている間に、彼女は自室へ戻って寝始めた。まるで銀河の深淵を探るような思いで、脳内の宇宙を駆け巡る俺を見かねた暁さんが目の前でため息をついてみせる。


「あいつ、どういうわけか弱いことを認めたくないらしいな。何かコンプレックスでもないと、さすがにあんな風にはならないと思うけど、たかピコは心当たりはないのか?」


「いや……全然。彼女と知り合ったのもつい最近ですし」


「そうか。じゃあしょうがない。ここの生活に慣れてからと思っていたが、彼女の元へ行くとするか」


「彼女、というと?」


「占い師のウララ・クララのところだ。昼前に出発するからそれまで待機しといてくれ」


 その女性はギルド【キャッツウォーク】の食堂の片隅で週に2日、小銭稼ぎがてら占い師をしているという。評判は上々で主に恋愛関係の占いが得意だそうだ。

 本職は薄記士。ギルドの活動報告をまとめて中央機関に提出する書類を作る事務の人。


 暮れない太陽と中央機関の延長線上にあるとはいえ直線距離で約30キロ。今回は転移陣(テレポート・サークル)を使って移動する。


 転移陣を使えばあらかじめ登録している転移陣まで一瞬で移動できるということだが、初めて本格的な魔法に触れるということもあってすんごいドキドキする。

 別の場所に瞬間移動なんてSFチックなのを体験できるなんて夢にも思わなかったなー。楽しみだなー。


 陣に乗って、瞬で移動。

 あぁ、光が舞い上がって行きますよーっ、って感じじゃないんだ。なんていうか驚くほど味気ないな。

 魔法を体験できると思ったのに、いや実際に瞬間移動したんだけど全然実感が湧かん。


 消化不良のままキャッツウォークの食堂へ到着。

 娯楽施設が多いためか、暮れない太陽とは違って音楽あり、舞台ありの賑やかな雰囲気。夜にはディナーショーやライブも開催されて不夜城と化すそうだ。


 昼間は子供も大人も楽しめる陽気な街。

 夜は大人の社交界。

 なんと胸踊る世界か。胸骨しかないけど。


「わざわざ来てくれてありがとうな」


「いえ、お呼びいただいて光栄です。私が忙しいのは書類を整理する月末ですから。今回見るのはそちらの…………ふた……ふたり……ですか?」


「ああ、こいつも1人換算で問題ない。だから2人だ。たかピコと詩織の2人を見てほしい」


「わかりました。ではたかピコさんから見てみましょう」


「あの、説明無しにここまで来たんですけど、何を見るんですか?」


「あなたの家族の姿を見てみます。相手次第ですが交信も可能です。暁さんから事前に聞いた話しでは、お2人は突然遠いところからお越しになったということで、親御さんは心配なさっているでしょうから」


「会話できるってことですか!?」


「できるにはできますが、相手が私に気付いて念話ができればの話しになってきます」


「あぁ〜……そうですか。多分無理ですね」


「そうですか。でもとりあえず試みてみますね」


 ウララ・クララ。

 彼女の固有魔法(ユニーク・スキル)家族の絆(ファミリーティース)は触れた対象の血縁の姿を透視する。

 この能力で人探しから不倫の証明まで役立てられていた。場合によっては口封じのために消されかねないと、笑顔で語る彼女は天然さんなのかな。


「これは、あなたのご両親の周囲に同じ青い帽子と青い服を着た人たちがたくさん見えます。えーっと……どうやら大変な騒ぎになっているようですね。いくら探しても見つからない、と。とても心配されているようです」


 この状況で複数人の青い服と言えば警察だろう。

 捜索願が出されて事情聴取やら現場検証やらをしているに違いない。頼むからパソコンの隠しフォルダの中は見ないでくれよ。


 そんなことに汗水垂らしながら、家族の姿を夢想すると個人的な心配などすぐに吹っ飛んだ。

 できることなら元気でやってるよ、と伝えたい。

 すぐには戻れないけど心配しないで、と。

 まずは人間に戻るところからだけど。いや戻れるのか。死んだ実感はないけど、俺って人間に戻れるのかな。


 最初は両親の姿を見てもどうしようもないと思っていたけど、心配してくれる家族がいると知ったなら、俯いている場合じゃないな、と勇気が湧いてきた。


 同時に強烈なホームシックにも襲われる。

 帰りたい。しかしこの姿で帰ったところで今以上に居場所がない。

 手紙でも、たった一言だけでもいい。言葉を伝えて安心させたい。異世界とはいえ言葉を送るだけなら人間に戻るより簡単そうだ。中央機関には大きな図書館もあるそうだし、諦めずに探してみよう。


 次に詩織の両親を透視。

 両親は離婚しているそうで、今は母親と同居生活送っていた。シングルマザーともなればさぞ生活も大変だろうし、それだけ娘に向ける愛情も深いに違いない。


 ウララが見た母親の姿は、落ち込んではいるけれど、気丈に振る舞う強い女性の姿があるという。

 心配を表に出さないのか、出せないのか、どちらにせよきっと1人の時、涙に暮れているに違いない。

 早く元の世界に元の姿で戻りたい。家族を安心させてあげたい。

 そう心に誓った矢先、詩織の口から思いもよらない言葉が飛び出した。


「あんた、嘘吐いてるでしょ」


「え、私がですか? どうして」


「どうしてとかこうしてとかそんなん知らない。なんか嘘くさいのよね。95%は嘘っぽい」


「ちょ、詩織ちゃん何言ってるの。仮に嘘を言ってるとして彼女にメリットなんてないよ。それに子供がいなくなって心配しない親なんていないよ」


 なんでそう思ったのか俺には理解できないけど、詩織は随分と確信を持って疑っている。たとえ彼女の言葉が嘘だとしても本当だとしても失礼に変わりない。


 なんとか落ち着かせようとしても余計にヒートアップするし、挙げ句の果てには掴みかかりそうな勢いにまでなってしまい、力ずくで転移陣へ押し込んだ。




 翌日、あたしはウララに呼び出されてキャッツウォークのギルド本部へ出向いた。受付を済ませて案内された場所は最も奥の人気のない個室。

 人払いが済まされ、普段騒がしくしているキャッツウォークの陽気な雰囲気から遠く離れた場所。


 嫌な予感は当たるもので、扉の向こうには泣きむせぶウララとそれをなだめるキャッツウォークのギルドマスター、ミーケ・タリスマンの姿がある。

 思い当たることといえば、昨日、たかピコと詩織を連れてきたこと以外に思い当たらない。その時は気にしていない様子だったが、詩織が不敬を働いたことが原因か。ならばギルドマスターとして、許してもらえるかわからないが誠心誠意尽くすしかない。


 しかし、あたしが謝るより先にウララが謝罪を述べたのだ。あたしに頭を下げる理由はあっても、彼女があたしに謝り続ける理由が見つからない。


 しばらくして呼吸を整えた彼女は一言、詩織さんに嘘を吐きました、と告白した。

 まだまだ青二才のあたしだが、世界中を旅してきたせいか、顔色を見れば、完璧とまではいかないが、大体その人が何を考えているのかすけるように感じとれる。こういうのを空気を読むとかいうのだろうが、あぁこいつ今、腹の中で言葉と違うことを考えてるな、くらいにはわかる。


 占いのあと、詩織が嘘を吐いたと言ったウララの顔はそんな様子ではなかった。全然見抜けなかった。

 きっと彼女の固有魔法のせいもあるだろう。嘘を顔に出さないよう、悟られないように嘘が吐けるようになっていたんだ。自分の身を守る為に。そして他人を守る為に。


「どうして嘘を吐いたんだ? 何か理由があるんだろ」


「私自身信じたくなくて、でも事実で、それが悲しくて、とても言い出せませんでした。だから、()()()()()()と嘘を吐いたんです。でもあまりに、そんな、自分の実の娘なのに、悲しくて、心が押し潰されそうで、どうしようもなくて…………」


 嘘を吐いたと言ったのは本当だったのか。

 それにしても、嘘を吐いた部分が、心配している、ということは、信じられないが詩織の母親は娘がいなくなったことを喜んでいるのか。そんな親がいるものなのか!?


「詩織さんの母親は、詩織さんと一緒に写っている写真の本、アルバムをゴミ箱に捨てて、こ、こう言ったんです。やっとあの子から解放された、って」


 背筋が凍りついて手が震えた。

 残酷な現実が目の前に横たわって、恐怖している自分をまるで冷たい視線で睨みつけられているかのような、そんなドス黒い感覚に襲われる。


 いつもニコニコして笑顔を絶やさないでいるミーケさんも、今ばかりは目を見開いて凍りついていた。

 彼女はそんな現実を知って、母親の残酷な精神を悟らせない為に嘘を吐いたんだ。

 こんなことを娘が知ったら、どれほど絶望するだろう。どれほど悲しむだろう。

 傲慢な性格をしているが詩織だって人の子だ。こんなの傷つくどころの騒ぎじゃない。


 それを彼女は優しさで堰き止めている。

 それがどれほどの勇気と優しさか計り知れない。

 赤の他人を想って泣いている涙のなんと熱いことか。


「で、でもその後、拾い上げたんだよね、そのアルバム。おかあさんもパニックになってるだけだろうし…………」


「私も信じたくありませんでした。だから少し先を見たんです。そしたら、思い出はそのまま燃やされて、恐ろしいと思ったのはその後です。日に日に綺麗になっていくんです。白髪混じりのボサボサの髪が、やつれた顔が、弱々しい腕が、若返っていくんです。まるで御伽噺に出てくる魔女みたいに…………ッ!」


 目は口ほどに物を言う。というが、これほど目に見えて恐怖を感じるものもないだろう。

 心の底から精神を病んでいけば、それは身体のあちこちに危険信号として現れる。

 逆に回復していけば、ストレスの溜まった体は元の元気な姿を取り戻す。


 極めて悲しいことに、今回は後者だったことを考えれば、彼女の嘘は正義に他ならない。

 傷つくと分かっていて、知らなくてもいい事実なんて知らなくていいんだ。


 だからあたしは、彼女の心を抱き寄せて、一言だけ囁いた。


「詩織の為に、嘘を吐いてくれてありがとう」


 ___________________________________________



  ¥事務仕事¥


ウララ「本日のプチ情報コーナーのお題はズバリ、事務仕事!」


華恋「これってお題にするほどのことなの?」


ウララ「そこをなんとか広げるの! 話が横道にそれようとも!」


華恋「横道にそれたらお題の意味が……」


ウララ「そんなわけで私たち事務員が何をやっているかというと、主にギルドメンバーがこなした仕事の内容のまとめ作業です。過去の事例を文書化して今後の仕事に生かすということや、領収証代わりとして税金の徴収額を決定する為に使用されます」


華恋「仕事をすればするほど納める税金が増えてくってなんか納得いかない気がする」


ウララ「でもでも、税金のおかげで公共料金や入院費、図書館の利用料だって無料なわけですし、天災が起こった時なんかは殆ど税金で補償されるようになってるわけだから、持ちつ持たれつだよね! 諸事情あってみんな病院には行きたくないけど」


華恋「(あぁ、私もあの病院には行きたくないな)そうだよね、困った時はお互い様だもんね。そうなると私たちの仕事ってとても大切なことなんだね」


ウララ「そうだよ。事務員はギルドと中央機関を結ぶ架け橋なんだから。必要な仕事だし、私たちみたいな非力な人にはもってこいの仕事だよ。給料は安定していて結構高いし」


華恋「そういわれれば結構な高給取りだよね。でもなんで誰もやりたがらないの? こんなに楽しいのに」


ウララ「この仕事を楽しいと思える人は少数派だと思うよ。まぁ少ないのは事実だし、色々と理由はあるけど、1番の理由は識字率の低さだね。メリアローザの識字率は約50%とまだまだ低い水準なわけ」


華恋「そういえば、暁さんも最近になって文字が完璧に読めるようになったって子供たちに自慢してたな」


ウララ「この国は仕事をしながら周りの大人たちに混ざって言葉とか文字を覚えていくスタイルで来ちゃったからね。だから暁さんも国王様も集中的に基礎的な知識を学べる学校の建設とシステムの構築に力を注いでる」


華恋「うん。本当に凄い人たちだと思うよ。……あれ、ウララって確か文字が読めないんじゃなかったっけ?」


ウララ「そうだよ。生まれついての発達性読み書き障害(ディスレクシア)なんだ。でも口頭なら言葉の意味も文章の繋がりもきちんと理解できるから、みんなが書類に書いた文章を読み取って、口頭で喋ってるのを筆記してもらってるよ」


華恋「わざわざウララを通して翻訳してるってことは……キャッツウォークももしかして」


ウララ「あぁ〜……華恋のところもそうなんだ。そうなんだよね、言葉に出すには問題ないのに、文章にしようとすると突然、国語力が低下するんだよね。まんま書けばいいと思うんだけど。なんか絵日記みたいな文章になるの」


華恋「うちは殆ど箇条書きで、簡潔なんだけど状況が全然伝わってこなくて」


ウララ「これもまた重要な教育の1つとして提案するとしよう」


華恋「そうだね。話しが少し戻るんだけど、文章を読み取るって言ってたけど、前にアルマに頼んでた翻訳機を使ってるの?」


ウララ「そうだよ〜。この指先につけた端末を紙面に当てると自動的に音声として耳につけた本体に送られて音として頭の中に流れてくるんだ。すっごく便利だよ。骨を振動させて直接、脳に届くから耳の悪くなった年配の人に大ヒットしてる。私のは特別製で流れてくる音声はドラゴンテイルのギルマスの声を入れてもらったんだ♪ 緑◯光さん似のイケボ!」


華恋「紙面に当てるだけで文章が耳に届くなら長時間、目を酷使する事務作業には嬉しいね。声も聞こえにくい声とかあるから自分で聞こえやすい人の声を入れられるのも助かるね」


ウララ「それだけじゃないんだよ。これを使えば紙面の文章だけじゃなくて本の内容も読み上げてくれるから、読みたい時に読みたい本を読み放題なんだ」


華恋「ウララは誰かに読んでもらわないといけなかったから、これは本当に嬉しいアイテムだね」


ウララ「そうなんだ〜。アルマちゃんには本当に感謝感謝だよ。でもね、さっき特別製って言ったでしょ。私のは複数の声を記録して、設定すれば登場人物ごとに声を振り分けられるんだ」


華恋「妙に細かいな」


ウララ「だからね、ごにょごにょ小説の男性部分をギルマスの声にして女性の声を自分のにして、ごにょっにょにょしてるところをごにょにょーするとあはー☆」


華恋「はっ、えっ、ちょっ! 本当にそんなことしてるの!? マジで!?」


ウララ「楽しいよー。今度華恋にも貸してあげよっか? ネロさんの声、登録しとくね」


華恋「なっ、がっ、や、やめろぉーーーーーー!」


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