転生
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とうとう、このつまらない生活が1カ月が経とうとしている。
「はぁあ…青春してぇーな…刺激が欲しぃぃ」
なんて学校の屋上で一人で呟いていた。
「おっ!文月何やってんだこんなとこで?」
こいつはクラスメイトの中島裕太だ。
「いや、ちょっと考え事を…」
「てか!今度海行くんだけど文月も行くか?」
「え、海かあ…行けたら行くわ〜」
「行けたら行く」はこの世界で一番信用できない言葉である。
「おっけー行けたら連絡しろよー!」
(海かよ…泳げないしただの時間の無駄だろどうせ…絶対行きたくないのだが…女の子がいれば別の話だ)
「いっそアニメ見たいに異世界転生とかしてみたいな…そしてハーレム生活…」
文月は転生ものが好きらしい。
そしてとうとう海の日当日。
行かないと言っていた文月は誰よりも早い、集合時間の10分前に到着していた。
「なんだよ〜!文月行きたくなさそうな顔しといて帰ってすぐ電話してきたから何事かと思ったら、是非行かせてくれ!って」
「…いや〜あれはちょっと気が変わってさ?ちょうど暇だったわけだし?ま、いっかみたいな?」
(まあ女の子の水着を見れると思っただけだけどな)
泳げない文月にとって海とは女の水着姿を見ることだけが楽しみなのである。
「よし!ちょうど4人集まったことだし海行くかー!」
1時間後…
「はぁあ…まじかよ…クーラー壊れてるってどうゆうことだよ!暑すぎるだろ…」
文月以外の男達はすぐさま海へ飛び込んだ。
「はぁー。最高!」
だが、文月は泳げないため海のかわりに海の家に飛び込んだ。
「はぁー!日陰が一番最高だわーーーーて、えっ?!」
文月は驚いた。
「いらっしゃいませー。かき氷ですね?200円です」
そこで働いてたのは、文月とクラスメイトで隣の席の千早だったのだ。
「なんであんなとこで働いてるんだ?てか、スタイルも色々やっぱすげぇ」
と千早のスタイルの良さに魅了されていると
「おっ!文月じゃーん!何してんのー?」
声をかけて来たのは千早の友達の加奈達だった。
「お、おう。加奈達なんでいんの??」
「いや、実はこのかき氷屋が千早のお婆ちゃんが経営しててさ。千早バイトだからついでにウチらは行って遊ぼっ!ってなったわけ」
(手伝う気はないのかよ…てか、そろそろどっか行ってくれ!)
「へー、バイトかあ大変だな…てか、加奈達泳がないのか!?」
文月は加奈達とすぐ離れたかったのか、話を終わらせた。
「あぁ、じゃあ、ウチら泳いでくるから後で〜」
「お、おう!」
(あ、危ねぇ…流石にクラスメイトの水着見てたら色々危なかったわ…高校生にもなるとレベルがちげぇ)
アニオタかつ変態クソ野郎だ。
「ふう…何もしてないけど疲れたな…どうせ泳げないし寝るかぁ」
一息すると日陰のあるベンチに横たわった。
「…ふふっ」
すると後ろの方から小さな笑い声が聞こえた。
「来てたんだ、泳がないの?」
それはバイトの休憩に入っていた千早だった。
初めて千早の笑顔を見た文月は何故か感動していた。
「お、おう。バイト終わったのか?」
「いや、今は休んでるだけ」
こないだの事を思い出したのか文月と千早は気まずい状態だった。
すると、深刻そうな顔で千早にこう言った。
「てかこないだは本当にごめん。興奮しちゃってさ…まさか同じ小説を読んでるなんて思ってなかったから…しかも、みんながいたのにも関わらずあんな大声で…悪かった」
文月はこないだの件について全て謝った。
「大丈夫。過去のことなんて気にしてないよ」
文月の暗い表情が一瞬で変わった。
「…えっ?あ、ありがとう。まさか許してくれるとは思わなかった…」
「え、そこまで酷い人じゃないのに!」
(やはり邪悪オーラなんて纏ってないじゃないか)
文月はなぜか笑顔だった。
「そういえば!あの時のアニメが好きって話本当なの…?そんな子には見えなくて…。もしアニメが好きなら僕と……友達になってくれませんか…?」
告白をしたのかという緊張感で文月は言ったその時お婆ちゃんに千早が呼ばれてしまう。
「千早ちゃーん?ちょっと手伝っておくれ」
千早は笑顔でこう答えた。
「…いいけど、みんながいる前ではやめてよね?じゃあ、また学校で…」
まさかの答えに文月は顔を紅潮させる。
「え、あ、?!ありがとうございます!!じゃ、じゃあ後で…」
告白成功並みの喜びの笑みを浮かべた。
嬉しさのあまり無意識で海の方へ向かっていた。
(あぁぁあー!緊張したぁ…てか、OKもらっちゃたよ!しかも近くで改めて見るとやっぱすげぇスタイルいいわぁ!!俺の卑陋なソードが暴れそうだ…)
文月は千早と別れた後、興奮状態で、泳げないはずの海へ飛び込んでしまった。
「……バッシャーーン!!」
もちろん、泳げないためすぐに溺れて沈んでしまった。
(ああ…やべぇ…泳げないのに…こんな死にかたは嫌だ…)
どんどん文月の意識が遠のいていく。
(死ぬのかなぁ…)
「文月!!文月っ!起きろ!」
(ま、眩しい!?溺れた後どうなったんだ俺…?まさか異世界転生?なら嬉しいんだけどな…)
「おい!起きたか?!大丈夫か?文月!」
目が覚めた文月は病院に運ばれており、目の前には両親がいた。
どうやら心肺停止の重体で死にかけたらしい。
「…もう!!何してるの…!あなた泳げないのに海へ飛び込んだのよ!でも良かった…千早って子のおかげだわ…」
溺れた文月を助けたのは千早だった。
(嘘だろ…あの子が助けてくれたのか…)
廊下の方から足音が聞こえた。
「おい!文月大丈夫か!?溺れたなんて!」
そこに来てくれたのは海に誘って来た中島だった。
「悪かった本当!泳げないのに誘っちゃって、こんなことになるなんて…」
(そんな大声で泳げないなんて言われてもなんか謝られてる気がしないんだけどな)
「いや、大丈夫!飛び込んだのは自分だし…高校生にもなって泳げない俺が悪い…」
文月は中島は悪くないと伝えた。
「それより!わざわざお見舞い来てくれてありがとう。すぐ退院できるから心配しなくていいよ」
文月は20分ほど中島とのトークを楽しんでいた。
「そうか良かった!俺じゃあそろそろ帰るわ。じゃーな…お大事に!!」
中島は病室をあとにした。
読んでくれたかありがとうございます。
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