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魔王の成りそこない  作者: 味醂味林檎
ベエル歴一七七九年 さようなら

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第八月三週目第四曜日

 ゲエトは概ね平穏であるようだ。物騒な事件といったら、先日ジルベスターが今更ながらに反乱を起こして鎮圧されたことくらいのものだ。あの男が未だに私と共に戦った魔王継承の争いに執着を持っていたとは露ほども思わなかったが、昔のことを忘れがたく思うのは、長命な魔族のさがだろうか。

 平穏な治世が続いているということは、弟は魔王に向いていたのだろう。それは恐らく、私よりもずっと。相変わらず、ゲエトは優れた魔術師を輩出し続けている。

 私が切り捨ててきたものを、弟は私の知らないところで拾い上げてきたのだろう。私と弟の違いといったら、それくらいのものだ。たったそれだけのことで、結果はこうも違って現れた。

 私は誇らしく思うべきなのだろう。あの弟が、私の弟であるということを。あの弟と決裂してしまったのは、きっと、全て私が悪かった。何せ、あの弟ときたら、かつての私の理想を現実に落とし込んでいる。

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