観察日記12
11月15日
ここのところ、スラちゃんについてばかり書いていたので、久しぶりにお兄ちゃんの観察でもしようと思い立った。正直気が進まないのだけれど、まぁ、この観察日記を書き始めたきっかけはお兄ちゃんなので、少しは観察してあげよう。
といっても、今日は書くことがほとんどない。「まったく」と言い換えても良い。お兄ちゃんは、変化の乏しい人生を送ってるみたいだ。
何も書かないというのはアレなので、お兄ちゃん自身に聞いた身長と体重、それと容姿とかについて書いておこう。
身長は165㎝、体重は55㎏。容姿は可もなく不可もなく。
本人は『某、鬼のお兄ちゃんっぽくていいだろう?』と言っていたんだけど、私には何のことだかよくわからなかった。
11月16日
今日はお兄ちゃんの趣味とかについて書いてみようと思う。
お兄ちゃんの趣味、というか好きなものはゲームだ。「すごく上手い」とかじゃなくて、むしろ「下手の横好き」なんだけれど、家ではよくゲームをしている。
たまの休みなんかは、ロクヨンの大乱闘するヤツで勝負している。負けたら皿洗いとか、罰ゲームを課すと中々白熱するので面白い。
狩りのゲームをすることもある。狩りゲーの時は昔のCMみたいに、お兄ちゃんが「一狩り行こうぜ!」って誘ってくるので、仕方なく付き合ってあげる。お兄ちゃんは片手剣のエリアルスタイルを好む(たまに「俺なりの、エリアルスタイル!」って叫んでる)。
そんなお兄ちゃんは、今日もゲームで遊んでいた。最近は某運命ゲームアプリに夢中らしい。『冥界の女主人さんが出ないんだ……』ってつぶやいていた。
冥界の女主人……。邪神と何かつながりがあるのかな?
11月17日
お兄ちゃんが邪神になってから変わったことと言っても、ぱっと思い浮かばない。
なんてことを思ってたら、お兄ちゃんが変な顔をして帰ってきた。例えるなら、そう、「砂糖だと思って舐めたら塩だった」みたいな感じの顔だ。
私は気になって何かあったのか聞いた。すると、『告白された』って返ってきた。
まさかあのお兄ちゃんがねぇ、なんて私は思った。まぁ、顔の作りは悪くないし、物好きな人がいてもおかしくはない。でも、お兄ちゃんはあんまり乗り気じゃないみたい。自分がモテるとは思っていなかったんだって。
告白された相手は同じ大学の人で、理由は「ひとめぼれ」らしい。
ひとめぼれ……一度言われてみたいものだ。
告白に対するお兄ちゃんの答えは「保留」。詳しく聞くと、相手はよく知らない人だったみたい。で、いきなり付き合うとかは考えられないって答えたみたい。そしたら相手はそれでも良いって言ったんだって。それで、『まずは自分のことを知ってもらうために、明日一緒に遊んでください』って言われたらしい。お兄ちゃんもまんざらではないらしく、OKを出したようだ。
もはやデートなんじゃないのかと思ったけれど、口にはしなかった。
明日はちょうど日曜日で、私も休みだ。
これはしっかりと(かつ、こっそりと)観察しなければなるまい。
恋心産ヒトメボレ(`・ω・´)




