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魔王の成りそこない  作者: 味醂味林檎
ベエル暦一七一六年 夏の終わり、そして秋
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第十月一周目第一曜日

 アールヴ・ブラックと刻印された財団の職員証と、財団の経営する銀行の口座が与えられた。私の仕事はキャンディの護衛である。聞くところによれば、彼女は財団の活動域を拡げるために、危険な場所にも赴くらしい。詳しいことはエージェント・ウィローから聞け、と言われた。彼女は私と同郷であるそうだ。確かに言語的障害が少ないほうが、効率は良いだろう。

 待遇としては、恐らくは良いほうなのだろうと思う。役目についている時以外は、ある程度の自由行動は許されているし、給金も生活のうえでは充分、むしろ有り余るほど口座に振り込まれる。無論、貴族であったあの頃に比べれば微細ではあるが。

 キャンディには「金溜めこむの趣味なん?」と聞かれたが、別に趣味ではない。ただ、使うことがないだけだ。任務で必要なものは経費で落ちるし、住む場所も財団が提供してくれているので、特に手を出さなければならないほどのものがない。

 だが、言われてみれば趣味というものが思いつかないのは、あまりよくない傾向であるのだろうか。弟や妻も読書や刺繍だの、何かしら趣味を持っていた。とはいえ自分がそれを真似するのは、しっくりこない。

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